東京23区のごみ問題を考える

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~ごみ問題のスクラップブックとして~

23区 令和3年度 清掃事業年報(リサイクル編) ~23区の資源回収量は約 551,993トン(前年度比 約10,745トン、率にして約1.9%の減少)

2022年09月01日 08時00分48秒 | 東京23区のごみ

令和3年度の23区の資源回収量は約551,993トン
23区の人口は大きく開きがある。資源回収も総量ではなく1人当たりの回収量の比較を~

 

23区の令和3年度資源回収量が清掃一組HPに掲載された~
平成26年度から、あたらに「ピックアップ回収」という項目ができた。
ごみ集積所等に出された粗大ごみ、不燃ごみから、資源物を取り出してリサイクルする事業
ピックアップ回収は、千代田を除く22区で実施中(令和3年度)、

ところが、、、
清掃事業年報(令和3年度)の更新はまだのようだ、、、、

東京二十三区清掃一部事務組合 2022年8月31日

【参考】令和3年度清掃事業年報(リサイクル編)の閲覧〈特別区清掃リサイクル主管課長会資料〉(PDF:3,695KB)

令和3年度 資源回収の状況(概要)
令和3年度における23区の資源回収量(ステーション(集積所)回収・拠点回収、ピックアップ回収、集団回収)
は、約551,993トンでした。
また、回収実績は、前年度と比較して量で約10,745トン、率にして約1.9%の減少でした。






令和3年度清掃事業年報(リサイクル編)」からグラフを作ってみた~

令和3年度は、行政回収、集団回収、ともに回収量は前年度よりも減少した~
コロナ禍の影響か23区の人口は前年度よりも減少傾向、、、
千代田、中央、文京、台東、墨田の5区は若干の増加
そのほかの18区で人口は減少、23区全体で44,845人の減少、、、

 

●行政回収実績 品目別内訳

例年、紙類が48%で一番多い


 
●ピックアップ回収実績

 

●集団回収実績 品目別内訳

集団回収は圧倒的に紙類が多く全体の93%




●23区の資源回収量推移

紙類の回収量がかなり落ち込んでいるものの、
ピックアップ回収でもごみにせずに資源に、、、
古着や古布,小型家電にetc.、




●資源回収実績(行政回収)品目別推移

行政回収の紙類、回収量の激減はなんとか上向きになったものの、、、
令和3年度紙類は前年度よりも減少





●資源回収実績(ピックアップ回収)品目別推移

粗大ごみからのピックアップ回収は横ばい、不燃ごみからのピックアップ回収も令和3年は減少、
足立区、江東区は不燃ごみ資源化事業で、全量民間委託している。



●資源回収実績(集団回収)品目別推移

集団回収の紙類は、令和3年度も減少傾向続く、、、
令和3年度も行政回収よりも回収量は少なくなった~




●23区 資源回収(品目別)実績(行政回収) 区別 





●23区 資源回収実績(ピックアップ回収) 区別 

各区ともがんばっていますね、すばらしい!!
練馬区が始めた頃は、そこまでするかと思ったものだが、、、
拠点回収を増やしても、ごみに出してしまう区民も多いので、、
粗大ごみのその他は布団など、不燃のみのその他は電池・蛍光灯・水銀含有物・陶磁器・金属類など


注) 1 粗大ごみの「その他」は、
 港区 :木材・羽毛布団
 大田区:羽毛布団
 世田谷区:羽毛布団
 練馬区:布団
 足立区:木材、布団

2 不燃ごみの「その他」は 
 中央区:不燃ごみ受け入れ分
 港区:コード類」蛍光灯・小型家電
 新宿区:びん・缶・ペットボトル・スプレー缶・乾電池・蛍光ランプ等水銀使用製品
 文京区:水銀含有物
 台東区:陶器類・ガラス類・水銀含有物・コード類・電池・ライター・缶類・可燃物・その他不燃物
 墨田区:蛍光管等・陶磁器
 江東区:不燃物受け入れ分
 大田区:電池・蛍光管
 世田谷区:蛍光管・スプレー缶・ライター
 中野区:スプレー缶・空缶類・コード類・可燃物・蛍光灯・管球類・電池・ライター・びん・ガラス・陶器類くず・ダンボール、
 北区:プラスチック・びん・かさ。紙資源・布くず・電池・ガラス・陶磁器・ライター・蛍光灯・電球・塗料缶・体温計・血圧計
 荒川区:蛍光管・コード類・電池類・ガラス類等
 板橋区:缶類・蛍光灯等・電池・ライター・びん・ガラス・陶磁器くず・段ボール・スプレー缶等
 練馬区:蛍光管
 足立区:陶磁器類・びん・ガラス・紙類・繊維類・プラ・電池類・蛍光灯等
 葛飾区:蛍光管・スプレー缶・小型二次電池・体温計・血圧計

