やっぱりさ、落葉樹っていいよね。
杉に囲まれた薄暗い道を抜け、
落葉樹林の明るい場所にでた。
そのとき改めて、自然はすごいと思った。
寒さに耐えきれずに葉を落とすのだとしても、
おひさまの日差しを地面にとどけ、
下部の植生を豊かに残す、落葉樹たち。
それだけでもすごいのに、
散りゆく前に、その葉の色を変えてゆく。
みごととしかいいようがない。
自然の色はどうしてこんなに美しいのか。
おもわ . . . 本文を読む
11月がやってきた。
月の暦で生きていたいと思いつつ、日常はつい、
「便利な」西暦で数えてしまう。
そう、11月がやってきた。
祖母の命日が近づいてくる。
「呼んではだめよ。恋しくても呼んではだめよ。」
「まだ心を離せていないんだ。離せないと死者はなかなか成仏できないよ。」
村の母と父が私を諭したその声がする。
そうね。
恋しくなってもそれを言葉にしてはいけないんだね。
そうだね。
私の心 . . . 本文を読む
あと4、5日もすれば、君のお母さんたちの家に、外国人のボランティアが泊まりにくるよ。
そんな話を昨日きいた。
詳細は知らないが、細かなことをきくのもつらく、
どれくらい長くなの?
それだけ聞いた。
3ヶ月。
そしたらまた別のグループがきて、交代するんだ。
話の輪郭はぼんやりしてて、全体はつかめない。
それでも私には十分だった。
教育関係の援助なのか開発支援なのか両方か。
3ヶ月の間、村の家に . . . 本文を読む
贅沢な一日だった。
淡い黄緑色の身体に、頬と頭に赤ライン。
初めて出会ったアオゲラ。
綺麗だろうなぁと思ってはいたけれど、
自然の色はどうしてこんなにも美しいのだろうかと、
思わずため息がでる。
ここ何年も会えていなかった、ウソ。
桜の蕾が少し膨らんできたこの時期に、
ふと気配を感じて空を探すと、ウソたちだ。
声を発せず黙々と食事をしていた。
雄はのどのあたりが桃色で、
ぷっくりふくらんだ身体 . . . 本文を読む
久しぶりの山の中
徐々に深まる緑の中に
なんとも鮮やかな黄色があって
あたりを見渡せばそこいらじゅうに黄色はあるが
これはひらひらそこに落ちたのか
誰かがそっと置いたのか
偶然と必然は紙一重
わたしたちの社会でも
そんなふうに思いながら過ごしたい . . . 本文を読む