おにかさごとその仲間たち

ヴィニ・ラコントでお出ししているお料理やワインのご紹介&スタッフのひとりごと

第11回ワイン会のご報告(2)

2014-02-27 19:58:36 | ワイン会
“肉祭り”のご報告、第2弾です。
お出ししたワインをご紹介します。
選んだ理由も、合わせたお料理とともに書き記しました。
ワインとお料理との組み合わせを楽しんでいただけたならば嬉しく思います。

これまでのワイン会では、テーマとしてイタリアの州を取り上げることが多く、その地方の料理とワインをご用意してきました。
ですが、今回はまず料理ありき。
星の数ほどあるワインの中から料理に合うものを選ぶのは私(yukako)の力量ではまだ難しいため、勝手に縛りを設けました。
私が得意としているイタリアワインに限定して選ぶことに。
それでも悩みましたが、制限があるのとないのとでは桁違い。
結果的に今回のワイン会、料理は肉尽くし、ワインはイタリア尽くしという、シェフとソムリエの好みが反映したものとなりました。

①ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ Vernaccia di San Gimignano 2011


ブドウ品種:ヴェルナッチャ100%
産地:トスカーナ
造り手:テルッツィー&ピュトー
Alc:12,5%

× 奥美濃古地鶏のインボルティーニ
鶏の胸肉・ハツ・砂肝などをミンチ状にしてモモ肉で巻いたもの。
冷製としてご用意。
鶏の旨味が詰まっていますが、さっぱりといただける一品。
フレッシュでフルーティーなワインよりも、少しひねりのあるもののほうが合うように感じられました。
スプマンテにしようかと迷いましたが、断然に白ワインのほうがぴったりきます。
ミンチの中に入っているタラゴンの風味との相性がたいへんよく、このワインを選びました。


②ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ Lacrima di Morro d'Alba 2012


ブドウ品種:ラクリマ・ディ・モッロ・ダルバ100%
産地:マルケ
造り手:ヴェレノージ
Alc:13%

× 鴨のテリーヌ
鴨胸肉の塊がごろごろと入ったテリーヌ。
噛み応えがあって鉄分を感じる鴨肉。
ポルト酒で漬け込んだプラムが入っていて、やわらかな甘みが鴨を引き立てます。
最初に試食したときに、タンニンの強くなく果実味の豊かなワインがイメージに浮かびました。
アドリア海に面したマルケ州のアンコーナという街の付近でしか栽培されないというラクリマは、まるでバラの花のような芳香が特徴。
味わいは濃厚で甘やか。
個性的なラクリマ、皆さんの反応も上々でした。

③オルヴィエート・クラッシコ テッレ・ヴィナーテ Orvieto Classico Terre Vineate 2012


ブドウ品種:プロカニコ50%,グレケット30%,ヴェルデッロ20%, ドゥルペッジョ, マルヴァジア
産地:ウンブリア
造り手:パラッツォーネ
Alc:13%

×黒部名水豚のアリスタ
ロースの部分の塊肉にハーブやニンニクを差し込んで丸焼きにする、トスカーナ地方の郷土料理。
焼きたての温かいものだったり、厚みを持たせてカットしたり、ソースを添えたりそて提供することもありますが、今回は常温のものを薄めにカットしてご用意。
最初ロゼが合うのではないかと考え、いくつかの種類を試してみましたがどれもいまいち。
トスカーナ料理ということでヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノとの相性も悪くなかったのですが、5種のブドウをブレンドしフルーティーかつ複雑性のあるテッレ・ヴィナーテがしっくりきました。


④ヴァルテッリーナ・スペリオーレ サッセッラ Valtellina Superiore Sassella 2009


ブドウ品種:キアヴェンナスカ(ネッビオーロ)100%
産地:ロンバルディア
造り手:マメーテ・プレヴォスティーニ
Alc:13,5%

× 富山県産猪のリエット
生の猪が手に入りました。
腿、腕、バラ肉などの部位をゆっくりと低温の油でコンフィにしてからペースト状に練り上げました。
口に含んだときは食べやすいように感じますが、やはり猪。
あとから豚でもなく牛でもなく、猪らしい独特の風味が残ります。
ミラノの北に位置するヴァルテッリーナ渓谷で栽培されているキアヴェンナスカ(ネッビオーロ)を使ったワイン、サッセッラを合わせてみました。
同じネッビオーロから造られるバローロやバルバレスコとくらべると、渋みはやさしめで綺麗な酸があります。
イタリアの山奥で造られたヴァルテッリーナと、富山の山奥で獲られた猪を合わせてみました。

⑤デナッツァーノ・パエストゥム・ロザート Denazzano Paestume Rosato 2011


ブドウ品種:アリアニコ100%
産地:カンパーニャ
造り手:ルイージ・マッフィーニ
Alc:12,5%

× ホロホロ鳥のラグーソースのカヴァテッリ
こちらのお料理もワイン選びに悩みました。
厚みのあるしっかりした白ワインがよいのでは?と試してみましたが、ピンとくるものがありません。
赤ワインではワインか勝ってしまいます。
そこでロゼ。
ロゼの中でも海風が吹く場所で造られていてミネラル感が豊富なパエストゥム・ロザートがホロホロ鳥の旨味といいハーモニーでした。
色合いもしっかりしていて、アリアニコのタンニンが少し残るロゼは、焼いた甲殻類や鶏との相性がよさそうです。


⑥イル・ファルコーネ カステル・デル・モンテ・リゼルヴァ Il Falcone Castel del Monte Riserva 2007


ブドウ品種:ネーロ・ディ・トロイア70%、モンテプルチアーノ30%
産地:プーリア
造り手:リヴェラ
Alc:13,5%

× 仔羊のオーブン焼き
骨付き仔羊を想像された方も多かったかもしれませんが、今回はモモ肉でした。
何種類かのスパイスを混ぜたキャトル・エピスを表面に刷り込んで焼き上げています。
スパイスの甘く芳ばしい香りが食欲をそそる仕上がり。
このスパイスがポイントで、南イタリアの濃厚な赤ワインが合うように考えました。
何本かある中から選んだものが、イル・ファルコーネ。
プーリアの土着品種ネーロ・ディ・トロイアと、イタリアで多く栽培されているモンテプルチアーノをブレンドしたこちらのワインは、豊かな果実味にスパイシーさが加わり、たいへんバランスがよく仕上がっています。


⑦マルケーゼ・アンティノリ キャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ Marchese Antinori Chianti Classico Riserva 1997


ブドウ品種:サンジョヴェーゼ90%、カベルネ・ソーヴィニヨン10%
産地:トスカーナ
造り手:アンティノリ
Alc:13,5%

× 氷見牛のローストビーフ
富山県を代表する牛肉、氷見牛のシンタマ(内腿肉の下側にある赤身の部位)をローストしました。
ワインはなんと1997年のキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァ。
ヴィニ・ラコントがオープンした年の記念すべきワイン。
何かのイベントの際に飲んでいただこうとストックしていたものをこの機会に開けました。
17年の熟成を経て、果実味や渋味や苦味や樽の風味や様々な要素が織り交ざった素晴らしさ。
余韻も長く、ずっと飲んでいたくなるような味わいでした。