 
●23区 資源回収実績(集団回収) 区別

集団回収は古紙が中心





 

23区の紙類の回収状況

紙類回収量の減少について、
行政や回収業界は、「古紙持ち去り」が主な原因かのように言われ続けていたが、今では、中国の古紙など輸入規制で、古紙持ち去りのメリットもなくなったのだろうか?最近は持ち去りはあまり言われなくなった~

紙類の生産と消費の減少や、古紙回収の多様化などあれど、それでも、国内の古紙の回収量は、消費量を上回っている。中国以外の国への古紙輸出も増えてきてるが、古紙価格の下落などで、古紙回収事業者は採算割れ、集団回収が停止する地域も、古紙回収業界も「集団回収事業非常事態」も、、、

集めた古紙が、製紙会社で使われずにだぶついては困る、、
集団回収の停滞で、古紙がみすみす可燃ごみになるのも困る、、、、
ということで、なんとか、古紙が焼却されずに再生資源として活かされることを願うのだが、、



●紙類回収実績の推移

回収量の激減は、なんとか持ち直していたが、、、
令和2年度、3
年度と、行政回収の回収量が集団回収を上回る、
どちらも前年度よりも減少、、


●【紙類】行政回収分類 

令和3年度、「新聞」「段ボール」「紙パック」の回収量は前年度よりも増えている。
「雑誌・雑がみ」は減少~





●【紙類】集団回収分類 

令和3年度、新聞・雑誌は減少、段ボールは若干増加、




●区別 【紙類】 行政回収・集団回収実績

☆中野、荒川、目黒は行政回収を止めて集団回収に一元化。
世田谷区の紙類回収は、行政回収が8割を超えている、、
多くの区では、集団回収に力を入れているが、その割合も集団回収の回収量減少で、、、、、、





●行政回収実績推移

令和3年度、前年度よりも回収量の増えた区もあるが、、、多くのくでは減少、、





●集団回収実績推移


令和3年度、千代田、渋谷、北は前年度よりも増加、そのほかの区はすべて減少




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☆23区 プラスチックなどの回収状況

全ての区で古紙、缶、びん、ペットボトルの回収は行っている。

プラスチックに関しては、容器包装プラスチックの回収を行っていない区も、食品トレイや一部のプラスチック類の回収はしているが、、、


● 行政によるペットボトル回収

赤枠のある区は指定法人ルート、
しかし、各区の回収量と、容リ協会上期、下期の申込とかなりの差がある区は、独自ルートでも売却しているのだろう。葛飾区は葛飾区・全国清涼飲料連合会『ボトルtoボトル取り組み』 2021年度から、、




● 集団回収によるその他回収

荒川区は、基本的に、資源は集団回収なので、ペットボトルも集団回収で集める。
たぶん、集団回収分ペットボトルも、指定法人ルート。荒川区の集団回収はかなり特殊なので、民民というより、かなりの行政関与型。集団回収にかなりの報奨金を出しても、行政回収よりもコストはかからないのだろう?


●23区プラスチック製容器包装(ペットボトルを除く)
令和3年度、豊島と板橋も指定法人ルートと契約、、、






参考

令和4年度 容リ法指定法人ルートのプラスチック製容器包装落札結果、23区の再商品化事業者は~ 2022年04月08日

●23区 容器包装プラスチックの分別収集実施区の実績量の経年推移

23区、プラスチックの分別回収実施区の回収量、現状維持または減少傾向が続いたが、、
なんと、令和3年度以降、新宿、江東、品川、目黒、杉並、練馬、葛飾、江戸川で大きく増加の契約、、、
製品プラスチックの一括回収もありなのか? 


