
焼却炉は、20年、30年、40年と稼働させているが、灰溶融炉の寿命がどの程度かは分からない。1990年代に竣工した施設の方が稼働年数は長い傾向にある。2000年代に入ってからは、水蒸気爆発事故で竣工後まもなく休止した施設もあり、その後も、事故やトラブルで休止に至った施設はあとを絶たない、、会計検査院指摘の施設でも、「16溶融固化施設の使用予定年数はおおむね15年以上とされていたが、これらの実際の経過年数は、最長で9年、最短で1年1か月となっていた。」とある。スラグの埋立に関しては、公表している自治体はほとんどないので、調査対象外ではまだまだあるだろう、、、、、
全国の灰溶融施設のリストを整理してみたのだが~
気になるので、全国の灰溶融施設をまとめてみた。自治体のホームページは、情報の公開度もまちまちで、廃棄物処理施設の概要がわかりにくいところも多い。ましてや、お荷物となっている灰溶融施設であれば、存在そのものが出てこないところもあった。もちろん、しっかりと「休止中」と明示している施設もあったが。そして、今後の、灰溶融施設の方針など調べようと、一般廃棄物処理基本計画を検索しても出てこない自治体もあり、一市民が調査するには限界もある。ということで、中途半端なまとめではあるが、一覧表にした。
会計検査院が調査の対象としたのは、
平成9年度から24年度までに交付金等の交付を受けて設置した溶融固化施設
22都道府県の93事業主体 102溶融固化施設(ガス化溶融+灰溶融)
独自に調べた施設数は(PFI含む)もっとあるかもしれないが
※おそらく導入第一号炉から2014年12月現在建設中まで、
ガス化溶融施設は120施設
灰溶融施設は122施設(京都灰溶融施設含む)
とりあえずネット上で調べただけでも、古い施設も含めて、灰溶融施設の半分近くは休止中である。
スラグの埋立などは、地域によってはかなりあるだろう。
そして、何よりも、ニュースになっただけでも事故やトラブルはかなり多いので、埋もれているものは推して知るべし。
施設の使用開始から休止に至る期間、その処理方式、プラントメーカーも整理するとおもしろいのだろうが、そこまでするのはやめた。
そのすべてが問題施設ということでもないのだが、現にうまくいっているところもあるのだろうから。とりあえず~
まとめは、ネット上で検索可能な範囲で調べたもので、使用開始年度も、メーカー名も、休止状況も、完全なものとはいえない。
あくまでも、個人が作成した一覧表として、大まかな目安程度としてみてください。
・(全国)一般廃棄物焼却施設【灰溶融炉】一覧(2014年12月現在)(PDF)
追記(2017年12月15日) まとめは、ネット上で検索可能な範囲で調べたもので、使用開始年度も、メーカー名も、休止状況も、完全なものとはいえない。あくまでも、個人が作成した一覧表として、大まかな目安程度としてみてください。
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●一般廃棄物焼却施設【ガス化溶融炉】一覧(2017年12月)(PDF) NEW
環境省はその後どのような対応をしたのか、
昨年9月に、会計検査院から環境大臣宛にだされた「溶融固化施設の運営及び維持管理並びに溶融スラグの利用について全文(PDF形式:148KB)」の意見。そ の後、環境省は、指摘を受けた溶融固化(ガス化溶融炉,灰溶融炉)施設に対して、どのような対応をしたのだろうか。また、各施設は、何か対応に変化があっ ただろうか。まさか、長年施設を休止させておいて、今さら指摘を受けたからといって、補修をして稼働させるなどはあり得ないので、速やかに施設の休止届け のようなものでもだすのだろうか?場合によっては、交付金の返還ということもあり得るかもしれないが、、、
全国各地で、ガス化溶融施設の建設は増え続けている。一方、灰溶融施設は、環境省の通知「灰溶融固化設備の財産処分について」(温室効果ガスの削減は、我が国の環境政策の最重点課題の一つであり、灰溶融固 化設備の廃止による燃料等の削減により温室効果ガスの削減へ寄与することなど~) 以来、施設の休止の検討が増加している。環境省は、特に灰溶融施設の、全国実態調査をおこなうべきだと思う。廃棄物政策、焼却灰の溶融処理も、当時は、ダ イオキシン類対策、埋立処分場の延命にとって、画期的な技術ともてはやされて環境行政に組み込まれたのだろう。しかし、これまでの政策も、通知一つですべ て転換してしまう、総括も反省もなく、それで終わりにするのではあまりにも無責任である。
