最近、また全国的に糠床が見直されて来ているのでしょうか、僕のこのブログの、過去に掲載した糠床に関する記事を、多くの方々が閲覧して下さっている模様です。
そんな僕も、過去には糠床の育て方を良く知らず、大失敗した事も多々有りました。
そこで今回の記事は、過去の僕の失敗に基づく、「糠床に入れて良い物、悪い物」をテーマにしたいと思います。
あ、「漬けて」では無く、「入れて」なので、「添加物」と言いましょうか、「隠し味」と言いましょうか。「漬けて」良い物、悪い物、は、別の機会に掲載したいと思います。
ちなみにすべて、僕の一方的な考え方です。反対される方々も多いでしょうから、あくまでも「参考程度」と言う事で。
【まだ僕自身が実践した事の無い物(判断が付かない物)】
1.山椒の実 5月から6月頃に成ると、毎年「入れてみたい」と思ってはいるものの、購入しそびれて、未だに入れた事が有りません。但し、粉山椒は良く入れているので、イメージは良く解ります。是非、来年こそは購入して、入れてみたいものです。
2.煮干し これは、個人的には入れたくは有りません。どうも「生臭く」成ってしまうのではないかと心配です。
3.鰹節 これも煮干しと同じく、入れた事が有りません。(鰹節はカビを利用して生臭さを無くしてありますから)煮干しよりは「生臭さ」は少ない事とはイメージ出来ますが、それでも実際に入れると成ると躊躇して、未だ、入れた事は有りません。恐らく、今後もしばらくは入れる事は無いと思います。
4.卵の殻 酸味が強く成った場合の抑制効果で、投入する方も多いと思いますが、僕の場合、同様の効果を「粉からし」で代用していますので、卵の殻を入れた事は有りません。煮沸消毒や、薄皮の分離、粉末状にするのがとても面倒そうなので。
5.ビール 非熱処理の生ビールであれば、ビール酵母が生きていて、糠床に入れても良さそうですが、僕の場合、糠床は米由来の物なので、麦由来のビールを入れるのであれば、米由来の甘酒や酒粕を入れてしまうので、ビールを入れた事は有りません。風味付けには良さそうな気もしますが。
6.陳皮(みかんの皮) 漢方薬としての効能を期待するだけでは無く、爽やかな芳香による糠床の独特な臭いを抑える効果が期待出来ます。僕が実際に入れた事が無いだけで、期会が有れば、是非入れてみたいですね。
【入れて良いもの】
1.昆布 これは、もう皆様にはお馴染みでしょう。余計な水分を吸い取ってくれる効果は、それ程見込めませんが、昆布の旨味が糠床にも滲みて、とてもお奨め。一週間程度漬けて置いた後、食べても良し。但し、糠床の「エグみ」を吸っている場合が多く、一度に大量に口に入れない方が賢明かと思いますよ。
2.干し椎茸 こちらも「昆布」と同様で、多くの方々が実践されていらっしゃる事でしょう。当然、食べられます。但し、そのまま食べると、糠床の「塩分」と「エグみ」を強く吸ってしまっており、美味しくは感じない場合が多いと思います。薄くスライスして、少量で食べるか、刻んで炒め物料理の具にするかでしょうか。
3.鷹の爪 当然と言えば当然。僕の場合、過去に鷹の爪では無く、粉砕の「一味唐辛子」を大量に投入した事も有りましたが、現在は「鷹の爪」で落ち着いております。
4.粉からし 酸味が強く成った場合の抑制効果。糠床のピリリとしたアクセント付けにも良いと思います。
5.甘酒 既に何度も僕のブログでは登場していますよね。糠床の乳酸菌の重要なエサでもあり、糠床の水分補給で、シンナー臭を出す「ハンゼヌラ」と言う産膜酵母の発生時に、対処療法として大量投入したり、予防の為に投入したり。(僕のブログ過去記事から参考:http://blog.goo.ne.jp/wasabidaikon/d/20131123)夏だとスーパーでは売っていない場合が有るので、気を付けなければならないのですが、糠床では、夏場だからこそ、必要に成る事が有ります。
6.酒粕 甘酒と同じく、糠床乳酸菌の重要なエサに成ります。糠床に元気が無くなってきたら、足し糠する事も重要ですが、「練酒粕」を、糠床に練り込んで見るのも良いですよ。(僕のブログ過去記事から参考:http://blog.goo.ne.jp/wasabidaikon/d/20111002)板状の物では無く、ねりタイプです。板状ですと、糠床に馴染むのに時間が掛り過ぎてしまいますから。
【入れない方が良さそうな物】
1.ヨーグルト 糠床の乳酸菌は植物性乳酸菌です。ヨーグルトは動物性乳酸菌の為、一時的には活性化する様に感じられても、本来の糠床で活躍させるべき乳酸菌とは違いますから、すぐに効果は失せる筈です。余計な物を糠床に投入する事は、糠床の腐敗の一因に成り兼ねず、私としては、まったくお勧め致しません。
