怠惰らぼっちなおおかみ

へたくそながら、自分で撮った写真や、イベントがあった時などの時事についての感想を書いて行きます。by月風狼

劇団BLUESTAXI『終のすみか』を観劇して

2018-12-02 23:38:47 | 日記

 12月1日(土)と12月2日(日)に劇団BLUESTAXIの舞台、「終のすみか」を観劇してきました。

 普段は、ツイートで済ましてるのですが、とても文字数が足りませんので、久々にブログの方に書いています。

 

 千秋楽が終わったので、内容についても書いて行けますので、ストーリーをなぞって行きます。

 

まずはさわりの部分

 舞台のシチュエーションは、台風の災害で被災した地域。

 始まりは、暗闇に懐中電灯で何かを探す男女が現れるところから。

 この二人、被災地の瓦礫の中から金目のものを探しに来た火事場泥棒、いやこの場合は被災地泥棒と言った方がいいのかな。

 そして、ある人に見つかり、とっさにボランティアで来ましたとごまかしたところから、ボランティアで奉仕活動をすることに。

 このボランティア団体の頭目(あえてこう表現する)が、結構怪しい人物。

 

この物語、台風を地震に置き換えれば、23年前に自分が体験した阪神・淡路大震災に重なってきます。

 

途中の印象に残った部分としては

 ボランティアの頭目がマスコミとの電話を、偶然聞いてしまった、ボランティア参加の方が、段々と真実を知ってしまう。

 頭目は、被災地の事を携帯電話の電波が途切れたことで「このど田舎」と言います。そしてお金を色々集めてることや、パフォーマンスのために、不必要と分かってる古着を集めてること(これは本当に不要、タオルや毛布の方が有効なのです)が分かってきます。

 

23年前は、まだボランティアという言葉も一般的ではなかったので、これで儲けようとか、集団と言うものはありませんでした。

瓦礫の片付けとかよりも、心のケアの方に役に立っていたと記憶しています。皆さん、被災地の状況をみて、居てもたってもいられなくなって駆けつけてくれた方々でした。本当に純粋な気持ちで来ていただいたのです。

 

 舞台では、ある1軒の被災した家から、住人の大切なもの“思い出の品”を掘り出す作業のボランティアをその集団がしますが、なにやら裏で色んなことがあるようです。対象の住宅は危険度が高く素人のボランティアでは安全確保が難しそうなんですが、なぜか普段は気のいいリーダー(頭目ではありません)が、強硬に今日しなければならないっと言い、作業が始まります。

 この前日、最初の男女が言い争ってます。女性の方は、ボランティアで手伝うことに光を見てますが、男性の方は相変わらずの火事場泥棒をしているので、女性は返して来いと注意をするのですが、自分もしていた後ろめたさか、反抗されても言い返せなくなります。そこへ、翌日の家の長男がある企みを持ちかけ、男性は承諾してしまいます。この時の掛け合いは、笑いを誘ういい芝居でしたね。

 

この時に家の住民であるお祖母さんが出てくるんですが、この方が、タイプは違うのですが、自分の亡くなった母親にダブってしまったんですね。自分の母親は23年前の地震の時は健在でした。そしてこのお祖母さんと同じく、親父さんは先に亡くなっていて、家を残していました。そう、同じく地震で家はガタガタになったんです。

 

 家から次々に運び出される“思い出”の品、ここで笑いや感動が起こりますが、これは前哨戦。作業をしていると、長男の知り合いの土木工事作業員が来て、家の危険性を指摘し、中止するべきと言っていると、崩れる家屋の音が・・・、パニクッて出てくるボランティアの面々、しかし、例の男女が出てきません。

 そこへ頭目がどうしたと駆けつけてくるんですが、2人が出てこないと聞くと、リーダーに責任を押し付けます。そしてそこへ取材の電話がかかってきますが、そのあまりの無責任さにリーダーは切れかけて、一時は萎えていたのですが、完全に切れて殴りつけます。頭目はあわてて取材の方に逃げて行きます。

 土木作業員の知り合いにかつがれて出てくる女性、急いで病院へ運びますが、男性はまだ出てきません。と、そこへ変な入れ物を抱えて男性が出てきます。そして長男に渡しながら、自分をかばったせいで女性がけがをしたんだと震えながら言います。

 件の入れ物、それは昔お祖母さんが高額のタンス預金をしていたものでしたが、開けてみると・・・アイドルの写真だけが、お祖母さんいわく、そんなものとっくに銀行に預けたと言い放ちます。呆然とする長男、呆れる家族たち。

 

人間の欲望がむき出しになる場面です。自分の時は、ボランティアの方に頼むなんて考えは無くて、このようなことは無く、自分たちで崩れた家具の中から見つけてましたが、雨で、建物が崩れる場面をたくさん見ましたのでこの無茶さは分かりました。幸い、自分の家は崩れませんでしたが、余震の際に、姉が残ってるのに跳び退いたことを思い出します。この時にかばうなんてことができるのかとも思ってしまいまいしたね。

 

 そして、それぞれの独白。ボランティアに来た理由を独白する2人、その後ろで例の男女が心の変化を見せます。そして両方とも泣きながらお互いを抱きしめあいます(前者は女性同士です)

 それから日が変わって、家を本格的に解体する日。家族が集まり見守ろうとします。そこへ、ボランティアの人から立ち会わせて欲しいとの申し出があり、お祖母さんは快諾します。

 やってきたボランティアの面々。リーダーがお祖母さんに強引にして不手際を起こしたことを詫びると、お祖母さんから「ありがと」との声が・・・。

 

 正直、この時点で自分は泣いてしまいました。それまでにもところどころ涙腺が緩まさせられてたんですが、この一言が絶妙のタイミングで心に響きました。

 

 お祖母さんは、一人一人にお礼を言って行きます。そして一人のボランティアは不純な動機で参加してたと独白しますが、お祖母さんは最初はどうだったのか、助けたいとの思いで来たのではないかと問います、皆は激しくうなずきます。

 けがをした女性、お祖母さんに気を付けろと言われてたのに、けがをしたことを謝りますが、お祖母さんがは包み込んでしまいます。

 男性も駆け寄りますが、お祖母さんはくるりとかわして笑いをとり、場を和ませます。そのうえで彼女を泣かせるんじゃないよと言います。

 この後、お祖母さんが家の方を向いて、亡くなったお父さんに話しかけるように家へのお別れを言います。それに家族それぞれがお別れを叫びます。(この後、終幕)

 

 この場面、効いた、ものすごく効きました。自分の住んでいた実家も地震で取り壊すことになった時、立ち会いたいってしてたんですが、立ち会えなかったんです。

 そしてその時、母親はどんな気持ちで解体を見てたんだろうかとか、もし親父さんが生きてたら、どんな風に見たんだろうかと想いをめぐらしてしまい、涙があふれてました。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月1日(土)のつぶやき その2

2018-12-02 03:55:42 | 日記
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

12月1日(土)のつぶやき その1

2018-12-02 03:55:41 | 日記
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする