産経ニュース 平成30年10月11日 01:26
【ロサンゼルス=住井亨介】南米ペルーの検察当局は10日、2011年の大統領選での不正な資金提供疑惑をめぐり、組織的マネーロンダリング(資金洗浄)の容疑で、フジモリ元大統領(80)の長女で、最大野党「フエルサ・ポプラル」の党首、ケイコ氏(43)の身柄を拘束した。地元メディアが伝えた。逃亡の恐れがあるとして、裁判所が10日間の「予備的拘束」を命じた。ケイコ氏はツイッターに「これは政治的迫害だ」とする手書きのメモを掲載、容疑を否認している。
現地の報道によると、拘束容疑は、ケイコ氏が立候補した11年の大統領選で、同氏が率いたフエルサ・ポプラルの前身政党などが計120万ドル(約1億3500万円)の不正献金をブラジルの建設大手オデブレヒト社から受け取り、党内で資金洗浄したことだとされる。
ケイコ氏は10日朝、事情聴取のために検察庁に出頭したところを拘束された。裁判所は他の19人に対しても身柄の拘束を認め、フジモリ政権時代の閣僚も拘束された。
中南米を中心に広がるオデブレヒト社による汚職疑惑では、多額の資金受領が明らかになったクチンスキ前大統領が辞任。ケイコ氏は昨年末、検察の任意の事情聴取に応じていた。
ケイコ氏は11年と16年の大統領選に立候補したが、決選投票でそれぞれウマラ元大統領とクチンスキ氏に僅差で敗れた。21年の大統領選挙に向けて準備を進めてきたが、逮捕されることになれば影響が予想される。
一方、最高裁によって恩赦取り消しが決定されたフジモリ氏は首都ペルー市内の病院に入院中で、ケイコ氏の拘束を聞いてショックを受けているという。