プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 平山優「武田信虎 覆される「悪逆無道」説」

2023年08月03日 | ◇読んだ本の感想。
違うんだ、平山優!……とまではいわんでいいかな。今回は。

いや、今回も羅列は激しいよ。前回ほどではないにせよ。
最初はまあまあ読めるな、と読み進んでいったところ、
途中から羅列の海にいつの間にか落ち込んでいて、「来たか、奴が……」と思った。
毎回こんなならもう読まない。

しかし今回はかろうじて、前半部の羅列の合間に説明もあったし、まあ何とか。
といっても羅列をこの半分くらいにしてくれればいいんだが。

出来ないわけではないと思うんだけどね。
前回もそうだが、第3部からはちゃんと解説出来てるんだよね。
なんで最初からこう書かないのか疑問。
一般教養書に求められるのは、この程度の「読み物」だと思うんだが。

ただサブタイトルの「覆される悪逆無道説」についてこの本で得たところは、
「信虎時代に数多くの戦闘が行われていたことは事実だが、
それに加えて飢饉や災害などが重なったことで(苛斂誅求の主君のイメージがついた)」
ということくらいで、テーマに沿った内容が書かれているとは思わない。
武田信虎が悪逆無道であると言われていた事例も先に欲しいところだし、
覆されたというほどこの点について正面から論じてもいない。

でも信虎は駿河へ追放されてから、なかなか面白い動きをしていたようだね。
……どんな動きだったかは読んでから一週間ほど経つのでもう忘れているが、
けっこう政治的な動きも。
他国へ追放された父親が別個の意志をもって動くという状況も面白いね。
もうこの本は後半だけでいいんじゃないか。

平山優は2冊読んで羅列の多さに怖れをなしたので、
……でももう1冊読んでみる。
「戦国の忍」。これはさすがに解説するだろう。
これが羅列だったらもう読まなくていいわ。
まあわざわざ3冊目を読もうとするわたしもかなり物好きではある。
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