東京23区のごみ問題を考える

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~ごみ問題のスクラップブックとして~

家庭ごみの有料化、指定ごみ袋の価格と減量効果の関係性は?

2018年01月30日 19時46分19秒 | 有料化 指定ごみ袋

 グラフは東洋大学経済学部教授山谷修作氏の「ごみ有料化情報」から作成
多摩地域の家庭ごみ有料化実施のごみ袋の価格は、全国市区の多い価格帯に比べると高額の傾向にある~

多摩地域は、事業系一般廃棄物の搬入手数料も他都市に比べて高めの傾向
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家庭ごみの有料化、
2月1日から金沢市や田原市で有料化がスタートするというニュースが流れていたので、、、家庭ごみ有料化のメリットやデメリットなどをいろいろ考えていた~ 

23区では、まだ、家庭ごみの有料化はどこの区も始めていない。(「粗大ごみ」は全ての区で有料化)
どうなんだろう、正直言って、家庭ごみの有料化、よくわからない。もちろんごみの減量効果はあるとおもうが、やはり、経済的な負担は増えるのだから、頑張ってごみ減量に励めども、負担増にはなるだろう、、しかし、大量のごみを出し放題の人と、一生懸命ごみ減量に励む人との差はおおきくなる一方、、、

中野区や豊島区では、すでに審議会等で家庭ごみの有料化の答申がでていたような記憶があるが、、それでも、まだどこも有料化に踏み切っていない。23区のごみ処理体制は特殊で、収集・運搬は各区で行い、中間処理は共同処理体制、最終処分は東京都の埋立処分場へと、、、各区とも、なんというか、、いまいちトータルでのごみ減量施策の本気度がつかみにくかったのだが、、、最近では、いろんな新しい取り組みもみえつつある、、、

そうしたなかでも、まだ、家庭ごみ有料化の提案や議論を始めたという話しは聞こえてこない、、
23区、いろんな意味で、横並びも多いけど、画期的な取り組みを始める区もあるので、、、どこが先発でごみ有料化議論の開始に入るか楽しみでもある。ごみの有料化を待ち望んでいるというのではなく、その議論をすることで、区民も、「ごみ問題」を自分の身近なこととして考える機会が到来すると、、、ちょっと無責任な他力本願的な有料化肯定である、、、

 

多くの市町村で、ごみの有料化の目的はごみ減量化と位置づけているようなので、有料化でごみ減量の効果はどの程度あるのか、また、例えば、ごみ袋の価格と減量効果の相関は、、、とか、、いろいろ気にはなっていることは多い。23区で参考になるような市町村データをみつけてみようとおもうのだが、、、市町村というのも、いろんな特色があるし、23区の場合も、各区によって大きく事情は異なるしで、ということで、気にはなってもいつも素通りしているのである。

環境省の「一般廃棄物処理有料化の手引き」にもいろんな資料はでているのだが、なにしろ平成25年4月作成なので、、、今回、東洋大学経済学部教授山谷修作氏の「ごみ有料化情報」の2017年10月の調査結果を開いて、いろいろと即席の学習をしたところである。これを機会に、少し情報を整理してみた~ (とはいえ結論めいた考えはなにも浮かばず、曖昧なまま、今後の課題としたい、、)

山谷氏の全国市区町村の家庭ごみ有料化実施状況調査では、
全国の有料化実施率は、2017年10月現在で、有料化は1105市区町村(63.5%)、ごみ袋の価格では、大袋一枚あたりの価格が40円台が一番多く、次に30円台、20円台・50円台となっていた。また、家庭ごみを有料化している466市のうち、資源物の有料化をしている市は148市(31.8%)、うち、プラスチック有料化の市は98市(21.0%)となっている。手数料減免措置実施状況は減免制度のない市が24市ももあるのに驚いた。詳しくは、「全国市区町村の有料化実施状況(2017年10月現在)」を参照のこと。

また、「多摩地域有料化の家庭ごみ減量効果(2017年10月集計)」が興味深い
有料化実施時期と家庭ごみ排出原単位の翌年度減量効果(多摩地域有料化市 22 市)では、有料化後の減量率がでているが、リバウンドはあっても、その後も減量効果はあるとみるのかな?また、手数料水準と家庭ごみ排出原単位の減量効果(多摩地域有料化市 19 市)では、1枚あたりの価格が高いほど、リバウンドもなく、減量効果が大きいというのが明確に現れている。詳しくは、「ごみ有料化情報」を参照のこと

 

