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美味しい御飯

2011-02-23 17:37:42 | 日記
御飯は日本人の主食であり、最も大切なものです
最近その認識も薄れ、ともすればおかずばかりがクローズアップされますが
おかずは御飯を食べるためのものであって、おかずありきではありません

色々意見はあるでしょうが私の考える美味しい御飯とは

やはり新米が美味しいですね
精米したてが美味しいです、ここまではあまり異論がないと思います
しかし精米したてにこだわり家庭用精米機を購入して精米されるかたが
いらっしゃいますが反対です
業務用の東洋製米機やサタケのものと違い家庭用のものは精米したときに
割れ欠けが出やすいです
また業務用であっても機械の価格により性能差があります
道端のコイン精米機は性能がよくありません
やはり大きな米屋の精米機が優れているようです
しかもこだわるなら朝一に精米を頼みましょう
機械がある程度稼動した後では機械や米自体も熱をもってしまい
所謂煮えた状態になってしまいます
一度α化したでんぷんは時間が経ち冷めることによりβ化しますが
品質的には劣化します
冷凍解凍のくりかえしのようにね
精米して2週間程度はさほど味が落ちる実感はありません

もちろん炊飯器なんてダメです
炊飯器より鍋や釜で炊くほうが早いですしおいしいです
鍋や釜はなるべく底が丸く背丈のあるものを選びます
ゆえに普通の鍋料理につかう平べっちゃい土鍋はむいていません
炊飯用の土鍋を張り込みましょう
羽釜か羽釜に似ている形状のものが向いています
背丈がないと米が対流しないようです

御飯が炊けたらすぐおこしておひつに移します
ふきんをかけて約15分ぐらいしたら食べごろです

あつあつの御飯とよく言いますが、ごはんは少しさめたときが
一番美味しいです

京都の有名な行列店では煮えばなと称して半煮えの御飯を
食べさせていちびっているようですが底が浅いですね
茶懐石からもってきたものでしょうが意味が違います
御飯は少し冷めないと美味しくありません

おひつが重要ですがおひつについて一言
塗り物のおひつは論外です、サワラはヤニが強すぎます
ヒノキは香が強すぎます、カシ・ナラは保水力に問題があります
最も良いのが秋田杉の曲げわっぱです
おひつは余分な水分を吸い取るだけではありません
御飯の水分が減ったときにおひつから水分がごはんに移らないと
おいしくなりません
保温力が高い分厚い材料も煮えが進みますね

一器三様

2011-02-23 17:09:45 | 日記
器は料理の着物であるとは北大路魯山人の言葉ですが
まさしくその通りだと思います
70点の料理を90点にしたり90点の料理を70点にしたり
なかなか面白いものです

料理に合わせて器も数限りなくあれば良いのですが
収納の問題やもちろん経済性のこともあり、なかなか数をもてません
さすればどうしましょうか

一器三様(いっきさんよう)という言葉があります
ひとつの器を何通りにも使いましょうということですね
よく酒器である片口に盛り付けた料理なんかを見ますが
そういうことですね

とくに平鉢なんかは使い勝手が良いですね
せいぜい色々な料理に活用したいところです
引き換え大き目の深鉢ははとても使用用途が限られます

和食の場合一人盛りが基本となっており、卓袱料理や皿鉢料理などは
かなり特殊な部類になり、取り分けて食べる習慣はありません
こういうことから一人前が盛られる器になるので
大皿や大きな深鉢は出番が少ないのです

忘れられかけた作法ですが、造りは一品一器です
造りの盛り合わせというのは料理屋の作法ではなく
魚屋の仕事です
例えばイカと鰆を造ってもらった場合、相盛りにせず
一品づつ平蜂に盛って出てくるのが本式です
名の通った料理屋でもほとんどやらない仕事になりましたが
教養として知っており対応できる割烹はわずかに残っています

料理の味もさることながら多少なりとも器の目利きができないと
真の意味で料理を楽しむことはできません

お茶漬けについての一考察

2011-02-17 21:44:19 | 日記
お茶漬けが好きな人は多いです、お茶漬けが大嫌いという人は
あまり聞かないようですね
お茶漬けといわれるとどんなお茶漬けを想像するでしょう
鯛茶漬け・鮭茶漬け・山葵茶漬けなど色々ありますね
海外旅行から帰ってまず食べたいのがお茶漬けだとも聞きますね
居酒屋なんかで酒を飲んだ〆にお茶漬けを食べる人も多いようです
お茶漬けなんてものは元来家で食べるものなので料理屋の料理では
ありません、ですから細工をしますよね
一番は出汁茶漬けと称してお茶の代わりに出汁をかけます
お茶よりもうま味成分の多い出汁をかけるのですから
当然かなり美味しくなります
しかし出汁をかけてお茶漬けというのは如何なものでしょうか
お茶漬けより味は雑炊に近くなると思いますね

出汁ではなくお茶をかけるお茶漬けとしても、豪華絢爛たる具材で
綺麗に盛り付けてあるのがあります
お茶漬けはサラサラと昔から決まっています
具材が多くモグモグとなるお茶漬けは格落ちではないでしょうか

