カレー屋(EXA)

エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

Apple Monster

2020-10-28 23:30:00 | スポーツその他
カレーです。

もはやこのブログにたどり着くような稀有で奇特な方々には
説明するまでもないと思うのですが、
よくよく考えたらこの選手の凄さってまとめて書いたことがあったっけ?

と思いまして。

…まあ、せっかく改めて“紹介”が可能な機会だし、
言葉にできそうなときに言葉にしておくといいかな?

と、またスマホ片手に仕事の合間の休み時間、
コーヒー飲みながらペソペソと言葉を紡ぎ始めてみています。


先に結論から。

私の彼女のイメージは、掲題の通り。

“Apple Monster”

…怪物感ゼロの、怪物。

だがしかし、
問答無用に、怪物。

11.7、東京女子プロレスTDCホール大会というビッグマッチで初参戦となる、
我闘雲舞、駿河メイ選手について。



駿河メイ選手は、京都出身我闘雲舞所属のデビュー3年目、
21歳のプロレスラー。

2018年3月に“練習生”として紹介されると、
まもなく市ヶ谷での興行で行われたドロップキックコンテストで
審査員長アントーニオ本多から高評価を獲得して優勝。






優勝特典として、さくらえみ代表から
5月の北沢タウンホール大会でのデビューが告げられました。

前年10月にさくらさんが(私生活で色々あった反動から)立ち上げた
「誰でも女子プロレス」。

その出身選手第1号としてデビューの決まった練習生・駿河メイは、
数多の選手をプロレス界に輩出してきたさくらさんをして
「歴代最短」という、3ヶ月弱でのデビューを決めることとなりました。





練習生の段階で19歳と紹介されましたが、
小柄で年齢以上に若く感じる外見と、
大人しそうな出で立ち。
一見すると“プロレスラー”というイメージと中々結びつかないことから、
一体どういう選手なのか…あまりイメージできていませんでした。

が、
デビュー1週間前、
市ヶ谷チョコレート広場でさくらえみ相手に行われた、
エキシビションマッチ。

“プロレスラーのイメージと結びつかない”ヴェールの下にいたのは…
無尽蔵の運動量を持つ、
ポニーテールの、怪物でした。

この日の3分間のエキシビション、
動画撮影が許可されました。

…思えば、水森由菜選手のエキシビションの時もも解禁された動画撮影。

この許諾はもしかしたら、
さくらさんの自信の現れなのかもしれません…

練習生・駿河メイは、
そのエキシビションマッチの間有り余るスピードと手数で
スペースの限られた市ヶ谷チョコレート広場のマットの上を駆け回り、
ほぼ、さくらさんになんの反撃も許さないまま、
3分間を終え、万雷の拍手に笑顔で応えました。

なるほど、さくらさんの“自信”の理由は、
もはや改めて語るまでもありませんでした。



デビュー戦となった北沢タウンホールでのさくらえみ“選手”とのシングルマッチ。

…個人的には、割とこの辺りの2年間で“ベスト・オブ・デビュー戦”と
思う試合を立て続けに目撃することになったのですが…

2017年のKAIENTAI-DOJO後楽園大会でデビューを飾った、笹村あやめ選手、
2018年、新木場1stRINGで負傷から半年の時を経てデビューを果たした水森由菜選手、

…そして。
駿河メイ選手。


[2018.5.27北沢:デビュー]

“師匠”と相対してのデビュー戦は、
市ヶ谷でのエキシビションに輪をかけて動きっぱなし攻めっぱなし。

デビューのきっかけとなったドロップキックは
ひたすらに的確に決め続け、様々な丸め込みはものによっては
こんな入り方見たことないとも驚かされ。

最終的には、強烈な逆水平に沈むこととなりましたが、
残したインパクトはあまりに鮮烈でした。



駿河メイという選手の凄さを、実際、
どのように凄いかは言語化するのが結構難しい気がしていて。

間違いなく“いい試合”をし、
動きも素早く淀みなく、迷いもない。


[2018.6.23カルッツかわさき:デビュー1月未満で大会場]


一方で速くてバネもあるけれど、それそのものは超人的なわけではなく、
ドロップキックも“当て勘”は素晴らしいけれど、
それ一発で試合の流れを持っていくという類ではなく。

その“凄さ”をどう表現しようかと考えたとき…
1番わかりやすい言葉は、やっぱり“速さ”になるのでしょうか。

“速さ”と一言で言っても色々ありますが、
個人的にはスピードそのものであるというよりかは、“瞬発力”。
とりわけ、“思考の瞬発力”については、
現代のプロレスラーの中でも群を抜いてるんじゃないか、
と、勝手に思っています。

