東京23区のごみ問題を考える

脱焼却の循環型ごみ処理システムは可能か!!
~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区清掃一組「事業概要(令和2年版)」、平成30年度 23区のごみ処理経費の総額は約1,251億円、ごみ処理原価は58,461 円/トン 

2020年07月31日 14時05分20秒 | 東京23区のごみ

☆グラフは清掃一組「事業概要(令和2年版)」から作成


清掃一組ホームページで、「事業概要(令和2年版)」が公表された。
「事業概要」は、タイトルのとおり、清掃一組がとりおこなう事業の概要がまとめて書かれている。
取りあえず、事業概要のなかから「平成30年度 ごみ処理原価」を取り出した~

東京二十三区清掃一部事務組合 更新日:2020年7月31日

事業概要(令和2年版)を掲載しました NEW


23区の廃棄物行政
収集・運搬は各区の事業、中間処理は清掃一組での共同処理体制、ということで、23区の廃棄物処理の収集・運搬に係る経費は各区の扱いなので、全容はわか りにくい。毎年、清掃一組の「事業概要」で、23区の廃棄物処理経費部門別分析図が掲載されるので、その部分を抜粋した。

平成30年度の23区の廃棄物処理経費は約1,251億円
  収集運搬 約666億円(53.25%)
  処理処分 約585億円(46.75%)
  ごみ処理原価は58,461 円/トン
  (収集運搬:37,810円/トン、処理処分:20,651円/トン



☆23区 廃棄物処理原価の推移(収集運搬、処理処分)


平成30年度はやや下がった、、、



☆廃棄物処理経費の推移(収集運搬、処理処分



☆23区ごみ処理量とごみ処理原価の推移

ごみは減少すれども処理経費は高くつく、、、




東京二十三区清掃一部事務組合
事業概要(令和2年版)

(抜粋)

第2章 廃棄物処理原価〈総務部企画室〉
1 廃棄物処理原価

 廃棄物処理原価は、廃棄物処理に要する経費から単位当たりの処理経費( ごみ、し尿について1 トン当たり) を算定するものである。
 廃棄物処理に要する経費は、大きく「ごみ」と「し尿」に分類され、更に、処理過程に応じて「収集運搬部門」と「処理処分部門」とに細分化している。
 2 3 区における清掃事業は、収集運搬を各区が、可燃ごみ、不燃ごみ等の中間処理及びし尿の下水道投入を清掃一組が実施し、最終処分は東京都が設置・管理する最終処分場を使用して行われていることから、処理経費も各実施主体がそれぞれ算定している。
 なお、この廃棄物処理原価は、ごみの処理手数料を決定する際の基礎資料としている。

2 対象となる経費(処理処分部門)

人件費:報酬・給料・職員手当( 退職手当を除く)・共済費等職員の人件費
物件費:ごみを中間処理及び最終処分するための需用費・役務費・委託料・使用料・工事請負費( 減価償却分除く) など。
減価償却費:耐用年数により平準化すべき建物や工作物等について、取得価格から減価償却費を計上したもの。
※ 建替え等により既存施設を廃止した場合には、残存価値分を一括償却する。
償還利子:施設整備に伴う発行債の利子分
歳入:上記4 項目の合計から差し引くもの。売電や有価物売払収入、減価償却の対象に係るものではない国庫支出金など。

3 対象となる廃棄物量(処理処分部門)

 原価計算上、対象となる廃棄物量は、清掃一組施設に当初搬入されたごみ量で、施設間での移動分( 例: 粗大ごみ破砕処理施設で破砕処理後、可燃分を清掃工場で焼却処理する場合等) は除く。
 また、廃棄物量には、一般廃棄物のほか一部の産業廃棄物を含む。

4 原価計算表
平成30年度 ごみ処理原価(処理処分部門)




参考までに埋立処分の委託費は、「粗大ごみ、その他」に含まれる
東京都で管理する中防外側埋立処分場及び新海面処分場

埋立処分量 301,979トン(令和元年度( 速報)296,338 トン)

埋立処分委託決算額
埋立処分委託料 2,258,354,328円

   排水処理経費 1,594,000,000 円 (固定費)
   埋立処分委託  664,354,328 円(2,200円/トン)

とりあえず~

 


 

「事業概要(令和2年版)」に、、
令和元年度の廃棄物発電、発電量・売電収入金額の速報値が出ていたのでグラフを更新


令和元年
速報値
発電総量は1,305,308千kW h
場内消費は  522,935千kW h

売電は     782,373千kW h
売電収入金額は10,653,694千円 (約106億円)

平成27年度の売電は660,858千kWhで約117億円の売電収入だったが、、、
平成28年度の売電は689,962千kWhで約98億円ということは、、
平成28年4月1日からの電気の小売全面自由化の影響での売電価格が大きく下落したようだ~
東京エコに売れども、、ここまで売電額に影響するのだ、、(バイオマス相当分の発電量は前年と大きな差はない)

また、平成29年度は、北清掃工場で7月に発電機の故障で8ヶ月間も発電停止というトラブルがあり、発電できずに、売電どころか買電となった。その間の損失は約4億5千万円ということであったが、売電価格の変動も大きいので、グラフではそれほどの売電収入の下落もみえてこなかった、、

そして、固定価格買取制度バイオマス発電も調達期間は20年間なので、、、
(廃棄物処理施設の竣工からの20年間)


 

「事業概要(令和元年度)」流し読み~
とりあえず、、、

 


 

平成30年度の23区の廃棄物処理経費は約1,251億円
  収集運搬 約666億円(53.25%)
  処理処分 約585億円(46.75%)
  ごみ処理原価は58,461 円/トン
  (収集運搬:37,810円/トン、処理処分:20,651円/トン


23区清掃工場の搬入手数料
平成25年10月に改定されて、14.5円/Kgから15.5円/Kgになったものの、処理原価との乖離はもう埋まらないのか、もう少しは値上げして、資源化可能な紙類などは、資源化ルートに持ち込めば、焼却よりも安くなる仕組みが必要。そういうインセンティブを 働かせて、事業系ごみの削減をしてほしいものだが~ 処理原価も、、ごみが減少すれば単価も下がるならいいが、基本的な設備にかかるお金はあまり変わらな いので、逆に単価は上がる傾向にあるから,,単純に原価との乖離だけをみていても始まらないかも、、、、

徐々に、乖離は埋まってきたとはいえ、まだまだ~

事業系一般廃棄物処理手数料
区収集の事業系ごみ(有料シール)(平成29年10月改定、)

改定料金 40.0円/kg ←処理原価は59.1円/Kg 

清掃工場に直接持ち込む「持込ごみ」
改定料金 15.5円/kg ←処理原価は21.4円/Kg

処理原価の内訳(平成16年度~22年度)、
清掃一組のホームページ、事業概要で確認しようと思ったら、古い年度の事業概要はすべてリンク切れとなっていた。
ということで、グラフは中途半端、後日、調べられたらグラフを更新する予定
(区政会館までいって調べてきた,2015/03/18)


☆グラフは、23区「廃棄物処理手数料の改定」、清掃一組「事業年報」、「事業概要」などから作成

 

平成29年10月1日から、
事業系一般廃棄物処理手数料、粗大ごみ処理手数料、動物死体処理手数料も改定

関連(本ブログ) 
23区清掃一組 「管路収集」ごみの廃棄物処理手数料の改定 2017年03月06日
東京23区、事業系ごみの処理手数料上げ 4年ぶりに10月から 
2017年01月27日

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