私は鮭茶漬けの食べ方として御飯に鮭を入れず、鮭は別盛りにし
鮭だけをかみ締め口の中が鮭のうま味で爆発した刹那
御飯にお茶をかけただけの素茶漬けを流し込むというのを提唱しております
非常に合理的な食べ方だと自負していますが先人達の智恵はすごいです

戦国時代の武将達は戦に赴くときなど、まず腹拵えとばかりに
立ったまま湯漬けを3杯ほど流し込みます
歴史書や歴史小説に湯漬けの何たるかが書いているわけではありませんが
当然高価な茶が使えるわけもなく、戦の前に手早く腹拵えとなると
御飯にお湯をかけて流し込んだに相違ありませんね

当然おかずなんて食べる暇もなく、せいぜいコシ袋から味噌を出し
味噌を嘗め嘗め湯漬けを食べたと思います

私の鮭茶漬けの食べ方と同じですね
お茶漬けに付き従う言葉はサラサラであったりあっさりだったりです
どうも手を入れすぎてゴテゴテしたこってりな茶漬けが
増えてきているような気がします

日本酒-2-

2011-02-17 10:53:51 | 日記
YK35とは山田錦を35%まで研ぎ協会9号酵母(熊本酵母)を
使って醸したお酒です
つまりこういった上等の材料を使えば全国新酒鑑評会で金賞がとれる
というわけです
山田錦という超一流の米を35%にまで研ぐと雑味が一切なくなります
吟醸酵母とも言われる9号酵母を使えば上立ち香が素晴しい酒になります
しかし個性は0になりますね
山田錦にしてもやはり農作物ですから産地が重要、兵庫県の社あたりが
特A地区となっており日本全国の蔵元が鑑評会用に購入します
米は他所から購入し酵母も蔵に住み着いたものではなく水のみ
かろうじて土地産という状況ではたして地酒といえるのか
はなはだ疑問は残りますね

世界の醸造酒を見た場合ワインもビールも全て産地の特色を生かし
魅力ある商品づくりをしています
日本酒も地域特性のあるものを飲んでいきたいと思いますね

雄町に偏愛してしまった大手蔵の玉の光は比較的入手し易いです
鳥取で復活した強力米(ごうりきまい)を使った鳥取や島根の
酒蔵の酒も美味しいです
例えば千代むすび強力なんて良いですよ2年ぐらい寝かせると
とてつもない酒になります
ワインもそうですが今後日本酒の寿命や古酒も話題になるでしょう
今まで日本酒はフレッシュなものを飲むのが最良とされてきましたが
熟成させて豹変する酒がでてきましたので今後楽しみな分野です

端麗辛口一見良さそうですが、なぜこんなに喧伝されるのでしょうか
失敗したお酒は炭でろ過することにより大幅に改善されます
ただしうま味の大半もそぎ落とされ、なんども炭を通すうちに水のように…
そしてアルコールが目立ちドライに仕上がる
こんな構図ですね
大手では炭ろ過仕上げとわざわざ謳い、それがさも特別な良いことのような
印象をつけます
嘆かわしいですがペテンです

馥郁たる日本酒を下味に煮付けられた前浜の魚の煮付けを地酒でやる
こんなに素晴しいことはないのにな

日本酒-1-

2011-02-17 10:24:13 | 日記
日本の国酒たる日本酒、美味しいですね
何故日本酒は米から作られるのか
この質問を投げるとどうでしょうかなりの割合で
身近に米がふんだんにあったからと応えるのではないでしょうか
勿論間違いではありませんが浅いですね

余剰米に付加価値をつけより資産を増やす為につくられたのです
当然原初の頃は自然発生的に酒が生み出され
そのアルコールによる酔いが一種のトランスとみなされ宗教儀式と結びつく
その後酒の生産量が上がると支配者階級が被支配者のひとたちを
紙背するための道具となっていきます
もう少し文化がこなれてくると冨の蓄積との関係が出てきます
庄屋が集まった米を小作人(杜氏集団)に酒をつくるように命じ
その酒で一儲け、酒が造りの途中で腐敗すると米の丸損
こうして醸造技術が上がってきました

より良いお酒を造るためにはお酒に適した米も必要になります
所謂、酒造好適米と呼ばれるものです
もっとも有名なのが山田錦です、後は五百万石・美山錦などが有名ですね

尾瀬あきらさんの漫画「夏子の酒」で一躍有名になった亀の翁という
幻の酒米もあります
品種改良されて良い米が育種されていくわけですが
良い米というのは酒を醸したときの味わいの話ではなく
収量の問題が一番です、農業的見地からすると換金効率が一番ですからね
というわけで病害虫や低温障害を受けやすいもの、背丈が高くなり
倒れ易い品種などは嫌われるわけです
ちなみに前出の亀の翁などは2mを越すらしいですね

国税庁醸造研究所から独立行政法人酒類総合研究所へ移行しましたが
全国新酒鑑評会が毎年行われ蔵元は金賞を取ることだけに血道をあげる
そして悪名高きYK35という言葉まで生まれました