世間は、ジャニー喜多川氏による性加害問題でもちきりですね。毎度、法学者はそんな細かいことにこだわるのかという話題ですが。
性加害の償いに関して、ジャニーズ側が「補償」といい、マスコミのほとんども「補償」と伝えていることに法律家は超違和感を覚えます。補償じゃなく賠償じゃない?
普通の人にとっては、被害をお金で償うんだから同じようなものかもしれません。でも法律の世界では別概念。犯罪や過失(たとえば交通事故で被害者が死傷)で被害を生じたときに行われるのが賠償です。つまり違法なときは賠償が必要。それに対して一応適法な行為によって損失が発生したときに行われるのが補償、たとえば道路を拡幅するから立ち退いてなんて場合です。
(もちろん結構グレーな領域もあります。有罪が確定して服役した人が実は無罪だったと分かったときは、刑事補償が行われます。冤罪で処罰したことは違法じゃないのかという突っ込みはもっともですが、現在の判例は、特別の事情がなければ賠償までは必要ないと)
法律家じゃない前社長や新社長が、こんな細かいことを知らないのは仕方ないでしょう。でも先日の記者会見の画像をみると、顧問弁護士も陪席していますね。まさか、今回の性加害の違法性を否定しようという意図とは思いませんが、謎です。
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