白黒子の世界(White Moles メラノブログ)

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"no now"

2012-11-02 16:11:33 | 音楽雑記
ファンシーナムナムの新作アルバム、"no now"を聴いた。


これからずっと愛聴していくこと決定の大名盤。
これが率直な感想だ。

妖艶なメロディーに優美なボーカルがはまりすぎるくらいにはまっている。
打ち込みのリズムに合わせて、バンドの核とも思えるファンキーで粋なベースが絡み付く。
ギターは、ある時は曲調にはまった美しい旋律を奏で、かと思えば凶暴な(でも何故か優しくも感じる)ファズギターで轟音をかき鳴らす。
完璧なバンドサウンドだ。

商品説明にも『サイケデリックロック、ジャーマンロック、ミニマルテクノ、ファンク、中東音楽など様々な要素を取り入れた...』とあるように、おびただしい数の音楽を聴き、彼女たちの中に取り入れてきたのだろう、ということは容易に想像出来る。
しかし、僕が一番共感するのは、あくまでもそれらの影響はサウンドスパイス的な部分でしか表現されていないように思うことである。というのも、そう感じずにはいられないほどに、バンドの"芯の部分"はオリジナリティに満ち溢れ、そこに確固たる信念をヒシヒシと感じるからだ。
自分たちにしか作れない音楽、出せない音を追求しようとする気概に満ちている。

(おそらくはAngel'in Heavy Syrupがそうであったように)日本人の持つ叙情的で繊細な心象風景を、本当の意味でのサイケデリアに昇華したバンド、それがファンシーナムナムであり、本アルバム"no now"だ。

まだまだ若いこのバンドは、2010年代のバンド音楽の可能性を見せてくれた。
これからもさらなる進化をしてくれると期待せずにはいられない。

彼女らの存在は、現代の若手ミュージシャンにとって宝のような存在だろう(もちろん僕のような30代にとってもきっとそれ以上の年代の方にとっても宝であることに違いないのだが)。オリジナリティとは何なのか、偉大な先人たちへのリスペクトとは何なのか。このアルバムを聴いて何か感じることがあるに違いない。是非20代のオリジナルバンドをしている人たちに聴いて欲しいアルバムである。


ファンシーナムナムが"no now"を発表したことで、音楽の未来は明るく開けたように思うのだ。

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