東京二十三区清掃一部事務組合HPで「清掃事業年報(令和元年度)」が公表された。
23区の令和元年度 ごみ量は
区収集ごみ 1,782,160.75トン ←前年比15,983.67 トン増(100.9%)
(可燃1,679,871.56トン、不燃37,781.06トン、粗大64,508.13トン)
持込ごみ 984,155.20トン ←前年比3,963.29 トン減(99.6%)
合計 2,766,315.95トン ←前年比12,020.38 トン増
災害廃棄物 483.40トン
令和元年度のごみ量、新型コロナウイルスによる影響も出始めた~
令和2年3月分、清掃工場への搬入ごみだけみても、区収集ごみは前年比の101.2%、事業系の持込ごみは、86.5%となっているので、、、
この先の4月以降の緊急事態宣言などで、令和2年度のごみ量はさらに大きくへ影響を受けるだろう、ただし、家庭系ごみの増加よりも、事業系ごみの激減が大きいので、全体量では減少になるだろう、、、、(たぶん)
令和元年度 ごみの収集状況(概要)
「リサイクル編」令和元年度はまだ更新されていない、、、
【参考】平成30年度清掃事業年報(リサイクル編)の閲覧〈特別区清掃リサイクル主管課長会資料〉(PDF:357KB)
以下、グラフは清掃一組「清掃事業年報」から作成
とりあえずは、気になる清掃工場の処理状況から~
23区は、プラスチック類を「燃やすごみ」としてからは、、、いまや、中間処理はほとんどが清掃工場での焼却処理、、、粗大ごみや不燃ごみは全体の処理量からみれば数パーセント程度、、、
◆清掃工場等焼却量の推移◆
◆清掃工場等焼却量の推移◆
平成元年からの推移
◆清掃工場別処理量◆
令和元年度 清掃工場搬入ごみは合計 2,728,344.59 トン
◆清掃工場別 稼働日数◆
令和元年度の清掃工場の稼働日数は平均は278日、
世田谷の稼働日数、平成27年度は272日、平成28年度は258日、平成29年度は240日、平成30年度は258日、令和元年度は266日となった。
「計画年間稼働日数」の283日に届かない工場は故障が多かったのか、それともごみ不足の調整なのか?
定期点検補修工事による休炉か、故障か、調整なのかは、10月頃公表される「清掃工場等作業年報」にでてくる~
有明清掃工場は延命化工事該当工場、
◆清掃工場 搬入総括表、受入形態別◆
事業系の持込ごみは合計で984,155.20トン
そのうち、清掃工場への持ち込み量は継続と臨時の合計で961,041 トン
持込ごみの約98%は清掃工場での焼却ごみということになる~
23区の清掃工場での焼却ごみ
区収集の可燃ごみが62%
事業系の持込ごみは35%
※京浜島不燃ごみ処理センター分は、京浜島で処理している粗大ごみの可燃分+不燃ごみ分は?
◆23区清掃工場 区収集・持込 搬入内訳◆
令和元年度は約35%が事業系の持込ごみとなった。
清掃工場により、区収集と持込ごみの割合は大きく異なる。
粗大ごみ破砕ごみ処理施設の可燃分は、破砕ごみ処理施設の休止にともない、湾岸地域の清掃工場で焼却処理ということになったとおもっていたが、令和元年度の清掃工場搬入総括表をみると、世田谷、渋谷、豊島、板橋、以外の15工場に運ばれている。中防から練馬、板橋、足立、葛飾までも運ぶのも、、、ちょっとびっくり、
23区別のごみ収集量など~
◆区別ごみ収集量(区収集分)と1人1日当たりのごみ排出量◆
区収集分といえども、区が収集する事業系ごみも含まれるため、都心部や繁華街で事業系ごみの多い区もあり、単純に比較はできない。23区の清掃事業、ごみの減量やリサイクル、収集・運搬は各区の仕事である。ごみ減量取り組みも、意欲も施策も、区によってかなり違う、、、
令和元年度、23区すべての区で人口は増加している、
平成30年度までは、1人一日当たりのごみ量はすべての区で減少傾向であったが、令和元年度は、前年度よりも増えた区は江東、大田、豊島、練馬、足立。葛飾、江戸川、、残念、、、、、、
※人口は、東京都総務局統計部発行の「住民基本台帳による人口(日本人及び外国人)」の令和元年10月1日現在の数値
◆区収集可燃ごみ量の推移、各区別◆
区別可燃ごみ量の推移は、容器包装プラスチック類分別収集の実施区、未実施区の違いもあるが、数年が経過し、容リプラ効果もあまりなくなった。各区と も、増加傾向は見られなくなったが、減少の努力をしている区、横ばいの区と、際立つ違いがある。(文京と大田は、容リ協会への申込はしていたが、回収実績は極少。大田は実験収集期間のみ)
◆不燃ごみ処理センター処理処分内訳◆
なんと、令和元年度は、中防不燃ごみ処理センターから清掃工場への搬入が706.17トン
おそらく、不燃ごみの破砕後の「その他ごみ」であろうが、清掃工場での焼却開始は何月からか? 最近は、清掃工場で水銀による炉停止はなくなったが、緊急時の対策もしっかりできてきたのか、、まだまだ蛍光管や電池類、「不燃ごみ」扱いの区があるようだけど、、不燃ごみ残さを焼却して、水銀などの問題は解消できたのか? 不燃ごみ搬入量の2%ではあるが、、、今後さらに増えるのだろうか?