書いたような気がするんですが、
試合における応用力と吸収力がとにかくとんでもない。



特に顕著だったのはデビューイヤーの年末〜年始にかけて。

2018年10月には慕っている“姉弟子”希月あおいの引退試合に抜擢、
その希月あおいから“羽根”を引き継いだかと思いきや、
同日の夜に行われた市ヶ谷大会ではさくらえみと再びシングルで対戦。

結果としては敗れたものの、試合時間の殆どを一方的に攻め続ける圧巻の戦い。
私この大会見に行けなくてあとで動画で見たのですが、
観た人たちが次々に“凄い”と語るほど、1試合を経たのみで圧倒的成長を見せました。
…そして、この試合には別にくいしんぼう仮面選手が絡んでいたわけでもないのに
唐突に試合中“バービック”を発動。



[2018.11.23新木場:バービック]

[2019.10.31:バービックを自分のものにしている]


対戦相手、観客をあ然とさせ、大きな隙きを作るという…
“バービック”を技にまで昇華させるという恐ろしい発明をしてのけました。



翌月のくいしんぼう仮面興行では、
師匠であるさくらえみとともにメインの6人タッグに登場。



[お菓子まみれ]



くいしんぼう仮面
丸山敦、
松山勘十郎、
ミラクルマン、
…という、大阪の魔人たちに囲まれながら、
何一つ淀みなくこの試合を完走して見せました。
もうただそれだけで偉業。


[2018.11.23 新木場:「昔とった杵柄」シリーズは、バスケットボール]




そして年が明けるとアントーニオ本多との
“フォークデュオ”リンゴとハチミツを結成。

両者の好きな食べ物を並べた愉快な名前のタッグチームはしかし、
アントーニオ本多という稀代の…稀代の…
…なんだろう。
とにかく稀な才能の持ち主と、初タッグにして抜群の呼吸をみせ、
2019年、我闘雲舞恒例のミックスドタッグトーナメント
“ゴーゴーグリーンカレーコップンカップ”では、
先輩である紺乃美鶴を破って決勝に進出。
里歩&佐藤光留の“佐藤里歩”に敗れるものの、
初出場で準優勝という結果を残しました。

(※このときの対戦相手・佐藤光留選手は、
後日駿河メイ選手について超いい顔で“よかった”と評しました。

この“リンゴとハチミツ”を、AEW“Double or Nothing”帰りの里歩&さくらえみが
「ローカルインディーレスラー」と揶揄して対峙した
市ヶ谷チョコレート広場での一戦は個人的には2019年の市ヶ谷ベストバウト。
全世界に見てほしいぐらいの試合です。



…あ、あとアントーニオ本多vs駿河メイのシングルマッチも
全世界に見てほしいくらいの試合です。



あ、あと(挙げるとキリがなくなるから割愛)



凄いレスラーとか、凄い才能とかの形容を使わず、
“怪物”という形容を持ち出したのは、単に個人的な感覚の問題なのですが…

さくらさんについて記述してみた中でも少し触れましたが、
なんとなく、駿河メイ選手からも“超人”的な、
あるいは、“魔”的な要素をヒシヒシと感じます。

[2019.5.4後楽園:我闘雲舞売店で行っていたポートレートの移動販売でまんまと購入した私]

そういう要素を個人的に感じてしまう所以は、
先程“思考の瞬発力”を話題にしましたが、
思考そのものがなんというか“超越的”…
…その結論に行くまでの過程が早すぎるor見えなすぎる…
ところに起因します。

これはチョコプロについての感想文の中でも触れましたが、
駿河メイ選手がプロレスラーになろうと決めた過程がともかく、
あまりにもこう…豪快過ぎるというか。

↓引用、駿河メイが入門を決意する過程↓

2018年1月にプロレスラーになりたいと思い至って我闘雲舞に問い合わせ
→練習見学の案内をもらって、母親に相談
(反対を予想し、すでに連絡済という既成事実を盾に巧妙に交渉)
→センター試験
→母親との交渉の結果、大学への合格が入門の条件となり、練習見学を一旦辞退
→一般入試(私大、2校)
※うち1校を受験日程を間違えるアクシデントで終える
→なんやかんや受けた1校を見事合格
→入学辞退
→3月に我闘雲舞問い合わせフォームへ入門再直訴




ただこれは別に人の心がないという類の超人性ではなくて、
一方ではとても聡明な部分も覗かせています。

そもそも上記の過程の中では大学にちゃんと合格していますし、
我闘雲舞を選んだのも思いつきではなくて
「(自分くらい)身長の低い選手が活躍している団体を週プロ選手名鑑で調べて
「ことり」(元)選手や里歩選手の活躍していることに目をつけ
その門を叩いていたり。
実際に練習生になるにあたっては、
かつて我闘雲舞で戦っていたアーサ米夏(2018年活動休止)が
練習生時代に書き残したnoteの練習メモでイマジネーションを広げるなど
“予習”も欠かしていなかったことなども明かされています。

