父へ贈ることば。

父が退職したと母から電話がきた

ホッとしたような
少し寂しいような

小さくて柔らかい声で

『・・・あなたからも　おつかれ様・・って一言電話してあげてね。』

その言葉の静かな余韻が
電話を切った後　大きく大きく広がって

父のスーツ姿や
お弁当や
会社の面影や

・・・現役だった頃の記憶がスライドショーのように
よみがえってきた。


誰もが
いつか来る道
通る道

親元離れてからもう２０年経つと言うのに
父はずっとあの頃のままの姿で
ずっとずっと家族の為に働いてくれてるものだと思ってた

・・・私も同じように月日を重ねて大人になってきたと言うのに・・。


母から電話があったその日のうちに花束を贈り
その日の夜に改めて父に電話をいれた


電話の向こうでは父の退職祝いをと
父の友達が遊びにきてくれてたようで
かなり賑やかだった

『お父さん　長い間家族の為にありがとう　お疲れ様』・・

やつぱり　言葉にすると現実・・・。

『・・・あははっ　明日から何しようか～　　まっ・・・これからもよろしくね・・』


そう言うと　父はすぐ母と電話を変わった・・。

『お友達の前だと恥ずかしいのよ～　　そうそう　今日ね浜松までの新幹線の料金調べてたよ　そのうちひょっこり遊びに行くかもね・・』

母は安心したような声で話した

昼間の声よりもっと柔らかくて優しい。。


これからはふたりで
健康に気をつけて１日１日を大切に過ごして欲しいな。。


お父さん　長い間　家族の為に一生懸命働いてくれてありがとう
お母さん　お父さんを今まで支えてくれてありがとう

天国にいる弟とこれからもずっと一緒に見守ってるからね。。。