息子「おやじ、遅いなぁ、法事が早く済んだから、今日は高級レストランでステーキ
おごるからって言うから待ってるのに、あっ、きたきた、おやじおせーよ」
親父「すまんすまん、飛行機のせいで遅れちゃってごめん」
息子「いいよ、飛行機の到着遅れじゃしょうがないよ」
親父「いや、定時に到着したんだけど離発着する飛行機みてたら遅くなった」
息子「ときどき、殴りたくなる衝動がするんですけどどうしたらいい?」
親父「それは、いかんなぁ野菜不足だな」
息子 (ムッ)「あれ、親父の隣にいる人は?」
親父「そうそう、田舎の知り合いの娘さんでな、なんでも友達がライブ初デビュー
するんで応援にきたんだけど東京は全然わからないので、親が大事な一人娘で心配だから東京案内してくれって頼まれました」
息子「ずいぶん簡単に引きうけるんだね」
親父「そう、『大船に乗った気持ちで酔ってなさい』ってとこだな」
息子「酔うのかよ・・」
親父「で明日、おまえが一緒に連れて案内しなさい」
息子「えっ・・明日はおいらサーフィンに行く予定だし」
親父「そういうな、彼女一人残してサーフィンに行くような無責任な息子を生んだ覚えはない」
息子「あんたから生まれてないし・・(無責任に頼まれごと受けるあんたの息子だっ
ての)」
親父「彼女を紹介しないとな、しおりさんだ、地元のミスコンテストに準優勝しただ
けあって美人で才媛だぞ、飛行機の中で楽しかった」
たしかに親が心配するだけあって容姿もなかなかであった。
しおり「初めまして、しおりです(にこっ)」
息子 「(どきっ)初めまして」
親父「そこのポカンと口開けてる息子、そのへんには転がっていない美形なお嬢さん
だろ」
息子「たしかに素敵だね」
親父「しおりさん、そういうわけで明日はそそっかしくてふしだらな息子が案内します」
息子「ふしだらかよ・・それを言うならふつつかだろ..。」
親父「自堕落な息子ですが」
しおり「そうなんですかぁ?(笑う)」
息子「おやじ・・殴っていい?」
親父「お前は短気だな・・感情豊かでバリケードな心やさしい子だったのに」
息子「デリケートだろ、わざと間違えてるだろ」
しおり「お二人は普段もこういう会話なんですか?」
息子「おやじ、お腹すいてきた」
親父「おー、そうだな予約した時間には早いけど行こう」
息子「でも、あそこのレストランって高いんだろ予約だって2週間前じゃないと駄目って聞いてたけど?」
親父「気にするな」
息子「気にするよ、息子としてはおやじが悪い仕事して稼いでるんじゃないかと」
親父「あー、その言い方むかつく、まるで普段なにも食わせてないみたい」
息子「そうは言ってないけどさ」
親父「お前も大人になればわかる、仕事や接待で食事しても美味くないんだよ
しおりさんも来たし、たまには仕事抜きで息子とゆっくり語ろうと思ってさ」
息子「、、、そういえば最近親父とゆっくり話したことないな、ごめんな、、、」
親父「それに先週おまえの新しく作ったサーフボード勝手に使って傷つけちまってさ、ついいいそびれちゃったのでいい機会だと」
息子「あー、コアラのシール貼ってあるからおかしいと思ったんだ、犯人はあなたですか?」
親父「過ぎたことをいつまでも言うな」
息子「(おまえは親かよ・・しんみりして損した)」
父 「そうだ、おかあさんにクリーニング屋に礼服もって行ってと言われてた」
息子「わかった、先にクリーニング屋ね、あれ?『20周年セール中』だってさ、安い
のかな?」
父が礼服を持って入って行く。
父 「いま、『セール中』ですか?」と聞いたのだが店のおばさんは、
店員「違います、もう、3年前に終わりました」
父「????」
息子「・・(おばさん『生理中』と聞き間違えてる)」
無事礼服を置いて店を出てレストランへ、、、。
親父「さぁ、着いたぞ楽しく食事しよう、腹がへってるんだろ?」
息子「腹も立ってる」
親父「そうやって大人になるんだな、いい勉強だな・・そこの青年なにシャドーボクシングしてんだよ」
続く・・かな?(^^
前編「暇つぶし」