お母さんと読む英語の絵本

読み聞かせにぴったりな英語絵本から、米国の子どもたちの世界をご紹介
子どもをバイリンガルに…とお考えのお母さんに

ハイテク+オバケ=ミステリー

2009-10-14 | from Silicon Valley


アメリカには"オバケ屋敷”と信じられている建物が結構あります。"オバケ屋敷”というのは、その家の中で、現代科学では説明し難い不思議な現象がおこったり、時には不気味な超常現象が起こったりする建物です。原因のわからない物音がしたり、誰も動かさないのに家具などが位置を変えたり、いるはずのない人影が見えたり。

こういう現象が起こるのは、そこに幽霊が住んでいるからだと信じられています。姿を見せる幽霊は以前にその家に住んでいたり、その家と深いゆかりがあった人。あるいはその家で亡くなった人たち。たいていは殺人や事故などの悲劇的な死にまつわる謂われがあり、予期せぬ突然の死に納得できない霊魂がさまよっているのだと考えられています。自分自身の不慮の死に対する怒りや恨みが激しいと、霊魂はすさまじいエネルギーを発し、それが激しい超常現象になって現れるのだと言われています。

シリコンバレーで名高い"オバケ屋敷"はウィンチェスター・ミステリーハウス(Winchester Mystery House)です。

観光名所として公開されているこのお屋敷は、持ち主のサラ・ウィンチェスター(Sarah Winchester)によって38年間ずっと増築され続けた家です。 夫が亡くなってから、サラの存命中ずっと(1884年から1922年9月5日まで)、ひと時も休まずに増改築を続けました。彼女がこれに費やした費用は当時の金額で$5.5M、現在の貨幣価値でおよそ$70M。

サラをこの増改築に駆り立てたのは、夫の製造したライフルで殺された人たちの”幽霊”。サラの夫は銃の製造業者、あの”ウィンチェスター銃”を作り出したビジネスファミリーの後継者。サラよりも先に結核で亡くなっています。

西部劇の場面ひとつ思い出すだけでも、連射型のライフルがいかに大勢の命を奪ったかは想像に難くありません。サラは、さ迷う霊をなだめるためには休みなく屋敷を拡張し続けるしかないとかたく信じていたと言われています。霊たちを彼女の家で休ませるためだったのでしょうか?

さて建築計画もなにもなく、追い立てられるように次から次へと増改築だけを重ねたお屋敷は、一歩なかに入ると、陽光きらめくカリフォルニアとは思えないほどに暗く、廊下はせまく、時に行き止まり、天井も低く、部屋も小さくて‥‥。ガイドさんの後をついて歩きまわるだけでサラ未亡人のおびえた息使いが聞こえるようです。

サラは非常に華奢で小柄な女性だったようで(ベッドなど、私にも小さいのではないかと思われるほどです)、こんな華奢な女性がたったひとりでこんなに広大なお屋敷に住んで、日夜ひとりぼっちで亡霊たちに脅かされていたのか‥‥と思うと、胸が痛みます。

ハロウィンの話題に、一度お訪ねになってはいかがですか?




コメント
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