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エキプロ5で遊ぶブログでした。もはやその名残りはほぼない。

ネット・プロレス大賞2019③[最優秀団体]

2020-01-20 12:00:00 | スポーツその他

《ネット・プロレス大賞2019 〜最優秀団体〜》

投票内容を晒そうのコーナー3項目め。

この部門に関しては、基本的には“前年度比”で選ぶようになってます。

好き嫌い(嫌いということはほぼないですが)の要素も
本当は入れたいけれど、どちらかと言えば
個人的盛り上がり度合いを重視していて、
基本的には新興団体が強い。

まあ、
これも、
要するには、主観です。

そのあたりを踏まえまして、2019年投票内容は下記となりました。



1位 ぽっちゃり女子プロレス
2位 AEW
3位 OWE



1位にはガンバレ☆プロレス今成夢人が立ち上げた、
ぽっちゃり女子プロレスを挙げました。
私の中の脳内会議ではこの1位については8月段階で満場一致です。





ふくよかな女性を好む今成夢人が、
自らが掲げる“公私混道”の成れの果てとして生まれた(ように見えた)
ガンバレ☆プロレスからの派生団体…というかまだ団体なのかも
いまいち定かではないところですが、
もはやそんな細かいことは気にしない。

4.14、ガンバレ☆プロレスが王子BASEMENT MONSTERで行った三連戦の、
真ん中の枠で開催されることとなったぽっちゃり女子プロレス。

最初は本当に、本当の本当に今成夢人の公私混道の成れの果てとして
行われるものだとばかり思っていたら…
広がっていたのは、驚くばかりの感動の空間でした。

キーパーソンとなったのは“エース”として突如指名された、
東京女子プロレス参戦中のフリーレスラー・まなせゆうな選手。





タッグを組んでいたのの子選手が2018年3月に東京女子プロレスを卒業し、
伴いなんとなく戦いの置き場が曖昧になっていた時期もあったように思いましたが、
2018年度下半期あたりから試合での“弾けっぷり”が増していた印象のあったまなせ選手、
しかし、野郎Zでの今成夢人との接触があったり、
やはり今成夢人の嗜好に伴うエース指名なのかな…と思いきや。

興行を見届けたあとに、実はこれ以上ない人選であったのではないか、
と、まざまざと思い知ることになりました。
そもこの旗揚げ興行自体が、そしてこの団体そのものが、
実のところまなせゆうな選手のため、
まなせゆうなという“被写体”のためにこそ、あったものであるかのように。







ぽっちゃり女子プロレスという団体、
その興行に関する個人的な見解は、プロレスそして興行全体を通じて紡がれる、
いわば“戦うドキュメンタリー”。

もちろん通常ルール(?)による試合もありますが、
ルール設定、いや、カード発表の時点からかなりファンタジー色の
強い(マナ・コナーvsポチャミネーターのような)試合も組まれたりします。



[マナ・コナー]


その部分で言えば“ドキュメンタリー”からはかけ離れているようにも思えますが、
しかし、その実、試合を通じて掘り下げられていくのは、
リングの上で戦うプロレスラーの過去であり、繋がりであり。
試合が進むごとに暴かれていく興行のテーマ…
今成夢人“監督”の狙いと仕掛け、レスラーの本質に惹き込まれていき、
もう、声援を贈らずにはいられなくなります。







おそらく、ベスト興行部門でもいくらか票を集めることになるかと思いますが、
個人的には、旗揚げ戦も、第2回興行もあまりに素晴らしかった。
あまりに素晴らしかったからこそ、敢えて、悩むことにしました。
“どっちの興行をより評価するか”ということについて。

どちらも素晴らしかった。
どちらも意外性と驚きに富んでいた。
どちらも、涙が止まらなかった。

…悩んで悩んで私が出した結論としては、
“第2回興行が、より凄かった”。

何がどのように凄かったかといえば、
まず、旗揚げ興行の素晴らしさで上がりに上がったハードルを、
第2回興行は上回るどころか、優に超えてきたこと。

エースであるまなせゆうなをマナ・コナーとしてファンタジーに放り込み、
かつ、第2試合を務めさせることで“この狙いはなんだろう?”と思っていたら、
紐解かれていったのは、“親子”という関係性。



[マナ・コナー…まなせゆうなにとっての“プロレス界の父”ロッシー小川も映像出演]

