モロヘイヤ、ツルムラサキ、オカヒジキ…、
そんな季節になって早くも久しい。
暦の上では立秋が過ぎ、
気が付けばヒグラシも鳴いている。
モロヘイヤを買うたびにスープにしている。
そのたびに、
あのスープを思い出す。
カンボジアで、チュレッと呼ばれる木の葉っぱ。
それと豚の挽肉で作る、あっさり味のスープ。
大好きな料理のひとつ。
ぬめりはないのに、なぜか、モロヘイヤのスープをすするたびに思い出す。
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…完熟が食べたいねぇ。
というおじちゃんの脇をこっそり通り、
私は青いトマトに手を伸ばす。
あ。青いトマト。
見かけるとどうしても食べたくなる。
熟したトマトはまだ家にある…。
一瞬迷い、立ち去ろうとしたけれど、でも。
やっぱり戻って、買ってしまった。
ちょうど香菜もあったっけ。
うん、じゃぁ酸味のスープにでもしてみよう。
最近ちょっと気持ちが悪い。
だから魚はおあずけにして、鶏肉にしてみま . . . 本文を読む
フィリピンで最も一般的な魚だよ。
焼いて、揚げて、煮て、スープに入れて…、なんでもいける万能な魚だよ。
レストランに並べられた料理の数々。
ひとつひとつ説明をしてくれた男性が、そういった。
フィリピンでbangusと呼ばれる魚。
身がきれいなミルク色であることから、
英語ではミルクフィッシュと呼ぶらしい。
日本語だと、と調べてみると、サバヒーとでてきた。
学名はChanos chanos。
市 . . . 本文を読む
酸味、甘味、辛味、塩味、スパイス…。
お粥や麺類をたべるとき、
食卓に置かれている調味料たち。
唐辛子が大量に漬けられたお酢、
生の唐辛子をたたいたもの、
お砂糖、
大豆でつくられた味噌に似たもの、
胡椒、
そのほか、市販で売られている瓶詰の醤油に甘辛いたれ。
はい、と差し出されたお粥を前に、
そのまま食べだす人はまずいない。
それだけでも十分味があるのだけれど、
人々はさらにそこから味 . . . 本文を読む
村に行ったらしきりにみんな、叩いてた。
遠くから見ると、真っ黒なほうきみたい。
ぱぱぱぱぱ、ぱぱぱぱぱ、
叩くリズムは軽やかで、穂から小さな実がぽろぽろ落ちる。
稲刈りが終わり、ほっと一息つくのも束の間で、
ゴマの収穫の時が来た。
屋敷地のどこそこに、真っ黒な「ほうき」がたくさん並ぶ。
カンボジアではゴマというとほとんど黒ゴマ。
「白よりも黒のほうが高く売れるから」という人もいるが、
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