続・軍務尚書の戯言

国際情勢や医学ニュースに関して日々感じたことを残すブログです。

漂流する韓国~国家存亡の危機~

2005-05-26 05:03:45 | 国際情勢
韓国が日本の外務次官の非公式発言を公表すると言う大ボケをかましたうえでまた日本に逆切れ。

どうやら韓国政府は「非公式発言」という言葉の意味が分からないようだ。
そんなことだからアメリカに信用してもらえないのだが。

逆切れはいつものことだから放置しておくとして,今回の事態でアメリカが完全に極東アジア戦略から韓国を切り離しつつあることが明白になった。
昨年発表された在韓米軍の削減とそれに伴う在韓予備物資の廃止、ライス国務長官の極東アジア訪問中の華麗な韓国スルーを見ても,アメリカが極東アジアにおける対中国防衛戦略を日本-台湾を結ぶラインに変更することは確実である。
この戦略の変更は対テロ戦略に基づくアメリカ軍の世界的再編の一環だが,やはり昨日述べた北朝鮮問題と、民族主義的傾向と反米主義が強く何かとアメリカの戦略にいちゃもんをつけるノムヒョン大統領によるところが大きい。

ノムヒョン大統領は「極東アジアバランサー論」などと言う寝言を掲げ,さも韓国が極東アジア情勢におけるイニシアチブをとっているかの様にふるまっているが,実際はアメリカから切り離され孤立化への道を一直線に歩んでいるに過ぎない。
現在のアメリカ極東アジア戦略はそのまま強大化する対中国戦略と言い換えても過言ではない。
急速に経済発展を遂げるとともに軍備の近代化を急ぐ中国が今後唯一の超大国アメリカを脅かす大国となる危険性はアメリカの各シンクタンクが再三警告している。
だからこそアメリカは台湾有事を日米安全保障条約の適格条項に含めることで戦略的に中国の台湾侵略を封じ込め,日本と台湾を結ぶ防衛ラインを構築しているのだ。
戦略的には韓国はこの防衛ラインから突き出た橋頭堡のはずだったのだが,民族主義的傾向の強いノムヒョン大統領の対米追従を良しとしない姿勢と、最悪のテロ国家北朝鮮に対する「宥和政策」に業を煮やしたアメリカは韓国を切り離す決断をしたと言えるだろう。

ひるがえって我が日本を見れば,イラク戦争で憲法を曲げてまでアメリカ追従を打ち出した小泉政権を土下座外交だと非難する向きがあるが,国際連合を無視して戦争を強行したブッシュ政権に明らかな支持を表明したからこそ,日本はアメリカを後ろ楯とした防衛政策を堅持できているのである。
そうした意味では,小泉政権の外交政策は現実のパワーバランスに則した極めて有効なものであり、今後ますます増大する中国の脅威に対処する上で必要不可欠なものなのだ。

韓国の経済的軍事的立ち位置についてはマーケットの馬車馬さんの「大丈夫か韓国」シリーズで述べられているためそちらをご一読頂くとして,アメリカ極東戦略から外れた韓国には今後どのような未来が待ち受けているのだろうか?
ノムヒョン大統領の威勢の良い発言とは裏腹に,国際連合すら無視できる(笑)超大国アメリカとの同盟関係から切り離された韓国が経済的にも軍事的にもやって行けないのは明らかである。
中国、ロシアとの同盟を模索しているようだが,方や共産主義一党独裁国家,方や帝政に向けてまっしぐらの国家であり,信用できないこと甚だしい。
しかもすぐ隣には最低最悪の独裁国家・北朝鮮が控えている。
金正日氏が不老不死の薬を開発したなら話は別だが(笑)、今後20年以内に必ず発生する北朝鮮の崩壊を期に,韓国もその混乱に巻き込まれて中国に併合され,独立国家としての歴史に幕を閉じる可能性が極めて高い。

韓国国民は大嫌いな日本人にこんなことを言われたくないだろうが,ノムヒョン大統領の反米反日民族主義プロパガンダに踊らされず,冷静に現状を見つめ考え直す必要がある。
今度国家を失っても,それは日本のせいにできないし、中国は賠償金を決して払ってはくれないから。