監督のその仕掛けっぷりにただただ脱帽し、かつ、
ポチャミネーターに真正面からぶつかっていったマナ・コナー…
まなせゆうなの奮闘ぶりにひたすらに拍手を贈り、
この第2試合の時点ですでに、旗揚げ興行から派生した期待を優に上回ってきました。

この試合からメインへと繫がる美しく、かつ、
感傷的にならざるを得ない仕掛けに大きく寄与したのは、
今成夢人の一つの本質である“映像”。
この強力な武器と自身のプロレス、そして人生を、
興行という舞台に乗せる、壮大なドキュメンタリー。





ちなみにですが。

今年一番泣いた試合は、今成夢人vs竹下幸之介。




それは今成夢人の独白にも一因がありますが、
その独白に応えるように竹下幸之介が繰り出した技が、
何より胸を打ったから。







ベストバウト候補をツイッターで116試合振り返りましたが、
この試合の感想を改めて打ち直しながら、必死に涙を堪えてました。

この団体にしかできない試合、
この団体にしか表現できない、
プロレスのかたち。


[人生を見せる興行。人生を変える興行。]


誰がなんと言おうが、ぽっちゃり女子プロレスが2019年の1位です。





2位には“All Elite Pro-Wrestling”AEW。

新日本プロレスを中心に活動した
Bullet Clubの中でも“Elite”を名乗ったメンバーを中心に、
コーディ・ローズを社長に、ヤングバックスとケニー・オメガを副社長に据えた、
北米の新興プロレス団体。





スポンサーにはプロレス大好き大富豪・トニー・カーンがオーナーとしてつき、
10月にはテレビ中継も開始。
つい最近テレビ契約が2023年まで延長となったことが発表されており、
規模的には一気に(たぶん)世界2位に躍り出ています。

5.25に行われた旗揚げPPV Double or Nothing では、
日本の(主にメジャー)ファン必見のケニー・オメガvsクリス・ジェリコ、
アメプロファン垂涎のコーディvsダスティンの兄弟対決に加え、
ケニー・オメガプロデュースによる日本の“Joshi”の試合として、
アジャ・コング&里歩&志田光vsさくらえみ&水波綾&坂崎ユカという、
日本ではまず見ることのできないカードが組まれるなど、
様々に話題となりました。


[様々話題となったというより何より私の中で盛り上がった。ダニエルズさん出ますし。]


旗揚げの結果は、おそらく“Double”と出たように思います。

WWE退団直後のジョン・モクスリー(ディーン・アンブローズ)が
エンディングに乱入し、AEWの主要人物として加入したことは、
おそらく、世界最大手であるWWEにとっては見逃せる事態ではなかったように思います。
WWEを意識させるだけでも、現代プロレス界のパワーバランス的には、
充分にインパクトのある旗揚げだったのではないでしょうか。

AEWについては色々思うところがありますので、
また別稿という形でまとめられたらと思いますが…

9800億円の個人資産を持つオーナーが、プロレスに目を向け、
プロレスにお金を出してくれるっていう時点で、
もう本当に、めちゃめちゃ明るい話題だと思ってます。
日本のプロレスの市場規模は、測り方によって様々ですが、
大きくても300億とかで。
単純に比べることなんてできないですが、
日本のプロレス界30回買える資産を持っているわけですからね(破綻した計算)。

一方で不安がないわけでもなくて。

今現在放送中のAEW ダイナマイトは水曜夜(日本時間木曜朝)の放送です。
そこに、WWEは全く同じ時間に、ファーム団体…というか第3のブランドでもあるNXTの中継を
ぶつけていくことになりました。
なんとなく選手層も重なっていて、見ようによってはライバル団体のようですが、
実際に視聴者数も拮抗している模様で、
互いに60万〜100万人程度の
視聴数を叩き出しています。

そう、あれだけプロレス界では大々的に見えても、
視聴数はそれくらい。率に換算すれば0.3〜0.5%くらい。
RAWやSMACKDOWNが全国ネットで3%くらにの視聴率であることを考えると…
1位と2位とはいえ、その差は大きい。

また、AEWで展開されているプロレスは
WWEで提供されているものとはまた違う…なんだろう。
その選手の個性のまま“薄めてない”というか“やりたい放題”というか。
「第1試合からファイヤーバード」「技や動きの違いで個性を示すのは無理」
とレギュラー参戦しているさくらえみ選手が語るほどにハイスパート。
このスタイルのままいくのかどうなるのかはわかりませんが、
WWEとの差を詰める、あるいは単純に一般視聴者数を増やすための
“仕掛け”や“伸びしろ”をどのあたりに見出すのか…
という点についてはまだあまり明瞭ではない気がしていまして。