全国市区町村の有料化実施状況(2017年10月現在)←(山谷氏調査)
市区  総数 814 有料化実施 466 有料化実施率 57.3%
 町  総数 744 有料化実施 519 有料化実施率 69.8%
 村  総数 183 有料化実施 120 有料化実施率 65.6%
市区町村 総数 1741 有料化実施 1105 有料化実施率 63.5%


価格帯別都市数(単純従量制・大袋1枚の価格)←(山谷氏調査)
10円未満 4
10円台 29
20円台 63
30円台 95
40円台 100
50円台 63
60円台 32
70円台 7
80円台 43
90円以上 5
N=441
2017年10月現在

 

東洋大学経済学部教授
山谷修作ホームページ「ごみ有料化情報

全国市区町村の家庭ごみ有料化実施状況 (2017年10月現在)
     調査実施者: 山谷修作
     調査方法:第4回全国都市調査、47都道府県へのアンケート調査と個別確認作業による
     調査結果を見る 

全国都市家庭ごみ有料化実施状況の県別一覧(2017年10月現在)
     調査実施者: 山谷修作
     調査対象: 全国791市と東京23区
     調査方法: 第4回全国都市調査、都道府県アンケート調査と個別確認作業による
     調査結果を見る    

全国町村家庭ごみ有料化実施状況の県別一覧(2017年10月現在)
     調査実施者: 山谷修作
     調査対象: 全国927町村
     調査方法: 47都道府県へのアンケート調査と個別確認作業による
     調査結果を見る

多摩地域有料化の家庭ごみ減量効果(2017年10月集計)
    東京市町村自治調査会「多摩地域ごみ実態調査」各年版をもとに、東京多摩地域有料化市の有料化前後における家庭ごみ減量効果を集計しました。
    集計結果を見る
        ■家庭ごみ排出原単位の推移表     
        ■同上:大袋1枚の価格とのクロス集計     
        ■家庭系可燃ごみ排出原単位の推移     
        ■同上:大袋1枚の価格とのクロス集計     
        ■有料化実施時期と家庭ごみの減量効果

 

山谷氏の調査結果は全国全ての有料化実施の市区のごみ袋の価格が出ているが、
とりあえず、関東地方の一都六県のみを抜粋してグラフにした~

こうしてみると、、東京はほぼ横並びと言えなくもないが、、、そのほかの県内はけっこうなばらつきがあるようだ~
有料化の実施時期の早い市は、概ね価格が低めなのかな?そうではない市もあるが、、、、

 

 

東洋大学経済学部教授山谷修作氏
全国 市区家庭ごみ有料化実施状況(2017年10月現在)」から関東地方1都6県分を抜粋

全国 市区家庭ごみ有料化実施状況(2017年10月現在) 関東地方1都6県  
■単純従量制 可燃ごみ大袋1枚の価格(40~45L)    
          円/大袋1枚
都道府県 市区 開始年月 可燃ごみ 資源物 減免制
茨城県 水戸市 2006.4 30   S 、V
日立市 2002.6 30   V
常陸太田市 1992.10 30  
高萩市 2002.10 30   V
北茨木市 2003.4 30  
笠間市 1996.4 19.7   V
ひたちなか市 1995.10 20   V
潮来市 2004.4 25   V
常陸大宮市 2004.10
(市制施行)
15   V
行方市 2008.10 18   V
小美玉市 2006.3
(市制施行)
20   V
栃木県 足利市 2008.4 15   S
鹿沼市 2006.10 30   S 、V
真岡市 2014.4 50   V
矢板市 1995.10 40   V
那須塩原市 2009.4 50   V
さくら市 2005.3
(市制施行)
40  
那須烏山市 2005.10
(市制施行)
20   V
群馬県 太田市 2005.3 15、不燃40   S 、V
安中市 1998.4 10   V
埼玉県 秩父市 1996.7 35/35L   S 、V
加須市 2013.4 25   V
蓮田市 2000.4 50   V
幸手市 2006.10 50   S 、V
白岡市 2012.10
(市制施行)
50   V
千葉県 千葉市 2014.2 36   S 、V
銚子市 2004.10 30 びん・缶・ペットボトル・プラ 10 V
館山市 2002.7 30   V
木更津市 2004.4 45   V
茂原市 2006.1 65  
東金市 2008.7 35   V
旭市 1973.4 45/30L びん・缶・ペットボトル・プラ
25/30~45L
S 、V
勝浦市 2008.7 40   V
八千代市 2000.7 24   S 、V
鴨川市 2004.4 50   V
君津市 2000.10 40
(旧超過量方式)
  S 、V
富津市 1971.4 15 びん・缶・ペットボトル・プラ 15 V
袖ケ浦市 2001.7 16   V
南房総市 2006.4
(市制施行)
50   V
匝瑳市 1970.9 40 びん・缶・ペットボトル・プラ 20 S
香取市 2008.10 30   V
山武市 2006.3
(市制施行)
40/30L びん・缶・ペットボトル 20/35L V
いすみ市 2005.12
(市制施行)
50 びん・缶・ペットボトル 50 V
大網白里市 2009.10
(市制施行)
35   S 、V
東京都 八王子市 2004.10 75   S 、V
立川市 2013.11 80   S 、V
武蔵野市 2004.10 80   S 、V
三鷹市 2009.10 75   S 、V
青梅市 1998.10 60 プラ 30 S 、V
府中市 2010.2 80 プラ 40 S 、V
昭島市 2002.4 60 プラ 60 S 、V
調布市 2004.4 84   S 、V
町田市 2005.10 64 一部地区プラ 32 S 、V
小金井市 2005.8 80 プラ 80 S 、V
日野市 2000.10 80   S 、V
東村山市 2002.10 72 プラ 30 S 、V
国分寺市 2013.7 80   S 、V
国立市 2017.9 80 プラ 40 S 、V
福生市 2002.4 60   S 、V
狛江市 2005.10 80   S 、V
東大和市 2014.10 80 プラ 80 S 、V
清瀬市 2001.6 40 プラ 40 S 、V
東久留米市 2017.10 80 プラ 40 S 、V
多摩市 2008.4 60 プラ10/20L S 、V
稲城市 2004.10 60   S 、V
羽村市 2002.10 60   S 、V
あきる野市 2004.4 60   S 、V
西東京市 2008.1 60 プラ 20 S 、V
神奈川県 鎌倉市 2015.4 80   S 、V
藤沢市 2007.10 80   S
逗子市 2015.10 80   S 、V
大和市 2006.7 64   S 、V

