山荘は光秀と秀吉が戦った「天下分け目の天王山」の山裾にあります。
ちょうど、京都府と大阪府の境になります。
「大山崎山荘」は莫大な父の遺産を引き継いだ実業家、加賀正太郎がイギリスのチューダー王朝の様式を元に別荘として建てたものです。
また、加賀は日本人で初めてユングフラウの登頂を果たしたそうです。
紆余曲折の末、今はアサヒビール(株)が美術館として所有、初代社長の美術コレクション等を展示しています。
今回は「青」をテーマに河井寛次郎、浜田庄司、バーナード・リーチ、ピカソ、モネなどの作品が他からも集められて出展されました。
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大正から昭和にかけて建てられた山荘自体が文化財です。
例によって館内の撮影は現在禁止。
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館内はチューダー朝の重厚な調度家具が置かれ、古代シリアの遺跡、中国、朝鮮の古陶器も展示されています。
ああ、それからガレの花瓶もありました。
革張りのソファー、19cに作られた大きなオルゴール時計、暖炉などもレトロな落ち着きを感じさせます。
真鍮、ステンドグラス、大理石は欠かせない要素ですね。
館内は古き時代の客船のキャビンようでした。
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河井寛次郎の肉厚の作品は、多彩な釉薬のグラデーションが温かく、美しいものでした。
「海鼠釉片口」など、呉須、緑釉を駆使した様々な青を表現しています。(→の写真は借り物)
彼は一万種以上の釉薬に通じ、様々な手法を駆使して作品を成し、五代清水六兵衛の技術的な指導もしていたようです。
日用具の美しさを追求した民芸運動の中核的存在でもあり、数々の作品を制作しました。
また、文化勲章、人間国宝、芸術院会員などを辞退した人でもあります。
彼は陶芸以外にも書、随筆、彫刻など多才だったそうです。
五条坂には彼の記念館があります。
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2階のカフェテラスから望むのは、宇治川、桂川,木津川が合流し、淀川となる大山崎の地形。
古代より交通の要衝であり争奪の的となったところです。
淀川の向うに見えるのは石清水八幡宮のある男山です。
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涼しい風の吹き抜けるテラスで飲んだコーヒーの味は、深かく、コクがあり香ばしく、その上すっきりしたものでした。
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旧館(山荘)から新館には、写真の左側に写っている、ガラス張りの建物から行きます。
建築家の安藤忠雄氏の手がけた
建築物でコンクリートの打ちっぱなしになっており、地下に続いています。
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山荘のイメージを壊さないようにと、新館を地下に作ったようですが、この導入部分だけでもかなり、異質なものがあります。
円筒形に造られた新館の壁面にはモネの「睡蓮」が数点かかっています。
モネの「睡蓮」の連作は200点にも及ぶそうですね。
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この池もやはり白濁していました。
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庭から見る山の斜面に建てられた山荘。
もう少しすると、綺麗な紅葉で彩られますが、どうも大勢の観光客が詰め掛けそうです。
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美味しいコーヒーを飲みに、また来ようかな(^^♪