◆京浜島不燃ごみ処理センター処理処分内訳◆
京浜島の不燃ごみ焼却分は249.54トンの2%
◆区収集不燃ごみ量の推移、各区別◆
プラスチック類が可燃ごみとなり、不燃ごみは激減、不燃ごみの全量資源化の足立区、江東区に次いで、なんと、板橋区も「不燃ごみ資源化事業」で、令和元年度の不燃ごみ搬入量はゼロとなっている。中野区も「陶器・ガラス・金属ごみ」は民間施設に搬入し、資源化処理をしているようで搬入量は激減している、、、
そういえば、板橋区は、令和元年度、容器包装リサイクル法のプラスチック製容器包装の指定法人ルートへの申込もしていた、、、とても喜ばしいことだ、、、
不燃ごみの資源化事業の民間委託もいろいろあるが、、、
何といっても、23区に清掃事業が移管がされても、、中間処理に関しては、23区清掃一組にお任せの共同処理に甘んじているのが、いまいち納得いかなかった。収集運搬に関しても、いろいろ問題はあれど、そのまま清掃局時代の雇上会社を受け継いでしまって、、、それでも、ここのところ、、23区の清掃事業も各区独自の取り組みが顕著になって、うれしい限り、、。もっと、もっと、それぞれがいろんな取り組みを推進すべき。清掃一組の焼却依存の中間処理をとやかく言う気持ちはさらさらないが、、、各区でできることは各区で行うに尽きる。先ずは、発生抑制、ごみ減量、資源化推進で、可能な限り、焼却ごみや埋立ごみの削減を!! 清掃事業、収集・運搬のみならず、中間処理、最終処分、トータルでの処理責任を23区が自覚してこそ清掃事業の区移管なのだから~
◆粗大ごみ破砕処理施設 処理処分内訳◆
◆区収集粗大ごみ量の推移、各区別◆
23区の全ての区で人口は増加し続けている。可燃ごみ、不燃ごみは減少を維持しているが、粗大ごみに関してはどこの区も変動が大きい。粗大ごみは、人口の変動に伴うものが大きいのか?
平成30年度から、長年、第1位であった「ふとん」が第2位となり、「箱物家具」が1位となっている。ピックアップ回収で、布団のリサイクルの港、文京、練馬、世田谷、足立、大田の取り組みも影響しているのか?
