日々是後悔也 ver.3.60

備忘録代わりのちょっとした旅行記と書き物

失われた鉄路の今 (西濃鉄道 市橋線(猿岩ー市橋)

2010-08-03 14:56:38 | Weblog
たまにあるんですよねー。あんまり暑かったり寒かったりすると拒否すr
外に出るとくらくらするぐらい暑いのでこの時期の撮影とかは危険ですw



さて今日は先回に続きちょっと涼しいので西濃鉄道のもう1つの路線、市橋線をたどりましょう。

美濃赤坂ー乙女坂は1日2本出荷のダイヤがある現役です。いろんなサイトに紹介があるので今日はそちらでなく、’06年に昼飯線と一緒に廃止された市橋からたどります。
帳簿上では猿岩ー市橋ということらしい(レールウェイマップル中部版による)のですが、猿岩駅のあった地点も既にレールははがされており、市橋寄りにある金生山工業、清水工業などは既に鉄路での出荷をしていません。

 


まずは(旧)市橋駅よりも奥にあったホッパー。何の地図で見たか忘れましたが、構内からもう少し引き伸ばされたのを描いた地図を見たことがあるので痕跡が残っているところまで行ってみました。
ホッパーがあるということはここから出荷していたという証拠ですね。

ただ、手元にある’94年版スーパーマップルでは描かれていないので、それ以前(実際に編集する人が調査を行ったのはたぶん92年ぐらい)に既に使われておらず廃棄されたのでしょう。

ホッパーから水が湧き出しているのか

カワトンボの姿も。ギンヤンマのように胴体が緑のラメの個体もいたのでこっちは♀かと。
水のきれいな山の河川にしか住まない(昔親父の会社で岡崎の山にあるニジマスの釣堀に行ったときによく見かけた)ので、こんなとこに住み着いているのはびっくりです。
ぐぐってみましたが、ミヤマカワトンボというらしい。

さて。南に下ると

あら。それらしい建物がw
(旧)昼飯駅のカラーリングとまったく一緒です。駅舎と言うより、駅構内にあった倉庫でしょうか。
仮に倉庫とするならこの辺りが市橋駅があったことになりますね。ちょっとお邪魔して向こう側に何があるか確かめてみます。


どうも線路をはがして山から下りてくる車両の足元を洗うように作ったらしい。この奥にも怪しげな草むらが。


あー。ありました。こちらは使わないところだったのかそのまま線路が放置されています。踏み込んでみたかったのですが、足元がぞうり(暑かったし、廃線跡探索するとは考えてなかったので)のため断念w やはり構内のようですね。

面白くなってきました。こんなように線路が放置してあるとテンション上がってきます。

もう少し南にいくと

某企業横に荒地にコンクリ塀と一体になったホッパーの跡が残っています。だだっ広い広場に何があったかを物語っています。
この企業さんの正門は新しく作ったように見えるので跡地を利用したのでしょう。

この辺りでお昼のサイレンがw
道の遠くを眺めると働いている方が敷地から出入りしています。この辺りまでくると石灰を運ぶダンプとローリーがひっきりなしに往来するので大変危険。車も邪魔にならないところに止めないと。お昼になったのでちょうど少なくなって写真を撮るにはいいですが。
あと、凄い刺激臭も。


(旧)猿岩駅構内の辺り。既にコンクリで路盤跡が補強され、製品か原料かの荷物置き場に。
美濃大久保に放置してあった貨車の荷主、清水工業の石灰部門(他にも周囲に鉄鋼や大理石など関連がいろいろある)がこの辺りです。
近辺は石灰質の土地なので山も金生山を含め、石灰を産出する山です。(近江長岡と樽見鉄道の美濃神海、名鉄(旧)谷汲線沿線の大阪セメントも産出しています)
金生山北側の山だけは既に終了してしまったのか、そのまま禿山になって放置していますが。(TOPの画像

乙女坂ー猿岩は帳簿上は使用していることになっていますが、既に積み込みはやめてしまっているので線路も外してしまった箇所が出てきます。

向かって画像奥が市橋。道路上を横切るコンベアを基準に上の画像から南というのを割り出してください。


向かって美濃赤坂方面。ホッパーが現役なのでそのままですが、線路は既に草生しています。敷地と隣り合う企業さんから見れば邪魔以外に何物でもないでしょうから近い将来線路は外して物置とかにするのでしょう。