…まあ、ただやっぱり。

本人の中ではおそらく筋が通ってるのだろうけれど、
それでも我闘雲舞をファーストチョイスにしていきなりプロレス界に飛び込んだこと、
しかもそれを決めたのが2018年1月というセンター試験直前の時期であること、
さらにその後受験した私大2校のうち、1校は受験日を間違たことなどなど。

限りなく、トンパチな雰囲気を醸し出してます。





ちなみにトンパチといえば、
新日本プロレスをみてプロレスを知った駿河メイ選手は
我闘雲舞を志望するにあたって“好きなレスラー”を3人挙げました。
一人目はニュージャパンから内藤哲也。
二人目は、伊藤麻希。
三人目は、紺乃美鶴。

一人目はともかくとして、2,3人目は感情系のキ…クレ…
トンパチレスラー。

本人の今のスタイルとイコールかどうかはともかくとして、
なんというか、思考回路がどことなくトンパチなのも頷ける気もきます。




[2020.3.7奈良:一方でいずれの思考も“勝つため”に機能していて、その意味で里村明衣子との“メイコメイ”は息が合いまくり]


デビュー2年を経て、現在3年目。

様々な選手から一目置かれている駿河メイ選手は、
引退直前の希月あおい選手から技やシュシュや“羽根”を引き継いだり、
志田光選手と渡米前最後のシングルマッチを戦い、
志田選手がその日3試合目とはいえ見事勝利を奪ったり、
2020年2月には、引退前の花月選手がやはり熱望し、
シングルで対戦したり。

その“一目置かれる”中でも1番個人的に
楽しかった形容は松本浩代選手。
センダイガールズプロレスリングでの
シングルマッチが決まった際の、
松本選手のコメントがこちらです。


“ちょー好きだけどその分ぶん殴る”

なにその倒錯。

…まあ、なんといいますか、
プロレスラーゆえのリスペクト…
なのかな…
なんだろうな…

が、表れた素敵コメントを引き出すくらいに、
この時まだデビュー1年経ってませんでしたが、
それだけ一目置かれる存在だった…
ということだと思います。
そういうことにしました。




[3.20板橋:ちょー好きだけどぶん殴る]



色々。

色々書きました。

色々書きましたが、なんか“凄さ”をちゃんと示す内容を
書いた気がしないのは何故なのか。

なので、改めてもう一つ結論を申し上げましょう。



“見ればわかる”。



私がこうして綴った、解りにくい色々に、
全て腑に落ちるかといえばそうでもないかもしれない。

それでも、試合を見た瞬間に、
おそらくは何かを感じざるを得ないことは間違いない。

そこに関してだけは、
(特に責任を取る手立てをもちあわせていないけども)保証できます。

まだご覧になったことのない方は、
別に刮目しなくてもいい。
イヤでもすぐに目に入ってくる。

ただ、見てすぐ心奪われる覚悟くらいはしておいたほうが
おそらくその後プロレスを観ることが楽しくなるんじゃないかという気がします。

もう心奪われていい、という人は、ビッグマッチで観る前だろうがなんだろうが
すでに週2ペースくらいで試合してるので、
以下のチョコプロをご覧下さい。



(以下11/6 22:15追記)

さて。

当のビッグマッチを明日に控えました帰り道。

それでもプロレス界は動き続けていて、
自身の関心の範囲だけでも、
チョコプロ、謎フェス、マッスル坂井インスタライブ、と、
あるのは嬉しい、でも全部把握するの大変、という
“配信地獄”状態に陥りましたが…

色々眺めていながら、ふと、
一つのツイートを思い出しました。

[2020.2.16:高梨将弘選手とのユニオンMAX選手権試合を控えて
駿河メイ選手とタッグを組んだ、藤田ミノル選手のツイート]

「天賦の才」という形容もありますが、
それより何より気になる表現は、
その才の「隣に立つ」ことの、「恐怖」。

…ここまで私は駿河メイ選手の“凄さ”を
明確に示せていないような気がしましたが、おそらくは。

この藤田ミノル選手の言葉こそが、
駿河メイという選手の怪物性を形容しているように感じ、
17時間後の大会前に書き足すことにしました。

“チョコレート一粒の幸せ”の世界を飛び出して振る舞われる、
“知恵の果実”という名の、猛毒。

ぜひ、ご賞味下さい。





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