プラムフィールズ27番地。

本・映画・美術・仙台89ers・フィギュアスケートについての四方山話。

◇ 三浦しをん「舟を編む」

2019年08月06日 | ◇読んだ本の感想。
ずっと前、知人から「風が強く吹いている」は面白いよ、と聞いた。
また別の知人から「舟を編む」は面白いよ、と聞いた。
どちらも本も読む人だったので、それは面白いのかもしれない。と期待していた。

おすすめされてから10年近く経って、ようやく三浦しをんを読む順番が回って来ました。
(アホかな……)
だがそのちょっと前に「風が強く吹いている」のアニメを見始めて、アニメを大層気に入った。
それがまだ全部見終わってなかった。なので本はアニメを最後まで見てからにしようと思い、
初三浦しをんとして、まず「まほろ駅前」を借りたんですよね。

これがあまり好きではなかった。ハードボイルド的?湿っぽいというか。暗い。
だいぶがっかりした。
で、「舟を編む」は映画があまり好きじゃなかったんだよなあ……。
これも外れるのかなあ……。

そしたら、喜んでください!!これは面白かったです!


映画の辛気臭さを想像していたんだけどね。違った。
映画はさー。監督が原作を読み間違ってるんじゃないかねえ。
わたしは、この小説の根底にはユーモア感覚があると思うのよね。
ほのぼのとしたユーモアと辞書編纂にかける情熱、それが背骨だと思う。
だが映画ではユーモアというより変に辛気臭い。テンポが悪いのが目につく作りだった。

テンポの悪い人の話をテンポよく作れば良かったのに。
あとキャストはちょっと違うなー。わたしはつい昨日バラエティで柄本佑を見たもんだから、
柄本佑がぴったりに見えた。彼、いい顔になってきましたねえ。イケメンにさえ見えた。
柄本佑が馬締くんで良かったんじゃない?

そしたら香具矢さんは多部未華子を推したい。絶世の美女まで言われちゃうとツラいが、
多部未華子はけっこう可愛いんです。美人じゃないかもしれないけど!

その場合、西岡くんはどうしようか。名前とチャラ男という設定に引きずられて、
当時ロッテ(その後メジャー、阪神、現時点で独立リーグ)の西岡剛しか思い浮かばない。
西岡剛に演技が出来さえすれば、あのイメージそのままだがなー。


いや。小説の話でした。


映画の辛気臭さはかけらもなく、地味な話をユーモラスに綴った普通の小説でした。
いいね。普通の小説はね。ここんところ普通じゃない小説がありすぎる。
いや、わたしが普通じゃない小説を読んでしまうだけか。

普通に、地味だけど頑張っている人が報われる話なので気持ちがいい。
松本先生に完成した本を触らせてあげたかったなあ……。
西岡くんがいいよね。後半ももう少し出番が欲しかった。
紙屋の若者と、その上司たちがうち揃って紙の検分をするところ、良かった。
あの流れだったら馬締くんが確認しなければ話として盛り上がらない気がするけど、
岸辺が紙屋の若者と上手く行ったからいいや。

次は「風が強く吹いている」を読むぞー。
これも普通の、気持ちいい小説であることを期待する。



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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (神崎和幸)
2019-08-19 23:21:35
はい、静かに終わったと思いますよ。

馬締くんが燃え尽き症候群にならなければいいのですが。
返信する
Unknown (umeko)
2019-08-17 23:22:26
ご訪問ありがとうございます。
最後はわりと静かに終わりましたね。あの辞書が完成したら、馬締くんは燃え尽き症候群にならないだろうか……
返信する
Unknown (神崎和幸)
2019-08-13 19:10:18
こんばんは。

自分も「舟を編む」読みましたよ。
面白いですよね。
特に終盤は胸を打たれました。
そのうえ言葉は人と人を繋ぐためにあるんだと思いましたよ!
返信する

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