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令和元年度、前年度よりも粗大ごみ量がかなり増えている区が多い、、、
◆23区「不燃ごみ」「粗大ごみ」合計推移◆
プラスチック類が可燃となってからは「不燃ごみ」「粗大ごみ」が激減、
◆23区 1人1日当たりごみ量(g)推移【区収集ごみ】◆
平成30年度までは、1人一日当たりのごみ量はすべての区で減少傾向であったが、令和元年度は、前年度よりも増えた区は江東、大田、豊島、練馬、足立、葛飾、江戸川、、残念、、、、、、
--この1人1日当たりごみ量(g)は「区収集ごみ」だけの計算--
◆23区 【区収集ごみ】1人1日当たりごみ量(g)一覧表◆
23区の区収集ごみ令和元年度は509g/人日
-順位のようになってしまったが、単純にエクセルで並び替えをしたため、同量のごみ量の区も多々あり---
江東区、平成29年度、平成30年度と、杉並、練馬、中野に次いで4位に、、、、、不燃ごみの全量リサイクルが効いているのか、、、 令和元年度は、中野区はが1位となった、、すばらしい、、、
令和元年度23区の区収集ごみ1人1日当たりのごみ量は509g/人日
●環境省の計算方式では、、
関連(本ブログ) 環境省の計算方法でごみ量を出すと平成30年度は940g/人日~
■一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度) 東京都全体で1人1日当たりのごみ排出量は875グラム、23区分は940グラム2020年04月18日
23区は、「1人1日当たりの排出量(g/人/日)」や「リサイクル率(%)の算出方法はあまり浸透していない。多くの区で、1人1日当たりのごみ排出量に「区収集ごみ」の但し書きがつく。それは、事業系の持込ごみが23区をまたがって収集しているため、区別に実測されていないため、、、従って、一般廃棄物の総排出量の算定も区別には難しいと、、、、
環境省の平成30年度調査結果
東京都の集計結果から23区分を抜粋
環境省のデータには、総人口も1人1日当たりの総排出量も空白だが、23区の合計人口を入力すると自動計算で数字が出てくる
総人口 : 9,475,969人、←9万2千人以上増加
ごみ総排出量 : 3,250,655トン
1人1日当たりの総排出量 :940グラム/人日
ごみ処理量: 3,106,942トン
直接焼却量 :2,630,198トン、←直接焼却率は80.9%
直接最終処分量 : 4,023 トン
焼却以外の中間処理 :150,092トン
直接資源化 :322,629トン
中間処理後再生利用 : 41,406トン)
リサイクル率 R:16.4%、R’:16.1%
最終処分量 : 304,265トン
直接最終処分 : 4,023トン ←増加している
焼却残渣 :247,236トン
処理残さ : 53,006トン
集団回収量: 173,730トン ←年々減少傾向
'ごみ総排出量 (計画収集量+直接搬入量+集団回収量)
'1人1日当たりの排出量:'合計(ごみ総排出量)*10^6/総人口/365
'ごみ処理量 (直接焼却量+直接最終処分量+焼却以外の中間処理量+直接資源化量)
'リサイクル率 R:(直接資源化量+中間処理後再生利用量+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100
'リサイクル率 R’:(直接資源化量+中間処理後再生利用量〔固形燃料、焼却灰・飛灰のセメント原料化、セメント等への直接投入、飛灰の山元還元 を除く〕+集団回収量)/(ごみ処理量+集団回収量)*100
平成30年度の23区の1人1日当たりのごみ排出量は
環境省のデータは空欄ではあるが計算式では875g/人日となる
関連(本ブログ) 環境省の計算方法でごみ量を出すと平成30年度は940g/人日~
■一般廃棄物の排出及び処理状況等(平成30年度) 東京都全体で1人1日当たりのごみ排出量は875グラム、23区分は940グラム2020年04月18日
◆灰溶融施設、スラグ生成量の推移◆
原発事故の影響がなくとも、もともとがほとんどの施設が安定稼働をしているとはいいがたかった。しかし、平成23年度、24年度は、夏場は全面停止、全施設で1炉稼働、主灰の単独溶融に切り替えた。平成25年には、「今後の灰溶融処理の休止」ということで、7施設のうち、5施設をを順次休止し、平成28年度以降は、多摩川と葛飾のみ稼働させるということになった。その2施設も、令和元年度末を持って休止となる~