それこそ、豊富な資金力を背景にしたWWE(等)からの引き抜きや、
レジェンドレスラーの参戦、優遇という方向に舵を大きく切ったりすると…
なんというか、それはそれで別の団体の二の舞になってしまうのではないか、
という危惧も首をもたげるところであります。

…まあ、なんのかんの言いつつも、AEWがプロレス界に現れたこと、
そしてAEWが日本のプロレス、特に“JOSHI”に注目していることは、
今の段階で個人的には好意的に受け止めていますし、
プロレス界マクロで見たときにはやっぱり超グッドニュース。

今後どのような舵取りとなるのか、
しばし、行く末を見守りたいと思います。
日本公演もやってね。



3位に上げたのは“Oriental Wrestling Entertainment”…OWE。

CIMA、T-Hawk、エル・リンダマン、山村武寛の#STRONGHEARTSが率いる、
上海(現在はカンボジア)を拠点とした、中国発の新興団体。





日本公演のTwitterでの評判を見て第2回興行を観に行こうとしたらチケット完売。
なればと思って3回目の興行を早めに予約して観に行きましたが、
ちょっとばかり鮮烈なプロレス体験でした。

“全選手がサスケスペシャルできるレベル”と聞いていた
選手個々の身体能力がまず素晴らしく、もうそれだけでもインパクト抜群。
それにその選手たちがまだキャリア2年弱というのがまた、
実に驚異的な部分でもあります。











開催する大会はいずれも満員、
年末に開催された後楽園大会も満員と、その勢いは疑いようはなく。

OWEに直接の参加ではありませんが、
#STRONGHEARTSに入江茂弘も加入し、
恐ろしい爆発力も備えることとなりました。



才気溢れる若い選手がいて、
超満員の観客を集めるOWE。

それでも見通しに不安な部分がないわけでもなくて。
冒頭に少し記載しましたが、11月ごろから運営体制が変わったようで、
拠点が上海からカンボジアに変わることとなりました。

それが何を意味するところなのかは全て憶測の域を出ないので、
ここに特に記すことはありませんが、
まだ、全てが順調に進むかどうかについては、
予断を許さない状況にあるような気がしています。

とはいえこの団体がもたらすものの新鮮さに疑いの余地はなく。
一つの団体として発展していった先に、中国という途轍もなく大きな市場を
開拓する可能性まで秘めています。

その壮大な航海に期待と祈りを込めて。







最後まで投票しようかどうか迷っていたのはYMZ。
米山香織選手が主催する、ゴキゲンなプロレス空間。





瑛翔という生え抜き所属選手もいるので、
団体という括りで見ていいのかなとも思うのですが、
あくまでスタンスとしては“ゴキゲンな集団”という位置を貫いているので、
その立場を尊重してというかなんというか、
堅苦しくしたくもなかったので、投票を控えることとしました。

ただ、“プロモーション”としてYMZはとても面白い。
自信を持ってオススメできる。

何より驚かされたのは後楽園大会。

平日、しかも雨天開催となったにも関わらず早くから観客が詰めかけ、
なんと1000人を越えて満員での開催となりました。
数秘術マッチがあり、コスプレがあり、米山香織が現在表現している世界があり。









そして全試合終了後には恒例の三本勝負もあり、
後楽園ホールを使って40人ほどのレスラー、関係者が全力で椅子取りゲームをする…
という、この集団でしかあり得ない光景を見せてくれました。







三本勝負の締めは会場全体を使ってのダルマさんが転んだ。
階段を全力でレスラーが駆け下りていく光景なんて
スクランブルバンクハウスデスマッチぐらいでしか記憶がありません。
シレッと気配を消していた十嶋くにおが勝っちゃうあたりも、
実にYMZらしい。

このように展開されていた空間はしかし、
実のところいつもどおりのYMZ。
70人くらいが限度の西新井大師スタジオで当たり前に行っていた内容が、
ほぼそのまま後楽園ホールに移っただけ。
小会場でも大会場でも同じように楽しませてくれるゴキゲン空間。




とても楽しいプロレス体験。
ゴキゲンな空間を是非一度は訪れることを強くオススメします。




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