今日の箴言
「敵を知らず,己も知らざれば,必ず敗れる。」

困ったチャンの国・北朝鮮~21世紀に出現した王国~

2005-05-25 08:25:15 | 国際情勢
拉致被害者の家族会が,北朝鮮に対する制裁発動を政府に申し込んだとのこと。

拉致被害者のご家族の方々には大変申し訳ないのだが,日本政府が効果的な経済制裁を発動する可能性は皆無だ。
なぜなら日本だけでなく中国,韓国,ロシア、アメリカと6か国協議の構成メンバーは金正日体制が崩壊してもらっては非常に困るからであり,6か国協議は北朝鮮に対し圧力をかけ対話を促す場ではなく,いかに金正日体制を維持するか,金正日氏が死亡した後の北朝鮮をいったいどうするのか協議する場だからである。

北朝鮮は21世紀に突如出現した中世の王国であり,しかも王様は先代と取り巻きに甘やかし放題甘やかされた究極のばか殿様である。国民が餓死する傍らで美女をはべらし美食の限りを尽くし、国内のエネルギー不足をよそに高級外車と電化製品を使いまくり,不老不死の研究までしていると言う。
国内だけならまだしも周辺諸国の若者を拉致するだけでなく,あろうことか日本の主要都市を壊滅可能な核兵器とミサイルまで開発保持しているのだ。
このような人物が核兵器を持っている状況は,まさに「○違いに刃物」を具現化した見本であり,我々の常識を超えた理由で核ミサイルが発射されても不思議ではない。
彼には相互確証破壊(MAD)などという理論は通用しない。彼が滅ぶなら彼の王国もまた滅ぶべきなのだ。
巻き添えを食う日本はたまったものではない。
本来なら一刻も早くこの最低最悪な独裁国家を打倒するために全力を尽くすべきである。

ところが、実際は日本を含めた全ての周辺諸国は金正日体制のできるだけ長い継続と安定を望んでいる。それはなぜだろうか?

マーケットの馬車馬さんも述べておられるが,金正日体制が崩壊すれば周辺諸国はとんでもない被害を被るからだ。
金正日体制が崩壊すれば,厳しい飢饉を乗り越え先軍政治による軍事訓練を受けた2000万人の乞食が周辺諸国に殺到することになる。かれらは軍隊から放出された武器を片手に中国,韓国、日本に食料を求めて流入し,凄まじい社会的混乱を巻き起こす。
具体的に言えば,日本海にぼろボートが次々と漂着し,機関銃を持った乞食がなだれをうって日本に流入してくるといった状況である。しかも彼等は骨の髄から「反日」であり、日本における強盗や殺人にはなんら躊躇しないであろう。
どれほどの混乱と経済的損失がが日本に生じるか,想像すらできない。

陸続きで北朝鮮に対し「民族的同胞」などと言う世迷いごとを言っている韓国はもっと悲惨である。殺到する難民対策と残る荒れ果てた北朝鮮国土のために,下手をすれば北朝鮮崩壊後数年して韓国も崩壊してしまう可能性が高い。
中国はさすがに共産主義独裁国家、ロシアも事実上元KGBプーチン帝国なだけあって難民を虐殺もしくは内陸部へ強制移住させるだろうが,そうした行為によって国際社会で失うものはあまりにも大きい。
アメリカのブッシュ大統領は極東の半島と島国が混乱しようが壊れようがどうでも良いのだろうが,核兵器とその技術が流出しテロリストの手に渡ることを極めて恐れている。
そして金正日体制が崩壊してこれらの国々が得られるのは,農業政策の失敗により荒れ果てた国土だけなのである。

こうしてみると、なぜ日本政府が北朝鮮制裁に踏み込まないのか,なぜキレやすいアメリカブッシュ大統領が我慢強く6か国協議を続けようとしているのか,非常に理解しやすい。
みんな金正日氏にせいぜい正気を保ちつつ長生きしてもらい,あれはてた自分の王国をしっかり管理してもらいたいのだ。
だからブチギレないようにできるだけ刺激せず,時々無茶な要求をしてくる時は表向き拒否しつつ赤十字や韓国を通じて援助を行い,少なくとも中国による北朝鮮併合の環境が整うまで金正日政権を維持させておきたいのが本音なのである。

その間に日本としてできるのはアメリカとの同盟強化により「変なことしたらアメリカが許さへんぞ」程度の脅しをかけることと,万が一金正日氏がブチギレた時のためにミサイル防衛網を構築するぐらいであろう。

今日の箴言
「隣の機関銃を持った○違いにかかわるのは自殺行為」

靖国神社問題~外交カードとしての重要性~

2005-05-24 07:38:18 | 国際情勢
またまた中国の胡主席が小泉首相の靖国神社公式参拝について抗議したとのこと。

靖国神社に関しては日本国内にも様々な意見がある。
いわゆる左翼の人々は中国の丁稚よろしく,靖国神社を戦前の日本帝国主義の象徴とみなし、政治家の公式参拝は憲法の定める政教分離に反するとして訴訟を起こしている。
一方,右翼の人たちは靖国神社は日本を守るために戦い死んで行った人々の眠る聖地であり,彼等の尊い死を忘れないためにも参拝を続けるべきだと言う。