2.新ビオフェルミンS 「人には人の乳酸菌」と言うコマーシャルフレーズで、「乳酸菌」の部分だけが記憶に残り、糠床の乳酸菌にも好影響か、と感じられるかも知れませんが、これも糠床内で活躍させるべき植物性乳酸菌とは違うので、糠床への投入の効果は見込めません。確かに「薬」なので人体には良さそうですが、糠床には入れない方が良いと思います。(と言いますか、僕が糠床を始めた頃、実際に丸ごと一瓶、投入した事が有りました。その後、通常とは違う、明らかに特殊な「エグみ」が強烈に出た為、その糠床を廃棄処分した前歴が有ります。)
3.きな粉・大豆粉 これは「ほぼ無意味」だと思っています。(後述「但し」ご参照。完全な「無意味」では有りません。)きな粉や大豆粉には、米糠よりも糖質が少なく、糠床内の植物性乳酸菌のエサとしての効率は良く無いでしょう。風味付けの意味では良いのかも知れませんが、単なる「風味付け」に、どこまで効果が見込めるのか、効果が感じられる迄にどれ程の量を必要とするのか、その風味は「糠漬け」として適合するか、いや、大豆蛋白が主体と成れば、糠床に対して大豆蛋白質は、蛋白分解の腐敗要素に成りはしないだろうか。こんな事を考えております。確かに、僕も以前には「きな粉」を糠床に入れていた時期が有りましたが、ただ単に「きな粉」だけを入れるのであれば、足し糠の方が余程、有効の様な気がします。
但し、きな粉や大豆粉に対し、「麹(糀)」が反応すると、本当の「味噌」の風味(麹による大豆蛋白質の分解で発生した多種アミノ酸類の相乗効果による「うま味」と「香り」)が発生しますから、「風味付け」の意味合いで、きな粉の糠床への投入は、実はかなり効果が発揮されるものと期待されます。強調しますが、この場合、「麹(糀)」の存在、投入が絶対条件です。(「ぬか」との相性から、「米麹」と成りますね。)
糠床への「きな粉(大豆粉)」と「麹(糀)」の投入。それは、「糠床」のまさにその容器の中で、「(米)味噌」を同時に新規醸造する事に成ります。「味噌醸造」効果が風味として現れるのに、かなりの期間(月、年単位)と、かなりの量の「きな粉(はっきり言って高価。)」を要します。その為、或る程度のゆとりが有る大きさの容器を使用していて、かつ、年単位の維持管理が出来る自信の有る方であれば、お奨め出来ると思います。単なる「糠床」では無く、まさに「ぬか味噌」です。
ですが、実際には多くいらっしゃるでありましょう(ひとシーズンだけで糠床を廃棄してしまい、毎年新しい糠床を用意する)「夏季だけ」の糠床所有者には、きな粉が麹により「味噌」にまで熟成される迄の期間、時間的な側面から、効果出現は期待出来ないと思います。
以上、思い付いたままを書きましたが、あくまでも私見である事をご承知おき下さい。また今後、僕自身が考えを改めた場合、この記事は後日改正する場合がございますので、その際はご容赦の程を。
先日、過去のぬか床の異臭を復旧する記事を読ませていただき
実践させていただいている者です
その様子をフェイスブックの自分のページで紹介した為
出典元として記事をリンクさせていただきました
許可を先にいただくべきでしたが事後承諾となり申し訳ありません
ぬか床は、現在酒粕を投入し、4日ほど経ちました
甘酒は入れず湯ざましで実践しましたが、シンナー臭はすっかり消え
こらからまた新しく育っていくのが楽しみです
貴重な情報をありがとうございました
事後承諾の件は、全く気にしないで結構ですよ。
むしろ、「出典元」として戴いた事が恐縮な程です。
糠床の異臭対策。これは特許が、とか、著作権が、とか言うものでは無くて、我々日本人の共通の知恵なのですから、どんどん浸透して、日本人としての食文化を、皆様と一緒に大切にして行きたいです♪
せいほ様の糠床、シンナー臭が消えて良かったですね。回復した糠床を、また可愛がってあげて下さいネ!
私の糠床も早い物で5~6年くらい経ちます。
ふとした事で始めたのですが、孫たちも実家に来るなり爺ちゃん糠漬け無いのと聞いてきます。
キュウリなどは糠床から出すと刻まずにそのまま丸かじりにします。
又、ゆで卵の糠漬けも大好物です。
家の分と孫たちの家の分も漬けるので大変です。
お孫さん方から催促されるされる程のお味は、さぞや美味しい事でしょうね。
「きゅうりは丸かじり」は、良く解ります!
実は僕も、その様に食べる事が有りまして。
Husky様、これからも美味しい糠漬け、作り続けて行きましょうね。