財務管理の基本知識について、体系的に記述していきます。
内容が古いなと感じたら、現在の財務管理の内容と照らし合わせながら見ていただくと、より理解いただけるかと思います。
原価管理:原価統制
原価管理の2大プロセスのうち原価統制は、「答申:コストマネジメント」によれば、それはインフォメーション・フィードバック・コントロール・システムの応用として、次のような形で展開される。
①原価の標準の設定
②設定された原価標準の指示
③標準達成への意欲づけ
④原価資料の収集
⑤原価標準と実績との差異の算定と分析
⑥原価報告
⑦必要に応じての是正措置
この原価統制においては、標準原価計算が重要な役割を持つことになる。
標準原価計算とは、標準原価の算定、標準原価と実際原価の比較・分析から、原価水準の維持に必要な原価情報の提供を通じて、経営管理者を援助するために行われる原価計算をいう。
標準原価とは、原価標準と実際生産量によって算定された金額である。
原価標準とは、標準原価算定の基礎となる製品単位当たりの標準をいう。
原価標準は、直接材料費については標準消費量と標準価格、直接労務費については標準時間と標準賃率、製造間接費については固定予算と変動予算がそれぞれ設定される。そして、それらの標準と実績とを比較することによって原価統制が行われるのである。
標準・実績差異分析の計算結果において、それぞれの数値が正(プラス)であれば有利な差異、負(マイナス)であれば不利な差異とされる。有利な差異とは原価の節約を意味し、不利な差異は無駄や不能率を意味する。
つづく