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オレたちの放課後

2011-05-03 10:00:11 | オレたちの放課後
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 思えば思う程、京子は美しい。その京子がぼくのような男を仮にも愛してくれたと言うことはぼくには考えられない程、幸福すぎる事であり不思議な気がする。
 来週にはまた会えると思うと、嬉しくて仕方がない勢いだった。家に帰ってもぼくは元気で、母も一目見て、何かいいことがあるのだろうくらいには思ったに違いない。
 しかし万事は都合よくゆくものではない。ぼくは風邪をひいてしまったのだ。熱が出て翌日から学校を休まねばならなくなった。
 学校を休んで3日めの午後、ふっと武雄が訪れた。
「見舞いに来た」
「ああ。ありがとう」
康博の部屋で、二人きりの会話が始まった。
「京子とは、そのやったのか?」
「ああ。一応な」
会話が途切れる。
気まずくなって、宿題はどうなってるかと話題を変えた。
「いろいろ出てるよ。プリントが3つくらいあるぜ。持って来た」
「そうか」
母が、買い物に出て来ると言いに部屋へ来たので、
「ぼくはこれでおいとまします」
と武雄は言って部屋を出ようとした。
一瞬振り返りつつ、
「明日はオレの番だから・・・」
そうつぶやいて、武雄は戸を締めて出て行った。
***************
 二人の少年と少女との男女の性は、あくまでも澄みわたっていた。
 性や人間の肉欲について彼等は恥ずかしさも賤しさも罪の意識は感じなかった。
「なぜですか」
「あなたと遊ぶためよ」
「出て行くなら」彼女はにっこりと、笑った。「この鍵をとってごらんなさいな」
 そう言って服から少しのぞいている自分の胸の谷間を指さした。アパートの鍵を乳房と乳房の間にすべりこましていたのである。そして彼女は眼を光らせてたち上がった。
 少年は衝動を一時に燃え上がらせて飛びかかった。二人は布団の上にからみ合いながら倒れた。
 朝が近づいた時、隣にねている彼女に聖なるものを見た。強烈な至福感がこみ上げた。彼の手は少女の白い首を思わず、締めつけた。
 

オレたちの放課後

2010-05-30 00:10:42 | オレたちの放課後
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 校舎の3階に美術室がある。
 石井先生は去年までアブダビの日本人学校の教師をしていた。そのためか肌は浅黒く、身長が高い上にガタイも良いので、美術の先生というよりは格闘家に見える。ただ、左肩下がりで左右に揺れながら歩く姿はユーモラスだ。
 今日の美術の授業は塑像だった。
 「デスビオは、若い女性をモデルにして数多くの頭像を残しています。」
 「印象を大切にして、量感をとらえて表現するように。」
 作品製作は、出席番号順に男女ペアになって、お互いの顔を見ながらすることになった。
 「エー。」
 生徒からはブーイングが起こる。
 「先生、相手が不細工だったら、作品も不細工になって点数が変ったら不公平じゃないですか?」
 直子ははっきりものを言う。
 「先生はそんな評点はしないぞ。要は表現力だ。美しいものはより美しく、そうでないものはそれなりに、生きた人間の顔が表現できれば、それで満点だ。」
 土台の木組みはすでに教材として渡されたので、これに紙粘土を盛ったり、ちぎったりして、相手の顔をつくりあげていく。
 康博のペアは厚子だった。厚子はお世辞にも美しいとはいえない。康博は京子さんの顔を思い浮かべながら顔を形作っていった。
 京子の顔の輪郭は、丸すぎもせず、細長すぎもせず整っている。鼻梁はまっすぐ通っていて、小鼻は小さい。眼は大きい方だろう。口は小さいが、唇は肉感的な感じがする。髪はボブカットというのだろうか、長くはない。
 「厚子、美人になったな。」
 そう石井先生が、引きしまった肉づけによって、静かな情感をとらえた康博の作品と厚子を見比べて言うと、教室の皆がどっと湧いた。
 康博の方が真っ赤になって、「ぼくのイメージではこうなんです。」と言った。
 あらかた出来上がったので、水をつけて肌理を整えていく。後は来週まで乾燥させて、固くなったものに着色して完成である。
 美術室には、他の教室の音は届かず静かである。窓からは海の緑の山の緑が見える。山の中腹にツツジが咲いているのが見えた。
 昼休みのチャイムが鳴ったので、速攻で教室に戻り弁当を平らげた。
 午後の授業は眠くてよく覚えていない。
 康博は、なんとなく先週の京子さんとの夢を見ていた気がした。
 今日はまだ水曜日。A組の武雄にはまだ先週のことは伝えていない。部活で武雄とは会うが、
 「先輩らがいる前では京子さんの話はできまい。部活が終わったらすぐに帰っちまえ。」
 康博はそう考えた。
 