(注)1.手数料体系は、可燃ごみの手数料体系により、単純従量制と超過従量制に区分(超過従量制には二段階従量制も含む)。単純従量制は、ごみの排出量に単純に比例して課金する方式。超過従量制は、排出するごみが一定量を超えると有料になる課金方式、または一定量を超えると料率がより高くなる課金方式。
2.可燃ごみ、資源物とも大袋(40~45L)1枚の価格で表記(容量が異なる場合は記載)。
3.減免制度欄は、社会的配慮からの減免措置(紙おむつを必要とする世帯、経済的に困難な世帯などが対象)についてS、ボランティア清掃奨励の無料袋・シール配布措置についてVと表記。
4.2003年4月以降の町村合併による新市のみ(市制施行)と表記。
5.ここでの「有料化」は、家庭系可燃ごみの定日収集・処理について、市町村に収入をもたらす従量制手数料を徴収すること、と定義した。

 

東洋大学経済学部教授山谷修作氏
全国 町村家庭ごみ有料化実施状況(2017年10月現在)」から関東地方1都6県分を抜粋

全国 町村家庭ごみ有料化実施状況(2017年10月現在) 関東地方1都6県
■単純従量制  可燃ごみ大袋(30~50L)1枚あたりの価格
   
茨城県 茨城町 20
大洗町 20
城里町 25
東海村 20
河内町 15
八千代町 超過量50円
栃木県 益子町 50
茂木町 50
市貝町 50
芳賀町 50
塩谷町 40
高根沢町 40
那須町 50
那珂川町 20
群馬県 榛東村 15
吉岡町 15
上野村 20
神流町 15
下仁田町 25
南牧村 25
甘楽町 60
中之条町 40
長野原町 40
嬬恋村 40
草津町 22
高山村 40
東吾妻町 40
片品村 16
川場村 40
昭和村 40
みなかみ町 70
板倉町 40
明和町 35
埼玉県 横瀬町 50
皆野町 50
長瀞町 50
小鹿野町 50
杉戸町 40
千葉県 栄町 45
神埼町 35
多古町 40
東庄町 30
九十九里町 35
芝山町 50
横芝光町 50
一宮町 65
睦沢町 65
長生村 65
白子町 65
長柄町 65
長南町 65
大多喜町 50
鋸南町 50
東京都 瑞穂町 60
日の出町 67
奥多摩町 67
大島町 18.4
神奈川県 二宮町 21

注)1.可燃ごみ大袋(30~50L程度)1枚の価格で表記。
2.都道府県からの提供資料を参考にして、一部町村に個別に確認して作成。
3.ここでの「有料化」は、家庭系可燃ごみの定日収集・処理について、市町村に収入をもたらす従量制手数料を徴収すること、と定義した。

またの機会に~

 


 

環境省
一般廃棄物処理有料化の手引き平成25年4月(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課)

 

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