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支流からの眺め

華夷秩序へのマル暴対策

 習近平体制が李強首相以下の「習家班」で固まった。中共国の世界征服への動きが露骨となるだろう。例えば、マクロン仏大統領を歓待し「欧州は米国の属国ではない(台湾問題に干渉しない?)」と言わせた。長年の対立関係にあったイランとサウジアラビアの関係回復を仲介した。中米の台湾承認国ホンジュラスを親中共国に寝返らせた。台湾の前総統を招待し一つの中国を目指すと発言させた。反間諜法を合法化し、恣意的な拘留による人質外交を可能とした。

 世界を不安定化させている烏露戦争では、習自身が露国を訪問しプーチンと2日間に亘り親密に話し込んだ。四面楚歌にある露国の足許を見て、資源の買い取りと生活資材の供給を餌にしたのであろう。その教唆に従わされたのか、習の帰国後すぐに露国はベラルーシに核配備を予定した。他の反米国(北朝鮮、イラン、アフガン等)を支持(指示?)し武器開発やテロ活動に走らせている。中共国自身は何も言わず・やらずで、これらの国々を使嗾して西側諸国を脅している。

 更には、(本音とは真逆に)烏露戦争の停戦仲介役を名乗り出た。公式見解は「中国は平和を望んでいる。中国は紛争を起こして他国の土地を占領したことはない。」などと噴飯ものである。更に、平和・正義・民主・自由・公正・法治・愛国・誠意・友情・礼節などの美辞麗句を連ね、民主主義国でこれらの価値が損なわれていると喧伝する。しかし、その美辞は全て「共産党の言うところ」の修飾語付きである。毒入りの美酒のように、中共の色付きの言葉が耳障り良く聞く者の脳髄に注ぎ込まれる。

 これらはヤクザの手法である。内輪もめがあればそれを煽り、なければ子分をけしかけて難癖をつけて脅す。親分は口利き役として現れ、豪華な手土産、静かな笑顔、誠意と平和が大切だなどの言葉で心を解かす。そして、別れ際に一言「血の気の多い者がいて困りますな・・」などと耳元で囁き、側近がその意味を解題する。かくて親分は「民主的に」支持され、親分の言う正義と法治が成立する。しかし、そこにあるのは抑圧された平和と空虚な礼節で、心の自由は押し殺されている。

 習の求めるのは、このヤクザ的な秩序で中共が親分になること、即ち華夷秩序である。その根底には、優れた中華民族が国際秩序を担うのは当然という揺るがし難い中華思想がある。事実、支邦大陸に出現した帝国の多くは各時代で世界最大であった。新参者の米国がなければ、現代でも中共国が世界の覇者であっただろう。共産主義の信奉者と同じく、己の選民思想に対して中共は疑いを持っていない。あの自信に溢れた言動と臆面もない誹謗や揺さぶりは、この大前提に基づく確信からきている。

 中共国は現代日本の最大の脅威である。「非戦的平和主義」の易きに流れると、華夷秩序に組み込まれる。片や中共国の不安要因には、国内人民の不満、在外華人の反共運動、西側の反中包囲等に加え、過去の帝国が経験した国勢の空洞化や中枢部の自壊がある。中共国崩壊の際は、自暴自棄な核攻撃や多量の難民襲来も発生しうる。近未来の世界は、中共の言動に大きく振り回されるだろう。近隣国は、中共支配層の特性をよく認知した上で、根気強くマル暴対策に励むことになる。

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