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ウェネトさまの館

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「和巧絶佳 令和時代の超工芸」(パナソニック汐留美術館)など

2020年08月17日 19時46分16秒 | 展覧会・美術関連

パナソニック汐留美術館「和巧絶佳 令和時代の超工芸」を観たのでございます。
https://panasonic.co.jp/ls/museum/exhibition/20/200718/
(写真撮影可)


 

HPによると、お題の「和巧絶佳」は『現在の日本における工芸的な作品の三つの傾向―日本の伝統文化の価値を問い直す「和」の美、手わざの極致に挑む「巧」の美、工芸素材の美の可能性を探る「絶佳」―を組み合わせた言葉』とか。

1970年以降生まれの12人の作家による工芸的な作品の展示で、出品作品の約3割が新作・初公開。
大好きな作家もおりますし、楽しみだったのじゃ。

構成は以下の3章。
各作家の展示風景と作品1点くらいずつ、リスト順に載せまする。

【第1章:和 日本の伝統文化に根ざした工芸美】

★舘鼻則孝


 

人形作家の母上から「好きなものや欲しいものがあるなら自分で作りなさい」と教えられて育ったそうな。
この作家の靴は、レディー・ガガやダフネ・ギネスらも愛用しておるのじゃ。

右《Heel-less Shoes》2014 牛革、染料、金属ファスナー
左《Heel-less Shoes》2015 牛革、豚革、染料、クリスタルガラス、金属ファスナー


 

★桑田卓郎


 

ずら~り並んだ茶碗は、色もポップで形も大胆よのぅ。

《茶垸》2020 磁土、釉薬、顔料、金


 

★深堀隆介


 

大好きな作家ゆえ当ブログでも何度か取り上げておりまするが、器に樹脂を少し流して固め、表面にアクリル絵具で金魚の一部を描き、また樹脂を少し足して固まるのを待ってまた描いて・・・を繰り返すのじゃ。

例えば下の2作品、2009年と2018年では、進化もはっきり分かりまする。
2009年も素晴らしいものの、ちと平面的で描かれたものとわかりまするが、2018年のはもう生きている金魚にしか見えませぬ。

《四つの桶》2009 寿司桶、超難黄変エポキシ樹脂、アクリル絵具


 

《百舟》2018 木、柄杓、超難黄変エポキシ樹脂、アクリル絵具


 

【第2章:巧 手わざの限界のその先にある工芸美】

★池田晃将


 

アニメやサブカルチャーやコンピューターグラフィックスなどに着想を得て作品をデザインしておるそうな。
虫メガネで観られる作品もあり。

《Supernaturalism 01》2014 漆、鮑貝、金、合成樹脂/螺鈿、蒔絵


 

右《不可振賽子飾箱》2019 漆、鮑貝、夜光貝、金、木曽檜/螺鈿、蒔絵
左《電脳六面尽飾箱》2020 漆、鮑貝、夜光貝、金、木曽檜/螺鈿、蒔絵


 

★見附正康


 

九谷焼の加賀赤絵。独特で細密な幾何学的な文様が美しい。
大皿だけでなく、水注などもございました。

《無題》2019 磁土、上絵付、金彩/九谷焼、赤絵細描


 

★山本茜


 

この作家の、ガラスとガラスの間に截金を施した三次元な「截金ガラス」たいそう美しくて大好きゆえ、10点中3点載せまする。 

《源氏物語シリーズ第四十帖「御法」》2013 ガラス、金箔、プラチナ箔/截金、キャスト、融着、研磨


 

《截金硝子長方皿「流衍」》2014 ガラス、金箔、プラチナ箔/截金、キャスト、融着、スランプ、研磨


 

《渦》2020 クリスタルガラス、金箔、プラチナ箔/截金、キャスト、融着、研磨


 

★髙橋賢悟


 

この作家も好きなのじゃ。
生花を型どりしてアルミニウムを流し込むという技法、緻密さに気が遠くなりまする。

《flower funeral -cattle-》2017 アルミニウム/真空加圧鋳造法


 

【第3章:絶佳 素材が生み出す工芸美の可能性】

★新里明士


 

磁器の全面に緻密な蛍手が施され、光が透けて柔らかく発光しておるよう。

《光器》2020 磁土、釉薬


 

★坂井直樹


 

鉄の錆をも生かした作品。鉄瓶はそれぞれ異なる形の把手も楽しい。

《湯のこもるカタチ》2019 鉄、漆/鍛金


 

★安達大悟
《つながる、とぎれる、くりかえす》2020 綿/板締め絞り
安達作品はこの1点のみ。折り畳んだ布を板に挟んで染める板締め絞りで制作。


 

★橋本千毅
小さく美しい超絶技巧な作品、たいそう好みじゃ。
この作家のコーナーには来館者がおったゆえ、展示風景の写真は撮らず。
ツボな作品ばかりで、10点中4点載せまする。 

《宝相華蒔絵箱》2014 ヒノキ、漆、金、ホワイトゴールド、イエローゴールド、銀、貝/螺鈿、蒔絵


 

《螺鈿“鸚鵡”》2018 ヒノキ、漆、金、銀、貝/木芯乾漆、螺鈿、蒔絵


 

《花蝶螺鈿蒔絵箱》2018 ヒノキ、漆、金、ピンクゴールド、プラチナ、貝/螺鈿、蒔絵、彫漆


 

《“蝶”》2020 シルバー925、漆、金、貝、炭粉/螺鈿、蒔絵


 

★佐合道子


 

「いきものらしさ」をテーマに、鋳込み成形を用い、イッチンやフロッタージュ的技法を導入して制作。
具体的な“いきもの”の形ではないのに、いきものめいておりまする。

《脈打つ》2020 磁土、釉薬


 

観応えありありで楽しゅうござりました。空いておったゆえ写真もたくさん撮れたしの。
会期は9月22日まで。ご興味ある方はぜひ。

さて、先週の話になりまするが、伊勢丹新宿店アートギャラリーで2つの展示を観たのでございます。

「たんざく展」
https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku/shops/art/artgallery/shopnews_list/shopnews0129.html


 

「アートのチカラ選抜展」
https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku/shops/art/artgallery/shopnews_list/shopnews0102.html


 

「たんざく展」は、先月観た新井画廊と今回の伊勢丹新宿店、どちらも毎年楽しみな展示。
「アートのチカラ選抜展」は、「アートのチカラ」お客さま人気投票で選ばれた12人の作家による選抜展。

どちらも大好きな作家が多数参加しており、会期2日目に行ったらば、やはり素敵な作品揃いじゃった。

なのになのに、ブログ書く気満々でお気に入り作品の作品名や特徴などをメモしたというのに、メモした紙がどこを探しても見つからず、書けなくなってしもうた~(号泣)

写真撮影可の展覧会はキャプションも撮るゆえこんな事はないのじゃが、撮影不可の展覧会はメモだけが頼りじゃからのぅ・・・無念。
更に、アートギャラリーのインスタフォローで特製千社札プレゼントは、スマホ持っておらずインスタもやってないので頂けず残念じゃった。

会期は明日、8月18日まででございます。

★おまけ画像

松屋で、牛と味玉の豚角煮丼をテイクアウト。ライスはもちろん大盛じゃ。
お肉柔らかくて美味しいぞよ~。毎日食べようかのぅ。