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ふるさと納税は良くない

2017-07-07 12:33:37 | 時評
国民健康保険料は税金と同じでしょうか? 業界では有名な旭川市国民健康保険料事件の争点です。税金なら租税法律主義(憲法84条、この事件では租税条例主義)が適用されますから、国民健康保険料の額や率は、条例で何円とか何%とか明記しなければなりません。一方、税金でなければ、予算・決算の承認など市議会の議決に基づいていればOKです(財政民主主義、憲法83条)。
最高裁は、国民健康保険料は強制徴収である点で税金と共通するが、反対給付がある点で税金とは異なるとして、租税法律主義は直接適用されないとしました。反対給付って変な言葉ですね。要するに、税金を払ってないあるいは滞納している人も参政権が制約されるとか行政サービスが受けられなくなることがないというのが税金の特徴で、税金には反対給付性がないことになります。反面、国民健康保険料は滞納していると保険医療が受けられないという反対給付性があるわけです。

前置きが長くなりましたが、ふるさと納税です。皆さんはどう思いますか?
上限はありますが、ふるさとなど現在は住んでいないが自分が納税したい自治体に寄付をすると2,000円は除いて、その分住民税が安くなるという制度です。ここまではそういう制度があっても良いかなが多数意見ではと思いますが、問題は多くの自治体で豪華な返礼品が用意されていることです。
ふるさと納税の多くが自分のふるさとなどを思ってではなく、返礼品目当てでされているのではという疑念です。つまり、高額納税者にとっては、2,000円負担すれば、一定の限度までは豪華な返礼品もらい放題の仕組みとして機能しているのです。
実際、豪華な返礼品を用意している自治体ほどふるさと納税の恩恵を受けています。ただし客寄せのお礼が必要ですから、受入額の半分近くを返礼品やその送料に使っているようです。
この結果、誰が得をして誰が損するか。一番得は、ふるさと納税フル活用の高額納税者です。次はふるさと納税をいっぱい受け入れている自治体ですが、返礼品の費用は必要です。損するのはふるさと納税で住民税が流失する自治体とその一部を補填している国です。
かりに百歩譲ってこうした損得勘定は妥当だとしても、受入自治体も受入額の半分近くは、税金の本来の使途である行政サービスには使えないのですから、非常に無駄が多い制度ということになります。
こんな制度は良いのでしょうか? 反対給付がないのが税金ですよね? 実質的に返礼品は立派な反対給付でしょう。ふるさと納税は廃止すべきです。最低でも返礼品はやめるべきでしょう。
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