プラスチック製容器包装は、平成18年度から実施の杉並、中野に続き、着実に実施区は増えたものの、もうこれ以上の実施はないかもしれないと思いつつ、ところが、令和2年度の板橋に続いて、令和3年度は豊島も契約、続いて、令和4年度からは大田区、渋谷区、北区、荒川区も契約開始、、、なにはともあれ、とりあえずは、、

●容リ協会との容器包装プラスチックの契約量と実績量


23区、指定法人ルートで容器包装プラスチックを資源化しているのは、
少量の契約は文京区、豊島区、板橋区はプラスチック製ボトル容器は回収しているようだ~

 千代田区、2008年度~
 中央区、2010年度~
 港区  、2008年度~
 新宿区、2008年度~
 文京区、2011年度~(少量契約)ボトル容器 拠点回収
 台東区、契約なし
 墨田区、契約なし
 江東区、2009年度~
 品川区、2008年度~
 目黒区、2008年度~
 大田区、2012年度~2015年度、2022年度~(少量契約)
 世田谷区、契約なし
 渋谷区、2022年度~
 中野区、2006年度~
 杉並区、2006年度~
 豊島区、2021年度~(少量契約)ボトルタイプ 週に1回実施
 北区 、2022年度~
 荒川区、2022年度~(少量契約)
 板橋区、2020年度~(少量契約)ボトル容器 拠点回収
 練馬区、2008年度~
 足立区、契約なし
 葛飾区、2007年度~
 江戸川区、2007度年~

なんと、令和4年度時点の契約なしは台東区、墨田区、世田谷区、足立区のみになった~

 




●23区 蛍光管、乾電池、布類、廃食油、使用済小型家電の回収(行政回収)  
※紙類、びん、缶、ペットボトル、容器包装プラスチック類を除く品目

2020年以降は廃蛍光管等は埋立処理はできなくなる、、

気になるのは23区は「有害ごみ」の区分がないので、水銀含む廃棄物も区によってさまざまである。拠点回収やピックアップ回収は増えたけど、今も、「不燃ごみ」の扱いの区はある。しかし、東京都は、平成32年までのできるだけ早い時期に、廃蛍光管等の埋立を終了する」とした。各区とも、廃蛍光管等の分別回収が必要になるのだが、、令和2年度時点では、ステーション回収、拠点回収、ピックアップ回収で、蛍光管の回収実績のない江戸川区はどうなっているのか?

また、23区清掃一組では、不燃ごみの可燃分は清掃工場で焼却しているので、、、水銀廃棄物が不燃ごみに入ると相応のリスクもある、、、

国内で製造される乾電池も、水銀ゼロとはなっていても、廃棄される乾電池はまだまだ水銀を相当含んでいる製品もある。(参考:中防不燃・粗大ごみ処理施設整備事業計画(素案) 不燃ごみ中の総水銀・含有重金属など

●23区 蛍光管・乾電池 回収状況(令和3年度)

 

●23区行政回収(製品プラスチック、スプレー缶、電池、蛍光管、陶磁器など)

陶磁器の回収も、墨田区や中野区でニュースになっていたので、増えるかと思ったが、ステーションも拠点でも回収はなし。しかし、不燃ごみからの陶磁器のピックアップ回収は台東区、墨田区、中野区、足立区、北区、板橋区、足立区と前年度よりも増えた~

●23区 布類、古着回収の状況 

古着回収も定着してきた、
江東区は、区民まつりでの回収、区内施設での定期的に巡回回収を実施している。

 

とりあえず~


関連(本ブログ) ごみ量等は↓↓
23区清掃一組 「清掃事業年報(令和2年度)」 -23区のごみ量は約256万トン前年度より約21万トンの減少2021年08月24日

 


 

参考までに、、、

江東区民なので、、、
江東区のごみ量とリサイクル量で年度推移をみてみると、、、

●江東区のごみ量推移(区収集ごみ)

区収ごみ、1人当たりのごみ量は令和3年度は23区のなかでは中野、杉並に次いで少なく474g/人/日となった~

 

●江東区 リサイクル量推移

資源回収は、容器包装プラスチックはじめ、各種品目の行政回収を推進しているが、、、
やはり、紙類の回収量減少で全体の回収量、1人あたりの回収量に大きな変動も、、、
集団回収のほとんどは古紙回収である


●江東区 リサイクル実績(行政回収)種類別推移

 

●江東区 電池・蛍光管回収実績推移

なにが言いたいかというと、、、
水銀含む廃棄物の回収、拠点回収や店頭回収だけでは回収量はあまり期待できない、、、
やはり、、可能な限り、集積所、ステーション回収が望ましい、、
とはいえ、蛍光管などは日常的にでてくるものではないので、この先はどうなるか?
平成30年度以降、ずいぶん減少傾向が続く、、

 

とりあえず~
 
 
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