(全国)一般廃棄物焼却施設【灰溶融炉】一覧(2014年12月現在
地方公共団体名 | 施設名称 |
札幌市 | 札幌市白石清掃工場 (2014年9月から停止) |
北見市 | 北見市廃棄物処理場 (2013年4月から停止) |
北しりべし廃棄物広域処理組 合 | 北しりべし広域クリーンセンター (2012年7月から停止) |
外ヶ浜町 | 外ヶ浜町ごみ処理施設 |
弘前地区環境整備事務組合 | 弘前地区環境整備センター (2003年8月から停止) |
仙台市 | 松森工場 (2012年9月廃止) |
大館市 | 大館クリーンセンター |
大仙美郷環境事業組合 | 大仙美郷クリーンセンター |
最上広域市町村圏事務組合 | エコプラザもがみ |
西村山広域行政事務組合 | 寒河江地区クリーンセンター (2011年3月休止又は廃止) |
福島市 | あらかわクリーンセンター |
いわき市 | 南部清掃センター (2009年休止) |
田村広域行政組合 | 田村西部環境センター |
安達地方広域行政組合 | もとみやクリーンセンター (2011年3月休止又は廃止) |
日立市 | 日立市清掃センター |
常陸太田市 | 清掃センター |
ひたちなか市 | ひたちなか・東海村クリーンセンター |
龍ケ崎地方塵芥処理組合 | くりーんプラザ・龍 |
筑西広域市町村圏事務組合 | 筑西広域市町村圏事務組合環境センター |
潮来市 | 潮来クリーンセンター (2005年休止) |
宇都宮市 | クリーンパーク茂原焼却ごみ処理施設 |
那須塩原市 | 那須塩原クリーンセンター |
那須地区広域行政事務組合 | 広域クリーンセンター大田原 |
栃木市 | とちぎクリーンプラザごみ焼却施設 |
栃木地区広域行政事務組合 | 北部清掃工場 |
太田市 | 太田市清掃センター灰溶融炉 (2009年休止) |
みなかみ町 | 奥利根アメニティパーク固形燃料利用施設 (休止) |
さいたま市 | さいたま市西部環境センター |
坂戸市 | 坂戸市東清掃センター焼却施設 (2002年3月末で停止) |
所沢市 | 東部クリーンセンターごみ焼却施設 |
狭山市 | 第一環境センター (2002年3月末で操業停止) |
狭山市 | 第二環境センター (2002年3月末で操業停止) |
東埼玉資源環境組合 | 第一工場ごみ処理施設 |
埼玉県東部清掃組合 | 埼玉県東部清掃組合第二工場 (1998年3月末廃止) |
児玉郡市広域市町村圏組合 | 小山川クリーンセンター |
千葉市 | 新港清掃工場 |
千葉市 | 北谷津プラズマ溶融センター (2001年度末で停止) |
柏市 | 柏市第二清掃工場 |
八千代市 | 八千代市清掃センター |
八街市 | 八街市クリーンセンター |
我孫子市 | 我孫子市クリーンセンター (2001年2月で操業停止) |
東金市外三市町清掃組合 | 東金市外三市町環境クリーンセンター |
八王子市 | 戸吹清掃工場 (2012年休止) |
多摩川衛生組合 | クリーンセンター多摩川 (2013年休止検討) |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 中防灰溶融施設 (2013年度末で休止) |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 品川清掃工場 (2014年度末で休止予定) |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 多摩川清掃工場 |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 板橋清掃工場 (2015年度末で休止予定) |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 世田谷清掃工場(2014年度末で休止予定) |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 足立清掃工場(2014年度末で休止予定) |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 葛飾清掃工場 |
東京二十三区清掃一部事務組 合 | 大田第二清掃工場(2008年廃止) |
横浜市 | 金沢工場 (2010年休止、その後、再稼働検討報道もあり) |
新潟市 | 新潟市白根グリーンタワー (2012年3月休止又は廃止) |
新潟市 | 新潟市新田清掃センター |
