ここ1年くらいでイスラム金融という言葉をよく聞くようになってきたが、
「利息を貰ってはいけない」とか、味の素で話題になった「豚」の話とか、
「コーランが禁ずる豚肉、アルコール、賭博、武器、ポルノには投資しない」
という程度のことしか知らなかったので、なんか入門書を…と思っていたところ、
とある雑誌の書評で入門書としては適格だと取り上げられていたので読んでみた。
「イスラムで利息はダメ」といっても、金利の代替手段を見つけ経済活動をしているのが現実で、
取引手段や対象などをイスラム法学者たちが判断して「シャリア適格」とすればOKらしい。
東証でも先日からシャリア指数を発表するようになったあの「シャリア」ですな。
簡単に言えば「実体のないものを取引したり、それから利益を得てはダメ」というルールに近く、
現時点ではオプションとか先物とかは未だにシャリア適格にはならないらしいが、
近いうちに何らかのスキームを構築して、実質的にそれらと同じような金融システムが出来るかも。
現在使われているイスラム金融でのスキームとしては以下のものが挙げられる。
「ムラバハ」は商品取引などで、金融機関などを介在者とし金利分を手数料として収受するスキーム。
「ムダラバ」は事業家を通じてプロジェクトなどへの投資して、その成果を分配金とするスキーム。
「ムシャラカ」は共同出資によるベンチャーキャピタルファンドのようなスキーム。
「イスティスナ」は金融機関などが製品の製作や建設の指示を行い、工業製品や建造物を調達するスキーム。
「イジャラ」は単純明快でリースやローンそのもの。
一番有名なのは多分「スクーク」という言葉でイスラム債券だが、当然クーポン(金利)という概念は使えず、
金融機関やSPCが間に入って実態のある商品取引や投資を背景に持つ証券を作って、
金利ではなく投資成果を元本に加味する形をとるのが一般的だそうだ。
言葉は悪いかもしれないけどなんやかんや理屈をつけて、
イスラムの教義の範囲内に納めてしまえばOKという感じがしないでもない。
ちなみにイスラムでは「元本保証」はアッラーが決めることであって、
我々人間が決めることではないというスタンスになるそうだ。
投資に適した宗教かもしれんね。
少なくとも過保護な法律つくって時間とコストを浪費するような国の考えとは対極的だ。
章立ては以下のとおり。
第1章 イスラム金融の急成長とその背景
第2章 利子を用いない金融の仕組み
第3章 イスラム金融の歴史地理学
第4章 日本のイスラム金融
― グローバル化へのキャッチアップに向けて
第5章 イスラム金融ビジネスに着手する日本企業
― 東京海上グループのイスラム保険(タカフル)事業への取り組み
第6章 イスラム金融の社会的意義
もちろんこの一冊でイスラム金融の全てが解説されているわけではないし理解も出来ないけれど、
歴史的経緯の説明や具体的な統計数字などを使うことで、イスラム金融の全体概要が解るようになっている。
多くのレポートや統計などを参考文献として引用しており、ちょっとお堅い感じがしてとっつきにくいかもしれないが、
まさにイスラム金融に関する基礎知識を固める入門書としては良い本だと思う。
ただイスラム金融に対する知識の偏りをなくすためにもう一冊なんか読んでみたいな。
「利息を貰ってはいけない」とか、味の素で話題になった「豚」の話とか、
「コーランが禁ずる豚肉、アルコール、賭博、武器、ポルノには投資しない」
という程度のことしか知らなかったので、なんか入門書を…と思っていたところ、
とある雑誌の書評で入門書としては適格だと取り上げられていたので読んでみた。
「イスラムで利息はダメ」といっても、金利の代替手段を見つけ経済活動をしているのが現実で、
取引手段や対象などをイスラム法学者たちが判断して「シャリア適格」とすればOKらしい。
東証でも先日からシャリア指数を発表するようになったあの「シャリア」ですな。
簡単に言えば「実体のないものを取引したり、それから利益を得てはダメ」というルールに近く、
現時点ではオプションとか先物とかは未だにシャリア適格にはならないらしいが、
近いうちに何らかのスキームを構築して、実質的にそれらと同じような金融システムが出来るかも。
現在使われているイスラム金融でのスキームとしては以下のものが挙げられる。
「ムラバハ」は商品取引などで、金融機関などを介在者とし金利分を手数料として収受するスキーム。
「ムダラバ」は事業家を通じてプロジェクトなどへの投資して、その成果を分配金とするスキーム。
「ムシャラカ」は共同出資によるベンチャーキャピタルファンドのようなスキーム。
「イスティスナ」は金融機関などが製品の製作や建設の指示を行い、工業製品や建造物を調達するスキーム。
「イジャラ」は単純明快でリースやローンそのもの。
一番有名なのは多分「スクーク」という言葉でイスラム債券だが、当然クーポン(金利)という概念は使えず、
金融機関やSPCが間に入って実態のある商品取引や投資を背景に持つ証券を作って、
金利ではなく投資成果を元本に加味する形をとるのが一般的だそうだ。
言葉は悪いかもしれないけどなんやかんや理屈をつけて、
イスラムの教義の範囲内に納めてしまえばOKという感じがしないでもない。
ちなみにイスラムでは「元本保証」はアッラーが決めることであって、
我々人間が決めることではないというスタンスになるそうだ。
投資に適した宗教かもしれんね。
少なくとも過保護な法律つくって時間とコストを浪費するような国の考えとは対極的だ。
章立ては以下のとおり。
第1章 イスラム金融の急成長とその背景
第2章 利子を用いない金融の仕組み
第3章 イスラム金融の歴史地理学
第4章 日本のイスラム金融
― グローバル化へのキャッチアップに向けて
第5章 イスラム金融ビジネスに着手する日本企業
― 東京海上グループのイスラム保険(タカフル)事業への取り組み
第6章 イスラム金融の社会的意義
もちろんこの一冊でイスラム金融の全てが解説されているわけではないし理解も出来ないけれど、
歴史的経緯の説明や具体的な統計数字などを使うことで、イスラム金融の全体概要が解るようになっている。
多くのレポートや統計などを参考文献として引用しており、ちょっとお堅い感じがしてとっつきにくいかもしれないが、
まさにイスラム金融に関する基礎知識を固める入門書としては良い本だと思う。
ただイスラム金融に対する知識の偏りをなくすためにもう一冊なんか読んでみたいな。