スラグは全量有効利用(サンプル提供含む)
有効利用の詳細は~
※世田谷灰溶融スラグ生成量はガス化溶融炉(300t/日)のスラグも含む
◆溶融量とスラグ生成量の推移◆
溶融量は、事業年報では、灰投入量の自工場分の記載がなく、毎年度、作業年報から抜粋している。
従って、令和元年度の溶融処理量はまだわからない。
-溶融すると容積は減少するようだが、重量的には塩基度調整剤のせいか、溶融量よりも増えている年もある-
◆主灰のセメント原料化事業 処理実績◆
主灰のセメント原料化量
平成26年度: 1,987.40 トン
平成27年度: 5,848.78 トン
平成28年度: 10,992.78 トン
平成29年度: 15,985.40 トン
平成30年度: 31,287.55 トン
令和元年度: 35,895.00 トン
「一般廃棄物処理基本計画」では、主灰のセメント原料化の拡大 として
主灰のセメント 原料化量(湿ベース)
33~36 年度 前処理施設の整備
37年度 (2025年度) 60,000トン程度
38 年度 (2026年度) 70,000トン程度
39 年度 (2027年度) 80,000トン程度
40 年度 (2028年度) 90,000トン程度
41 年度 (2029年度) 90,000トン程度
灰溶融と主灰のセメント原料化事業を単純に比較はできないが、灰溶融処理では溶融スラグが発生しその用途も必要となるが、セメント原料化の場合はその心配はない。清掃一組施設での灰溶融処理全盛期で約12万トンだったので、セメント原料化量の平成41年度の目標が9万トンということは、清掃工場の残灰(平成29年度残灰274,705.43トン)の3割を埋め立てせずに有効利用ということなの?やはり、焼却ごみの削減を徹底しない限りは、埋めてて処分場の延命化といえども、埋立ごみのゼロにはならない、、、
◆主灰、飛灰の徐冷スラグ化(民間施設)◆
平成30年度からは、主灰、飛灰の徐冷スラグ化の民間委託が始まった、、、
◆23区の灰溶融処理と灰の資源化(民間施設)◆
23区の灰溶融施設での溶融処理は縮小、そして令和元年度末で溶融処理も終了
それはそれでいいのだが、焼却灰のセメント原料化、主灰も飛灰も民間委託で溶融というのも複雑な心境、、、、
清掃事業年報、
平成18年度までは、各清掃工場毎の「焼却残灰量」が細かく出ていたのだが、平成18年度から「残灰量とスラグ搬出量」の一覧表だけになったので、さっぱりわからなくなった。溶融処理量も同じく???
◆23区埋立処理量の種類別内訳◆
埋立処分量の約82%は焼却灰である、、、
清掃工場残灰+中防灰溶融施設残灰
◆埋立処分量の推移 23区分◆
廃プラスチックが分別区分変更で焼却となって以来、埋立処理量が大幅減少していたが、さすがに、福島原発事故の影響で、平成23年度は、平成20年度並みに戻ってしまった。
◆23区 清掃工場残灰等 埋立処分量の推移◆
焼却灰は増加傾向、灰溶融処理政策の破綻、、、
しかし、財政面からも、安全面からも、灰溶融炉の休止は大歓迎、
それにともなう焼却灰埋立量の増加は、不燃ごみ残さのプラスチック等の可燃分(現状は埋立処理)を,焼却することでかなりカバーできるということであった が、、、灰溶融処理に変わる施策として、平成26年度から「主灰のセメント原料化事業」が始まっている。そして主灰と飛灰の民間による溶融処理事業も始まって、、、
◆23区 清掃工場残灰等 の内訳 推移◆
灰溶融スラグの埋め立て分は大田第二工場分
◆23区清掃一組で受け入れている産業廃棄物◆
※他に、平成16年頃から事業系の不燃皮革ごみも若干量受け入れている。
◆産業廃棄物の埋立処理量(東京都分)◆
平成23年度、24年度は、23区分の焼却灰の埋立量の増加もさることながら、東京都分は、上水スラッジと、下水汚泥焼却灰は、放射能汚染で資源化できずにすべて埋立、おまけに多摩地域の下水汚泥焼却灰も受入ているので、大幅増加。平成29年度、30年度と産業廃棄物を大量に受け入れている。なんだろうか?
おまけ
◆23区のごみ量推移(明治33年~平成30年)◆
この1人1日当たりのごみ量は、単純に23区のごみ総量を人口で割ったもの
(環境省の計算の資源化分、集団回収分も含むごみ総排出量とは異なる)
※平成10年度までは「東京都清掃事業百年史」参考、以降は清掃事業年報などから作成
とりあえず
関連(本ブログ) リサイクル編 令和元年度はまだ公表されていない、、、、
■23区 平成30年度の資源回収量 ~23区の資源回収量は約525,482トン(前年比約約5,183トン減)2019年09月03日