オレたちの放課後

2010-05-03 16:15:40 | オレたちの放課後
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 康博は金曜日学校から帰るとすぐ向かうところがある。
 家の近くのアパートだ。歩いても5分もかからない。康博は己が心が高鳴っているのを承知していたので、顔の表情を平静に保つのに注意を払った。やはり人にきづかれるのはまずいし、いやなので通りを歩くときもなるべくうつむくようにした。角のところで人とぶつかりそうになったが、謝りもせずそのまま過ぎた。相手はなにかブツブツと言っていたが気には留めなかった。
 二階建てアパートの一階一番左端の戸の前まで来ると少しためらってからノックする。
「はーい」と声がし、続けて、
「入っておいでよ」と妙齢の女性の声がする。
「お邪魔しまーす」と断って戸をくぐる。
一目で見渡せる部屋の中は見事に殺風景である。部屋の中の女は小卓に肘付きして雑誌に目を落していた。
「お邪魔します」
もう一度声をかけてから、上がり口に突っ立ていると、
「いらっしゃい。いまお茶でも入れるわね。そこ座ってて」
彼女は立ちあがって、右手の流し場に近づき、瓦斯ボンベのコックをひねって火をつけ薬缶をかけた。
「はぁ」
 康博は誰にもみつからずにここに来れたのに一安心したようである。
 間抜けな返事をしてから、彼女の座っていた卓の空いたところにあぐらをかいた。
「今日は何してらしたんですか? 京子さん」
「ん~ん。べつに」
京子がティーカップを二つ手にもってきて、彼と向かいあい座についた。
 康博が今週学校での出来事をとりとめもなく話して、それを京子が面白そうに聞いて時を過ごした。

「あら。もう六時ね。」
京子がつぶやいて、康博が窓の外を覗くと薄暗がりである。晩秋の日は短い。
「それじゃ、あたし銭湯行ってくるね。君も一緒に行く?」
「いや。はい、行きます」
「石けんは貸してあげるわね。ちょっと待って、いま用意するから。」
 さっと支度をすませると二人は連れ立った。外に出ると夕風が顔にあたり少し寒い。街灯に照らされて二人の影が路上に伸びる。二人のほかには人影はなかった。
 他愛ない会話がつきる前に銭湯の前に到着した。
 大きく「湯」と染め抜かれたのれんをくぐって、康博は左の男湯、京子は右の女湯に別れた。
 銭湯の主人は女湯の方を向いていたので、康博が小銭を番台に置いてびっくりしたように、
「い、いらっしゃい」
と挨拶した。番台の向こうでは、京子もお金を払ったところだった。
 女湯を番台越しに覗こうとして、京子と目が合い苦笑する。
 康博は番台に近い脱衣棚を選び、番台の壁のないところを横目で観る。
「この位置から京子さんの姿が見えないということは、向こうからも見えないということだ。」
 京子さんには気付かれないように女湯を覗こうとしたが、時間帯が悪く若い女性がいなくてがっかりした。
 同学年の女子や高校のお姉さん方はもっと早い五時から五時半にやって来て入浴し、その後の時間はババァばかりだと先輩から聞いたことがある。ただ近頃は内湯のある家が増えて、銭湯への客足は減る一方らしい。康博の家も割と裕福な方なので自分の家にお風呂がある。
 康博はシャツを脱ぎながら、
「京子さんも脱いでるんだろうなぁ。ブラウスのボタンを外し、袖をぬいてから、腕を背に回して乳バンドの爪を外すと・・・」
 康博の下半身は己が想像で勃起した。
 湯船に浸かっている間も京子の裸が気になってしようがない。
 十分温まって、上気した顔面が血行のためか照れのためか自分でも分からなくなると、風呂から上がった。
 京子はまだのようなので、向かいの商店でラムネ水を二つ買った。
「待ったの?」と行って、京子がのれんをくぐって出てきた。湯上がりの女性は何とも言えない色気が漂う。火照り気味の赤い頬。鼻孔をくすぐる石けんのかおり。
「いま出たところです。」と応えて、ラムネ水を手渡す。
「サンキュー!」
 気温が低いので京子の体から立ちあがる蒸気が仄白く体の周りを包んでいる。
 霞を纏った天女を見ているようで、康博はうれしくなった。
 アパートに着くと康博は京子に思い切って尋ねた。
「本当にやらせてくれるんですか?」
「もちろんよ。約束だものね。」
 京子はすごく美人というほどでもないが、結構かわいくて、康博からいえば年上になる娘とエッチが出来るなら十分満足だ。
「君たちのおかげで、アパートが借りられて暮らしているんですもの。」
 小さな水玉のブラウス。やわらかく開かれたブラウスのあいだから、両の胸のふくらみがかすかに覗かれる。微笑んで胸元をおさえた。

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 見たところ高校生くらいの家出少女が街を歩いている。
 持ち出したお金も底をついて困っているところ、康博の仲間が彼女を助けた。
「よし。みんなでお金を出し合おうぜ。」
 最初は一人三万円、後は一か月に三千円ずつ出し合うことにした。康博の仲間は六人いる。18万円と月々1万8千円あれば、しばらく生活は出来る。アパートは先輩が以前住んでたところが空いているのを知っている。そこを無断拝借しよう。彼女の荷物とてバック一個である。見つかりそうになれば逃げれば良い。
 京子の本名は吉崎京子、年齢は十七才。親のお説教が頭に来て家を飛び出してきたらしい。
 こうして、一人の少女とオレたち中学生グループの秘かな不純交遊がはじまった。