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明日の風

明日は明日の風が吹く。気楽にいきましょう!

ひのえうま

2025-04-17 16:25:01 | 読書

丙午(ひのえうま)、中高年以上の方ならご存知でしょう、この年に生まれた女性は気性が荒い、結婚できない、はては夫を殺すというとんでもない迷信です。実は来年2026年が丙午。

丙午だった1966年生まれ、私の元同僚・吉川徹さんが書いた『ひのえうま』(光文社新書)を読みました。なお吉川さんのご両親は、吉川さんを身ごもったとき女の子を期待して、当時住んでいたお気に入りの街の名前「松江」を用意していたのに、男児が生まれたと(笑)

一番近くの丙午・1966年は前後に比べて出生数が約4分の3になりました。これは丙午の迷信が始まった1666年の丙午以来、最も大きな出生数の落ち込みだったと。江戸時代末期1846年の丙午は、1966年の半分ほどの落ち込み、その間の1906年の丙午はごくわずかな落ち込みだったそう。1906年は直前の日露戦争が影響して大きな落ち込みにならなかったと吉川さんは分析しています。

文明は進歩して人は次第に賢くなるはずと思い込んでいる私からみると、日本人が一番賢くなったはずの1966年に、全体の4分の1がこの迷信のせいで出産を回避したとは驚きです。吉川さんによると、家族計画、つまり避妊の普及が大きく貢献したと。あと1906年生まれの女性が健在で、彼女たちがいろいろ言われて大変だったことも影響したのでは?

他方、1966年生まれの女性は、丙午のネガティブ言説を背負って成長していきますが、競争相手が少ない入試など比較的ハッピーな人生を送っているそう。

さて来年はどうなるか? 吉川さんは7つの理由(落ち込むことができないほどそもそも出生数が少ない、1966年生まれの女性はハッピーなど)をあげて、丙午だからといって来年の出生数が、直近の丙午や江戸末期の丙午のように落ち込むことはないと予想して、丙午迷信は「人口ピラミッドに未曽有の切り欠きを残した昭和のひのえうま(1966年)をフィナーレとして、360年の歴史に静かに幕を降ろす」と本書を結んでいます。私も、現代の若者がこんなバカバカしい迷信を気にすることはないと期待して同調しますが、ここまで言い切って大丈夫!?


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