昨日は、サントリー美術館「よみがえる正倉院宝物 再現模造にみる天平の技」を観たのでございます。
https://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2022_1/index.html
明治時代に始まった正倉院宝物の模造製作は、昭和47年からは宝物の忠実な再現に重点がおかれ、優れた作品が生み出されておるのじゃ。
本展では、これまでに製作された数百点に及ぶ再現模造作品の中から、前・後期合わせて70点(今は前期で66点)の展示。
構成は以下の通り。お気に入りや気になった作品もリスト順に。
【第1章:楽器・伎楽】
正倉院には、70余点の楽器が伝えられているそうな。
楽器は大好きゆえ、興味深くお気に入りな章じゃった。
《螺鈿槽箜篌》明治28年
螺鈿飾りの竪琴。
原宝物は大破しておるゆえ、再現模造で観られるのは嬉しい事じゃ。
美しい螺鈿、白に黒の草花文様がとても素敵で、内側に鳥や飛雲も描かれてお気に入り。
どんな音色だったのか聴いてみたいのぅ。
《螺鈿紫檀五絃琵琶》平成23~30年
インド起原の五弦の琵琶。
本展のメインビジュアル。豪華な装飾、特に裏側の夜光貝の螺鈿が大好きなのじゃ。
8年をかけて完成させたそうじゃが、材の入手から数えると15年もかかったそうな。
再現模造の木地や、装飾部材、夜光貝や玳瑁(ウミガメの甲羅)なども展示。
この琵琶の音色も流れ、再現模造制作の約5分のビデオも見られまする。
展示室外のフォトスポットに、この琵琶のパネルがあるぞよ。
《縹地大唐花文錦》平成3年
四弦の琵琶の袋に使われた裂。
琵琶袋の復元には、この生地を2メートル分使ったそうな。
《紅牙撥鏤撥》昭和58年
染め象牙の琵琶の撥。
真っ赤に染めた象牙の表面を彫って、白い線で鳥や花などの緻密な模様を出し、所々に緑色の点彩。
裏にいるのはたぶん麒麟じゃが、表にいる不思議な生き物は何じゃろか。
頭部は竜か馬めいて、下半身は鳥の生き物、ご存じの方いらっしゃったら教えて下さいまし。
《酔胡王面》平成14~15年
酔った胡王役の面。
たいそう鮮やかオレンジの肌に黒い髭も再現され、鮮やか緑の花模様の帽子。
アラジンの魔法のランプから出てきそうなお顔じゃ。
【第2章:仏具・箱と几・儀式具】
奈良時代、東大寺では壮麗な儀礼と仏前への献物が盛んに行われ、多様な素材と技法を駆使した仏具や儀式具などがつくられたのでございます。
《金銀平脱皮箱》昭和時代
仏への供物を収めた箱。
皮革を漆で塗り固めた箱に、鳳凰や花文などの金銀の文様が。
《子日目利箒 附 粉地彩絵倚几》明治時代
蚕の成長を願う儀式で用いた箒と台。
枯れた森のような箒と緑地に花文様の台、初めて知った儀式具で興味深うござります。
【第3章:染織】
5~6千年前に中国で始まったとされる養蚕は、日本では奈良時代に全国的に行われるようになったとか。
「古代染織品の代表的な織技法」のパネル解説なども分かり易く参考になりまする。
《白橡綾錦几褥》昭和61年
仏への供物をのせた机の上敷き。
淡い二色綾。椰子の木の下の獅子使いや孔雀や山羊が織られておる。
《紫地鳳唐草丸文錦》平成15年
聖武天皇の肘かけに用いられた錦。
葡萄唐草文の輪の中に踊るような鳳凰がいてツボ。
【第4章:鏡・調度・装身具】
美しい工芸品が並ぶこの章もお気に入り。
《銀平脱鏡箱》昭和8年
銀文様の鏡箱。
銀の薄板を鳥などの細かい文様の形に切ってみっしり貼り付けてから漆で塗り込め、文様上の漆を剥ぐという手の込んだ鏡箱。
《銀平脱合子》平成4年
碁石入れ。
蓋の上に木の枝をくわえて飛ぶ2羽の鸚鵡、側面には四つ葉のクローバーめいた文様が並んでおる。
《紅牙撥鏤碁子》《紺牙撥鏤碁子》平成8年
染め象牙の碁石。
赤と紺それぞれに染めた象牙の表面を削り、細い白い線で植物を咥えた鳥の文様を表しておる。
碁石も文様もちっちゃいので、固定された虫メガネで観られるのが嬉しい。
《螺鈿箱》昭和51~52・54年
紺玉帯の箱。
丸い箱の黒漆塗地に、螺鈿と伏彩色を施した水晶の嵌装で花唐文様、内側にはカラフルな文様の錦。
《紺玉帯》昭和55年
ラピスラズリ飾りの革帯。