小生の立ち位置は限りなく右にいる中道もしくは真ん中よりの右派なのだが、正直に言うと首相の靖国神社公式参拝自体には肯定的・否定的いずれの意見も持ち合わせていない。
先の大戦における日本人の死者は600万人,その中には神風特攻隊でなくなった若い兵士もいれば、広島で原子爆弾により一瞬にして灰になった少女もいる。
亡くなった全ての人が「御国のため,大東亜共栄圏のため」自分の死を受け入れられたとはとうてい思えないし,それが人間と言うものだろう。
そうした人々を「祀る」場所に参拝することに意味があるとすれば,その後アメリカの属国として繁栄を享受している日本が、先の大戦の記憶を呼び覚ますことだけであり,つまりは現在の日本人がどのように先の大戦をとらえるかと言うことにつきると思う。

それでは経団連奥田会長宗教団体謹製の公明党幹事長らが言うように「両国関係の重要性を考慮して」首相は公式参拝を中止すべきなのだろうか。

絶対にそうではない。

靖国神社に死者を祀る行為は日本の文化に根ざしたものである。
日本人は「死者に寛容」だと言われ、これは死者を「仏」と呼ぶ習慣からも分かる通り,仏教を通じて形成されたものだ。
よほどのことがない限り死ねば生時の悪行は清算され良き仏として成仏するのであって、逆に成仏してもらわないと「悪霊」となり生きているものが困るのだ。
だから一兵卒には捕虜となることを禁止し自決を命じたにもかかわらず自分は東京裁判の後処刑されたA級戦犯も,アメリカ軍の無差別爆撃により犠牲となった市井の少女もみんな一緒に「仏」になっていただかなくてはならない。
そのための施設が靖国神社であり,祀る行為にA級戦犯も市民も区別はないのである。
「死者にむち打つ」故事のある中国人には決して理解できないだろうが、理解できないからといって批判される筋合いはない。

首相が靖国神社を公式参拝することの違憲性や是非は純然たる日本の国内問題であり,いくら過去に日本が中国を侵略したからといって中国が日本に内政干渉をする権利はどこを探しても存在しない。
武部幹事長が同じことをいったら中国側が激怒したらしいが、お門違いも甚だしい。
中国共産党の丁稚と化した日本の左翼政党や左翼系マスコミは「日中関係をこれ以上冷却させてはならない」といったたわごとをくりかえしてプロパガンダに熱心だが,主権国家と主権国家の外交上最も守るべきルールを逸脱しているのは中国であり,これを指摘せずして何をか言わんやである。

ただし,この靖国問題を日本の外交戦略における非常に狡猾なカードだと見る分析もある。
すなわち、靖国神社を参拝すること自体には本来なんら外交的価値はない。
日本人にとっては一部の共産主義者をのぞいて「ああそうか」程度のことであり,中国にとっても参拝を中止させたからといってODAが増額されるわけでもない。
小泉首相の公式参拝に中国が抗議をし,これに日本国民が反発する。中国は愛国反日教育を行って来た手前抗議を引っ込められないが、小泉首相も頑固に参拝を続けるため外交問題化せざるを得なくなるわけである。
中国の視点からみれば、小泉首相になってからの日本の防衛政策の変化は本来外交問題化するに十二分なはずであった。
戦後初の自衛隊の戦地派兵,アメリカとの軍事同盟強化,台湾-日本を結ぶ対中防衛ラインの構築と,中国にとっては重要な案件が目白押しだったのである。
ところが小泉首相の頑固さのために、本来「中国国民のプライドを満たす」ぐらいしか意味のない靖国神社問題に気を取られてしまい,これら重要案件はさしたる外交問題になることなくスルーされてしまったのである。

こうした「靖国問題の外交カード化」は最初から小泉首相や外務省の意図したところではないだろう。
おそらく途中から靖国カードの有効性,特に対中政策の変更と自民党内の親中派追放に有効であることが分かり、最近は意識して使用しているようにも見える。

いずれにせよ中国が気を取られているうちに,今後の日本と極東アジアの運命を左右する問題である憲法改正と自衛隊の合法化並びに国防軍昇格を急いでやらなくてはならない。
それが首相との会談をドタキャンする国、中国の脅威に対抗する唯一の手段である。

今日の箴言
「ゴミを高く売るのがリサイクルショップの極意」