佐渡市 | 灰溶融固形化施設(メルティングセンター佐渡)(2009年廃止) |
射水地区広域圏事務組合 | クリーンピア射水 |
富山地区広域圏事務組合 | 富山地区広域圏クリーンセンター |
富士吉田市 | 富士吉田市環境美化センター |
大月都留広域事務組合 | まるたの森クリーンセンター |
山県市 | 山県市新クリーンセンター |
可茂衛生施設利用組合 | ささゆりクリーンパークエコサイクルプラザ |
静岡市 | 沼上清掃工場灰溶融施設 |
磐田市 | 磐田市クリーンセンター |
名古屋市 | 名古屋市五条川工場 |
春日井市 | 春日井市クリーンセンター3、4号炉 |
東海市 | 東海市清掃センター |
海部地区環境事務組合 | 八穂クリーンセンター (2012年5月休止) |
刈谷知立環境組合 | クリーンセンター |
衣浦衛生組合 | クリーンセンター衣浦 (2005年休止) |
小牧岩倉衛生組合 | 環境センター(2006年休止) |
栗東市 | 栗東市環境センター |
湖北広域行政事務センター | クリスタルプラザ (2003年休止) |
京都市 | 京都市焼却灰溶融施設 2013年7月トラブル多発で契約解除 |
京都市 | 東北部クリーンセンター |
城南衛生管理組合 | クリーン21長谷山 (2011年3月廃止) |
吹田市 | 資源循環エネルギーセンター |
枚方市 | 東部清掃工場 |
泉北環境整備施設組合 | 泉北クリーンセンター (2011年3月休止又は廃止) |
岸和田市貝塚市清掃施設組合 | 岸和田市貝塚市クリーンセンター |
南河内清掃施設組合 | 南河内清掃施設組合 第2清掃工場 (2011年1月休止又は廃止) |
猪名川上流広域ごみ処理施設 組合 | 国崎クリーンセンター |
加古川市 | 加古川市新クリーンセンター (休止?)2014年度からセメント原料化の報道あり |
尼崎市 | 第2工場 |
篠山市 | 清掃センター (2008年休止) |
橿原市 | クリーンセンター かしはら |
米子市 | 米子市クリーンセンター |
鳥取県西部広域行政管理組合 | エコスラグセンター (2015年度末休止、2016年廃止を検討) |
益田地区広域市町村圏事務組 合 | 益田地区広域クリーンセンター |
岡山市 | 東部クリーンセンター |
岡山市 | 岡南環境センター (2011年休止) |
美作市 | 美作クリーンセンター(灰溶融炉建設見送り) |
広島市 | 広島市中工場 (2012年3月廃止) |
呉市 | クリーンセンターくれ(第3工場) |
下関市 | 奥山工場 (建替時廃止予定が2012年9月前倒で休止) |
阿南市 | 阿南市クリーンセンター (2013年で休止?、エコパーク阿南へ) |
阿南市 | エコパーク阿南 |
美馬環境整備組合 | クリーンセンター美馬 |
松山市 | 松山市南クリーンセンター |
松山市 | 松山市新西クリーンセンター |
高知市 | 高知市清掃工場 (2010年休止) |
嘉麻市 | 嘉麻市嘉麻クリーンセンター |
豊前市外1町2村清掃施設組合 | 清掃センター |
佐賀市 | 佐賀市清掃工場 |
脊振共同塵芥処理組合 | 脊振広域クリーンセンター |
佐世保市 | 佐世保市灰溶融施設 |
諫早市 | 諫早市環境センター(溶融施設) (休止) |
南島原 | 南島原市南有馬クリーンセンタ |
佐々町 | 佐々クリーンセンター |
新上五島町 | 新上五島町クリーンセンター |
人吉球磨広域行政組合 | 人吉球磨クリーンプラザ |
宮崎県環境整備公社 | エコクリーンプラザみやざき【溶融スラグJIS取得】(休止→廃 止?) |
鹿児島市 | 新北部清掃工場 |
日置市 | 日置市クリーン・リサイクルセンター (休止中) |
姶良市 姶良郡西部衛生処理 組合 | あいら清掃センター |
屋久島町 | 屋久島クリーンサポートセンター |
沖永良部衛生管理組合 | 沖永良部クリーンセンター |
徳之島愛ランド広域連合 | 徳之島愛ランドクリーンセンター |
浦添市 | 浦添市クリーンセンター |
伊平屋村 | 伊平屋村クリーンセンター |
糸満市・豊見城市清掃施設組 合 | 糸豊環境美化センター |
中城村・北中城村清掃事務組 合 | 中城青葉苑 (2014年度から休止) |
那覇市・南風原町環境施設組 合 | 那覇・南風原クリーンセンター |
参考 ガス化溶融炉のまとめ↓↓
・全国)一般廃棄物焼却施設【ガス化溶融炉】一覧(2014年12月現在))(PDF)