黒い革ベルトに大きな青いラピスラズリが並び、バックルは銀。
現代のベルトと全く同じ形で、誰かのものが間違って紛れ込んだのかと思うたぞよ。
【第5章:刀・武具】
大刀や矢羽根など。
《金銀鈿荘唐大刀》明治時代
聖武天皇の儀式用太刀。
銀製の金具が、唐草文の透かし掘りに水晶や色ガラス玉を嵌め込んでいて綺麗。
【第6章:筆墨】
古文書の再現模造も並んでおるが、古文書にはあまり興味がなく・・・(失礼)
《墨》明治8年
「新羅」銘をもつ墨。
舟の形の二挺の墨、原宝物は朝鮮半島の新羅で製作されたとか。
《正倉院宝庫模型》明治8年
出品リストでは一番最後じゃが、展覧会場入って一番最初にお出迎えしてくれる模型。
ドールハウス好きなわたくし、内部まで観てみたい。
平日の日中ゆえか、貸切状態でじっくり観る事ができたぞよ。
正倉院の原宝物はめったにお目にかかれぬからの、再現された美しい模造作品を数多く観る事ができ、現代の超絶技巧も知る事ができて嬉しゅうござりました。
写真撮影可だともっと嬉しいんじゃがのぅ・・・(こらこら)
会期は3月27日まで。
2月23日から後期で、展示替えは4点だけじゃが観に行く所存。
ショップでは、五絃琵琶のフィギュアやらピアスやネックレスやら、宝物の文様の綺麗なガラス箸置きやら、螺鈿箱を模した素敵な缶の飴ちゃんやら、グッズ色々ございます。
中でも、以前フェリシモミュージアム部のオンラインショップで購入した「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶エコバッグ&ポーチ」(最初の入口の写真でわたくしが持っているのがポーチ)が今回ショップで販売されており、お勧めですぞ。
《螺鈿紫檀五絃琵琶》を模したポーチに、《縹地大唐花文錦》を模したエコバッグが入っておるのじゃ。
参考までに、購入した時に撮った写真を再度載せておくかの。
観終わって、地下1階のDEAN&DELUCAで、ホワイトチョコレートアップルタルトをば。
ご試食で付けてくださったトリュフチョコ美味じゃ♪ 100個食べたい。
そういえば昨日はバレンタインデーじゃったのぅ。今年もチョコは誰にもあげんかったがの。
この後、もうひとつ観たギャラリーの話は、また後日。
六本木では「楳図かずお大美術展」や「メトロポリタン美術館展」も観たいのじゃが、人が多そうな気がして断念。
お供のEが、まだ3回目のワクチン接種をしておらぬからのぅ。
帰宅して、知り合いからたくさん頂いていたサツマイモで、自己流でサツマイモのパウンドケーキを焼いてみたぞよ!
きび砂糖と黒砂糖と蜂蜜も入れて、甘さは完璧。
油分もたっぷりだけど、黒ゴマとシナモンと水切りヨーグルトとバナナも入れたからヘルシーなはず(ホントか?)
お芋の皮むくのが面倒で皮ごと潰して大量に入れたら、焼き上がり700gでずっしり~。
見た目は悪いが、しっとりした食感も良く、焼きたて熱々も冷蔵庫で冷やしても美味しい!
初めて作ったにしては天才じゃない?(自画自賛すぎw)
そして18:30から、結弦くんの記者会見があったのじゃ。
会見の前日までは、恐れていたあの漢字2文字の発表会見では・・・と慄いておったが、取材申込が殺到した為の会見と分かって、ちょっと安心して正座で拝聴。
聞いていて、色々な思いで胸が一杯になり、泣けてしもうた~。
結弦くん、本当に素晴らしいお方でございます。
まずは怪我を治して、これからも結弦くんのスケートを極めてくださいまし!
わたくしも全力で応援し続けまする。
2月20日のエキシビションで、また演技を見られるのは嬉しい事じゃ。
が、足の状態も酷いようじゃし、ジャンプはなるべく飛ばないで欲しいのぅ。
結弦くんの演技は、ジャンプなしでも本当に素晴らしいからの。
★おまけ話
ブルボン ミニ濃厚チョコブラウニー、美味しいぞよ♪
甘さは控え目なれど濃厚で食感も良く、食べ出したら止まらず1袋(9個)瞬殺。
このクオリティでこの価格は嬉しいのぅ。毎日1袋ずつ食べようかの。
★本の話
町田尚子の絵本『ねこは るすばん』 絵も文もとっても楽しい!
原画も観てみとうござります。
そういえば、かなり前に読んだ『ネコヅメのよる』も良かった事を思い出した~。