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花鳥風月猫三昧 Ⅱ

京都にて四匹の猫とマッタリ暮らしています・・・ バオバオ

癒しの山荘美術館

2008年11月01日 | アート・文化

20081029_054  ←は「アサヒビール大山崎山荘美術館」の敷地内です。

山荘は光秀と秀吉が戦った「天下分け目の天王山」の山裾にあります。

ちょうど、京都府と大阪府の境になります。

「大山崎山荘」は莫大な父の遺産を引き継いだ実業家、加賀正太郎がイギリスのチューダー王朝の様式を元に別荘として建てたものです。

また、加賀は日本人で初めてユングフラウの登頂を果たしたそうです。

紆余曲折の末、今はアサヒビール(株)が美術館として所有、初代社長の美術コレクション等を展示しています。

今回は「青」をテーマに河井寛次郎、浜田庄司、バーナード・リーチ、ピカソ、モネなどの作品が他からも集められて出展されました。

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大正から昭和にかけて建てられた山荘自体が文化財です。

例によって館内の撮影は現在禁止。

20081029_004 池の湧き水は白濁していて、巨大な錦鯉が悠然と泳いでいます。

館内はチューダー朝の重厚な調度家具が置かれ、古代シリアの遺跡、中国、朝鮮の古陶器も展示されています。

ああ、それからガレの花瓶もありました。

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革張りのソファー、19cに作られた大きなオルゴール時計、暖炉などもレトロな落ち着きを感じさせます。

真鍮、ステンドグラス、大理石は欠かせない要素ですね

館内は古き時代の客船のキャビンようでした。

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河井寛次郎の肉厚の作品は、多彩な釉薬のグラデーションが温かく、美しいものでした。Pic06

「海鼠釉片口」など、呉須、緑釉を駆使した様々な青を表現しています。(→の写真は借り物)

彼は一万種以上の釉薬に通じ、様々な手法を駆使して作品を成し、五代清水六兵衛の技術的な指導もしていたようです。

日用具の美しさを追求した民芸運動の中核的存在でもあり、数々の作品を制作しました。

また、文化勲章、人間国宝、芸術院会員などを辞退した人でもあります。

彼は陶芸以外にも書、随筆、彫刻など多才だったそうです。

五条坂には彼の記念館があります。

20081029_006 2階のカフェテラスから望むのは、宇治川、桂川,木津川が合流し、淀川となる大山崎の地形。20081029_011

古代より交通の要衝であり争奪の的となったところです。

淀川の向うに見えるのは石清水八幡宮のある男山です。

涼しい風の吹き抜けるテラスで飲んだコーヒーの味は、深かく、コクがあり香ばしく、その上すっきりしたものでした。

20081029_025 旧館(山荘)から新館には、写真の左側に写っている、ガラス張りの建物から行きます。20081029_009

建築家の安藤忠雄氏の手がけた

建築物でコンクリートの打ちっぱなしになっており、地下に続いています。

20081029_022 山荘のイメージを壊さないようにと、新館を地下に作ったようですが、この導入部分だけでもかなり、異質なものがあります。

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円筒形に造られた新館の壁面にはモネの「睡蓮」が数点かかっています。20081029_026

モネの「睡蓮」の連作は200点にも及ぶそうですね。

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20081029_043 階段を降りて庭へ出ると・・・・

すばらしく大きな庭に睡蓮の池があります。        20081029_050        

この池もやはり白濁していました。

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庭から見る山の斜面に建てられた山荘。

もう少しすると、綺麗な紅葉で彩られますが、どうも大勢の観光客が詰め掛けそうです。

美味しいコーヒーを飲みに、また来ようかな(^^♪