乙女坂駅構内。ここは現役なので積み込み装置やホッパーが生き生き(!)しています。
中京地区の方。えびせんべいなんかに入っている乾燥剤。あれは生石灰が中身の正体ですが、生産している会社をよく見てください。
(自分の見たところ、ですが)そのほとんどが「矢橋工業」だったりします。要はここから出荷されていく製品の一部が使用されているんです。
他のお住まいの方でも美濃赤坂産の石灰を使っていたりするので気がついたときに見てみると面白いかも。

貨車牽引はDLなので機回しをしなくてはいけません。他のサイトさんでも紹介がありますが
(ぐぐると機回しをしている画像が結構出てくる)

2本の線路を利用して機回し線を作り直して構内ぎりぎりのところまで利用しています。
この途切れた先が(旧)猿岩駅構内。


周囲にある企業さんは昼休みの間でもローリー車やダンプを使って道の左右にある構内を行き来していました。
たまたま昼休みに時間に当たったので画像には写っていませんが、これ以外の時間に訪問すると結構びびりますw
とはいえ、日曜や祝日は工場がお休みなので西濃鉄道の出荷場面を合わせてみたい方はがらんとした構内しか見れないことになります。
どちらにしても十二分に注意してジャマにならないように見学しましょう。もちろん敷地内は関係者以外立ち入り厳禁です。
(許可を取るともっとレアな画像が撮れるのかも知れないけど、普通に道路沿いから出荷と機回し場面が見れるので200mmぐらいのレンズがあれば十分な気が)



























□今日の石灰採取近辺の鉄道
西濃地区自身が石灰が産出される地区として有名ですが、近所にあった専用線はすべてトラックでの運搬に切り替わってしまいました。
過去に撮ったものでHDDに残してある画像をさばくってみました。

まずは近江長岡から出ていた大阪セメント専用線。

独自の機関車を持っていたことで有名ですね。廃止される直前、’99年秋ごろ撮影。バックの山は伊吹山です。
機関車は現役の頃、名鉄(旧)鳴海工場まで回送されて全検を受けていました。廃止になったあとは三岐に行き、当時セントレア用に土砂を運び出すのに大活躍(大量にいるので機関車が足りなくなって東武からも買い取った)。
一時期だけ大井川に501,502が行ったのですが、大井川に戻ってきたのは501の1両。502はそのまま三岐にとどまって石灰運搬についています。
(本線運用についてるのかな?側線入れ替えだけかも。)


樽見鉄道 美濃神海駅から側線で出ていた大阪セメント線。レールバスのハイモ180が廃車になるのと同時に廃止に。’06年3月の末期に撮影。
この線がなくなってしまったために樽見鉄道は赤字に転落。(運搬でかなり利益があり、株主としても大阪セメントが出資している)
樽見鉄道でも機関車が必要なくなってしまったために廃車と転属で状態のいい1両しか残っていないはず。
これからどうするんですかねぇ。。

最後は(旧)谷汲線横にある住友大阪セメント。

(旧)北野畑駅の南にあります。どちらかというと石灰というよりセメント原料工場かw
画像の奥に見えるホッパーがそうです。


おまけ。谷汲山の月命日だけタブレット交換になるのは有名でしたね。構内に貨物ホームの残骸があったので大阪セメントからの出荷荷物がここから出ていたのでしょう。


おまけその2. 駅を出てすぐのところに桜の木が生えていて春にあわせて撮るのが楽しみでした。
最期の春になってしまった’01年撮影。この画面左の敷地すぐが大阪セメントです。

トラック運送は小回りが利くので三岐運送でも2両連結してたりするのをよく見かけますが、環境問題とかから考えると鉄路復活はならないのでしょうかねw
美祢線でもフライアッシュ運送は廃止されてしまったので近隣で見れるのは西濃から衣浦臨海、四日市に抜けるフライアッシュと矢橋のホキ車しか見れなくなってしまったのは趣味的にも寂しい限りです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 失われた鉄路の今 (長浜駅・... | トップ | またも重箱の隅っこ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Weblog」カテゴリの最新記事