酉年。
それだけでなんだか心がわくわくする。
そう思っているうちに、
酉さんの年も早2ヵ月が過ぎてしまった。
鳥になりたい。
ふとした折にそう思う。
鳥たちのさえずりを聴くたびに、
心のなかでそう願う。
なぜだろう。
かさっかさかさっ
枯葉をよけて地中の虫たちを探すシロハラ、アカハラたちの音。
ん?
視線を感じてまじっとみると、
シメがきらりとした視線を向けてこちらを見ている。
いたるところで . . . 本文を読む
私の部屋に朝が来る。
その構図があまりにも、
祖母の部屋に訪れていた朝に似ている。
祖母は結婚してからというもの最期まで借家で暮らした。
何も好き好んでというわけではなかっただろうが、
結果的にそうなった。
祖母がこの世を去ったとき、
彼女が残していったものを整理して、借家を出なければならなかった。
それはやっぱりつらかったけど、
あとで思い返してみると、
借家暮らしも悪くない。
朝が来る。
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毎日毎日、気がつくて考えていて、
気が狂いそうになる。
なにかで気を紛らわせられるのならば、まだましで、
それすらもできないときは、なんともつらい。
ふりきることができたらば、どんなにか楽だろう。
澄んだ湖に、稚魚が群れを作って泳いでた。
美しいもの、
いまある姿よりずっと以前に、よい行いをしてきたのかも。
美しいものに出会うとき、
だからすこし、いがいがした心もすこし、
洗われる気がする。 . . . 本文を読む
初雪。
外はまだ、葉っぱの落ちきらぬ樹々たちが色づいている。
窓を開けて、ふと思う。
そういえば、あの2つのイチョウたちはどうしてるかな。
秋が深まり、そろそろみんなは散ってゆくころ、
あのイチョウたちは堂々と、黄金の葉を天に向かって伸ばしてる。
みんなよりちょっぴり遅く色づきはじめるあのイチョウたち。
そこにできる自然のじゅうたんが好きだった。
そういえばもう何年も、写真をとらせてもらってな . . . 本文を読む
はっと立ち止まる瞬間がある。
あまりの美しさに言葉がでない。
雲一つない秋の空、
すこし青味の濃い湖に、
葉が落ち坊主になった山が映え。
なにが欠けても物足りなくて、
このときこの瞬間の、みんなたち。
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