北海道電力は小型のごみ処理プラントの開発を進めるJOYCLE(ジョイクル、名古屋市)に出資した。出資額は約1000万円。北海道では人口減でごみ処理施設の維持が困難になる地域が出てくるとみられる。ジョイクルと共同で、プラントの道内での導入拡大などに努めていく。(参考「北海道電力、ごみ処理プラントの新興JOYCLEに出資」)
ごみを焼却せず、熱分解によってセラミック灰等の資源に精製できるプラントとは?
- 燃焼とは、物質が酸素と化合して熱と光を発する反応です。炭素と酸素が結びつく酸化反応で、燃焼の際に発生した熱で燃え続けます。
- 熱分解とは、有機化合物などを酸素が存在しない状態で加熱することで、物質の分子結合を熱で破壊してバラバラにする反応です。熱によって分子のエネルギーが大きくなるため、より安定な分子になろうとして原子同士の結合を切ろうします。
株式会社JOYCLE
ごみを「運ばず、燃やさず、資源化」する分散型インフラ構築に向けて、自治体や離島などでPoCを推進。2025年内の事業化を急ぐ。
プレスリリース 2024年度
2024年9月12日
当社は、2024年8月30日に株式会社JOYCLE(代表取締役社長CEO:小柳 裕太郎、本社:愛知県名古屋市、以下「ジョイクル」)に出資しましたので、お知らせします。
ジョイクルは、ごみ処理問題のサステナブルな解決のため、遠方からごみを運んで燃やすという大型の焼却炉を利用した既存の処理方法以外の選択肢として、「運ばず、燃やさず、資源化する」小型アップサイクルプラント※を軸とした分散型インフラの構築を推進するスタートアップ企業です。
具体的には、IoTセンサーによりごみ処理費用の削減効果や環境貢献度を可視化できるサービスを提供する他、ごみを焼却せず、熱分解によってセラミック灰等の資源に精製できるプラントに同サービスを実装したごみ処理プラントの開発に取り組んでいます。
北海道は、他都府県に先行する人口減少の進展により、近い将来、ごみ処理施設の維持が困難となる地域が増えることに加え、ごみの輸送距離の増加に伴う費用やCO2発生量の増加という社会問題の顕在化が想定されます。
このほかにも、インバウンド需要の堅調な伸びにより、特に都市や観光地にある商業・宿泊施設等からのごみの発生量が増加することも想定されます。
当社は、ジョイクルをパートナーとして、近い将来に北海道において顕在化するであろうごみ処理問題を解消しつつ、CO2削減・資源循環にも貢献する事業に共同して取り組んでいくにあたり、その第一歩として同社に出資したものです。
本出資を通じて、当社はジョイクルとの関係性を強固なものとし、同社とともに北海道における地域課題の解決に貢献してまいります。
※アップサイクルとは、本来は捨てられるはずの製品に新たな価値を与えて再生することで、「創造的再利用」とも呼ばれる。ジョイクルは、これら「ごみを資源やエネルギーに再利用できる装置」を「アップサイクルプラント」と定義し、産業廃棄物を排出する事業者向けに普及を図っている。
会社名 |
株式会社JOYCLE |
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代表取締役社長CEO | 小柳 裕太郎 | |
本社所在地 | 愛知県名古屋市中村区平池町4-60-12 グローバルゲート | |
事業内容 | 小型アップサイクルプラントに特化したコンサルティング・データプラットフォームサービスの提供 |
<ジョイクルが描くアップサイクルモデル>