前回の日記の続きでございます。
新井画廊の後は、お目当てのシロタ画廊「NINE PRESSES」を観ましたのじゃ。
http://www.gaden.jp/shirota/2021/0329/0329.html
(写真撮影は許可を得ておりまする)
9名の版画家がそれぞれプレス名を設け、版元として制作発行した作品を展示。
大好きな作家、山田彩加も参加しておるからの、観逃す訳にはいかぬのじゃ。
会場はこんな感じ。
作品はもちろん、それぞれの展示方法も興味深いのぅ。
各作家の展示風景と作品の一部を、作家名50音順で。
★岩切裕子:ASHTREE PRESS
岩切作品を観るのはたぶん初めてじゃが、作品も展示空間も、その場から動けなくなるほど好みじゃったゆえ、お写真多めに載せますぞ。
展示空間は、プレス名「ASHTREE PRESS」の看板や、小物使いなども素敵。
・《Ashtree Press》木版 2020年 85×65㎜
・『リルケ詩抄』(著者:Rainer Maria Rilke 翻訳:茅野蕭々/岩波文庫)
木版画に手彩、ボード、クロス、檜材 2020年 174×135×60㎜
・『それからはスープのことばかり考えて暮らした』(著者:吉田篤弘/Georgia O'Keeffe/暮らしの手帖社/Museum of New Mexico Press Edition)
木版、土佐和紙に手彩、アルシュ紙、ボード、樹脂粘土 2020年 190×135×45㎜ 木版五葉入り 額装作品2点付き
・《musica da camera(室内楽)》木版 2020年 165×85㎜ ed.40
★柄澤齊:梓丁舎
・『「城」にて』未綴じ1部本 2020 214×134×18㎜(外箱サイズ)
モノタイプ、コラージュ、ペンによる作品2点、木口木版1点、外箱にプレスマーク
テキストは柄澤齊の「「城」にて」
・『植物譜(『植物の睡眠』Ⅰ-Ⅹによる変奏)』1996/2020 430×400×40㎜(折れ本を閉じた時のサイズ) 木版凹版10点
詩画集『植物の睡眠』所蔵版画によるヴァリエーション
★田沼利規:線刻舎
(台の上と柱に展示の作品)
・《夕刻 evening》モノタイプ、着彩、雁皮紙、洋紙/合板 2020年 180×130㎜
★坂東壮一:緑の館
・『坂東壮一腐食銅版画集 POE』
・《MORELLA》
★藤田修:FUJITA GRAPHICS
・版画集「Plant collection」Photopolymer Gravure 12点セット
2020年 ed.20 Photopolymer Gravure
・《tree》(版画集「KATAMI」 8点入りのうちの1点)
2019年 ed.12 Photopolymer Gravure、chine collé、embossing
★三井田盛一郎:小鬼書肆
(撮ったキャプションがピンボケで詳細分からず、申し訳ありませぬ~)
★山田彩加:壮月の樹
大大大好きな作家で、今回も素晴らしいゆえ、お写真たくさん載せまする。
壁に掛かった2つのファイルには、版画集『幻想の光』と『言葉の樹』の作者による詩や解説が書かれており、読みながら観ましたのじゃ。
・左)版画集『言葉の樹-Tree of Words』(リトグラフ11点組)2020年制作 限定:18部
・右)版画集『幻想の光-Lumière fantastique』(リトグラフ5点組)2021年制作 限定:20部
・上)版画詩集〈飛沫の夢〉より《思考のかけら》リトグラフ 13×13㎝ 2019年 ed.58
・下)版画詩集〈飛沫の夢〉より《空蝉の月》リトグラフ 11.5×20㎝ 2020年 ed.58
・版画詩集〈飛沫の夢〉より《永遠の眠り》リトグラフ 12×18㎝ 2020年 ed.58
・左)版画詩集〈言葉の樹〉より《挃梏》リトグラフ 14.3×11.3㎝ 2020年 ed.58
・右)版画詩集〈言葉の樹〉より《偃月》リトグラフ 13.3×10㎝ 2020年 ed.58
・版画詩集〈幻想の光〉より《支配された思考》リトグラフ 19.1×15.1㎝ 2021年 ed.58
・左)版画詩集〈幻想の光〉より《命の聲》リトグラフ 19.1×15.1㎝ 2021年 ed.58
・右)版画詩集〈幻想の光〉より《碧天の奇跡-Notre Dame de Strasbourgより》リトグラフ 24×16.2㎝ 2021年 ed.58
・上)文庫カバー作品「人間椅子」他9編(著者:江戸川乱歩/春陽堂)リトグラフ 15×38㎝ 2019年 ed.30
・中)文庫カバー作品「檸檬」(著者:梶尾基次郎/新潮文庫)リトグラフ 15×38㎝ 2020年 ed.30
・下)文庫カバー作品「江戸川乱歩傑作選」(著者:江戸川乱歩/新潮文庫)リトグラフ 15×38㎝ 2020年 ed.30
版画集『言葉の樹-Tree of Words』は、昨年の個展を観た時のブログにも写真載せているので、ご興味ある方は見てね↓
https://blog.goo.ne.jp/unut/e/e9c742796946fbd44716c54c24b54417
★横山智子:BLUE ROSE PRESS
この作家の作品も初見じゃが、いずれも美しゅうござりました。
・『リルケ詩集(夫婦箱付き)』175×127㎜
・『眠れる美女・オブジェ付き』浅葱・茜・露草・群青 158×112㎜
・《BLUE ROSE PRESS-プレスマーク-》木口木版 70×90㎜
★+餐吟堂:SANGUINDO
・『歌仙 甲斐が峰』2018 170×120×34㎜ E.D30
木版(岩切裕子)、木口木版(柄澤齊)、銅版(横山智子)、各1点入り
テキストは岩切(冬於)、柄澤(梓丁)、横山(月兎)による三吟歌仙と鼎談。
たいそう観応えあり、時間を忘れてじっくり堪能いたしました。
会期は4月10日まで。お勧めでござりますゆえ、ご興味ある方はぜひ。