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3匹の子豚との日々 =DIAS CON MIS TRES CERDITOS=

スペインSpainのサラマンカSalamancaのラ・アルベルカLa Albercaから不定期につづります。

粘菌の世界から地球の未来へ

2011-01-26 05:49:37 | Cancer/Salud
「苔と粘菌と。。。そして乳がん」という記事を以前書いたり、話題にしてきましたが、
粘菌(アメーバ)のニュースがまた出ていました。

たぶん、先日見た記事が一般紙に出ただけだろう、と思っていたら、
やっぱりその通り。

これは、ネイチャーの記事で読んで、リンク紹介した記憶があるので、
今検索したんですが、見つけることができません・・・何故だろう・・・。
夢だったのでしょうか・・・?!

「粘菌、農業だってできちゃう 米の大学チームが発表」朝日新聞から
(記事転載開始)
『「農業」をする粘菌が見つかったと、米ライス大学の研究チームが
英科学誌ネイチャーで発表した。エサとなる細菌が少なくなると、
食べ尽くさずに一部を体に取り込んでから別の場所に移る。
移動先で体内の細菌をまいて、新天地で細菌が増えるのを待って食べるという。

この粘菌は、生物学の実験でよく使われる「キイロタマホコリカビ」。
新天地を目指して移動する時には、それまでバラバラに動いていた数万の細胞が
寄り集まって、ナメクジのような形になる。移動先で胞子をまいて繁殖するときに、
胞子を包む袋の中に取り込んでいた細菌も一緒にばらまく。

研究チームは、米国各地で採取した野生の35株のうち、13株がこうした
原始的な「農業」をすることを見つけた。移動先にエサの細菌がいない場合でも、
農業をするものは問題なく繁殖できたという。

農業をする生物は、キノコを育てるアリやシロアリなどが見つかっている。』
(記事転載終)



今調べてみたら、このネイチャーの記事は、読売新聞で、20日付でもう
報道されていたんですね。
最近、新聞をあまりチェックしてないので、見落としてました。

「粘菌が「農業」…餌の細菌、少なくなると栽培」
(記事転載開始)
『湿った土の中に生息する微生物・粘菌の一種が、餌としている細菌を増やす
「農業」を営んでいることを、米ライス大の研究グループが突き止めた。

シロアリの仲間がキノコを栽培する例はあるが、粘菌のような微生物で
報告されたのは初めて。20日付の英科学誌ネイチャーで発表した。

この粘菌は、普段は単細胞生物として活動しているが、周囲に餌となる
細菌が少なくなると、数万~数十万の個体が集合。ナメクジ状の形になって
別の場所に移動し、子孫となる胞子を作る。この際、粘菌は食べ残した周囲の
細菌を体内に取り込み、胞子を拡散させる時に細菌も一緒にばらまいていることが分かった。

無菌状態の培養皿で調べたところ、細菌は胞子の周辺で増殖。胞子から
生まれた粘菌はこの細菌を食べて、成長することができた。収穫物である
細菌の一部を「種」として残しておき、生産にまわすことから、研究グループは
「原始的な農業」とみなしている。』
(記事転載終)



今、やっと、判明しました。
ツィッターで、22日につぶやいてました。
【バクテリアを“栽培”するアメーバ】ナショナルジオグラフィック ニュース

単語が違うから、見つかるわけないですね。。。
その上、ネイチャーじゃなく、ナショナルジオグラフィックだし・・・。




私が粘菌というかアメーバに興味を持ったのは、去年のこと。
「アメーバと私達」という記事を書いたときからです。

その後、事ある毎に、「アメーバ」を持ち出して、これからの
私達の進む方向性について記事を書いてきました。
「アメーバにできるのだから、私達も乗り越えることができる!」と。。。


昨年のイグノーベル賞でも、粘菌が出ていました。

「粘菌で鉄道網の最適設計 中垣教授らにイグ・ノーベル賞」朝日新聞

(記事転載開始)
【ニューヨーク=勝田敏彦】人を笑わせ、考えさせる科学研究などに贈られる
『「イグ・ノーベル賞」の授賞式が9月30日、ボストン近郊のハーバード大であり、
粘菌を使って鉄道網の最適な設計を行う実験に成功した中垣俊之・公立はこだて
未来大教授、小林亮・広島大教授ら9人が交通計画賞を受賞した。

 中垣さんは受賞の弁に代えて「東京の鉄道網の設計は簡単だったが、ボストンのは
ちょっとしんどかった」という「粘菌からの手紙」を読み上げ、会場の笑いを誘った。
中垣さん、小林さんらは2008年にも粘菌に迷路を解く能力があることを示して
認識科学賞を受賞しており、2度目の栄冠。

 このほか原油流出事故を起こした英石油大手BPなどが「水と油は混じらない」が
誤りであることを示した功績で化学賞を受賞。靴の外側に靴下を履くと、凍った道で
滑りにくいことを実証したニュージーランドのチームが物理学賞を受賞した。

 今回は同賞20年目の節目。34年以上、自分が食べた食事を撮影し続けて影響を
調べて05年に栄養学賞を受賞した発明家のドクター・中松(本名・中松義郎)さんも
招かれ、「私は5歳のとき最初の発明をした。今も発明の数は増えている」とあいさつした。


関東地方の「駅」にあわせて置かれたエサを求めて、時間とともに実際の鉄道網の
ようなネットワークを形成する粘菌=科学技術振興機構提供
(記事転載終)



これらの研究結果を見ると、粘菌(アメーバ)の生態には、これからの人類、
そして、地球の未来を良くするヒントがたくさん詰まっているような気がします。
「アメーバと私達」の記事を書いたことは、今でも正しいと思いますから。。。


そうしているうちに、南方熊楠という素晴らしい明治の博学者のことを知りました。
twitterでも、フォローしていますが、
熊野全般についての情報をツィットされている、み熊野さん
南方熊楠の言葉をツィットされている、minakatellaさん
などから、いろいろを学ばせていただいています。

最近は、シャウベルガーというオーストリアの自然科学者について紹介している
ブログを見て、すごい人がいたんだなぁ~と驚いています。
「シャウベルガーの残した業績について: 武山祐三の日記」
*この他、いくつかの記事を書かれているので、興味のある方はどうぞ。

まるで何かに導かれているような気がします・・・。

素晴らしい発見をしている方であるにもかかわらず、今まであまり紹介されな
かったのは、何故だろう・・・と思います。
いろいろと、表に出ては都合が悪いことが多いんでしょうね・・・。




明後日の午後、手術で、朝一番に病院へ行かなくてはいけないので、
明日マドリッドへ行きます。

今回、乳がんと診断されたことは、私にとって、自分自身を客観的に
見ることができるようになったような気がします。

あの日、昨年10月20日の婦人科の定期健診で、先生が胸にしこりを
見つけて、一応気になるから、エコとマンモの検査をしよう、と言われ、
翌日検査をしました。

11月2日に検査結果を聞きに行ったとき、マンモでは出なかったけれど、
エコでは8mmと7mmの腫瘍が見つかったので、腫瘍が良性か悪性か
生体細胞検査をして、確認しておいたほうがいいだろう、ということで、
11月18日に検査をしました。

そして、12月1日、その検査結果を聞きに行って、悪性の腫瘍、つまり
乳がんと言われました。

私は、悪性ということを全く想定していなかったし、まだ小さい腫瘍だから
当分放っておいても大丈夫だろう、山の中の村に引越して、環境が変わり
自然に囲まれて暮らしているうちに、自然とよくなるだろう、と思って
いたので、先生から、「乳がんだから、できるだけ早く手術をして取って
しまったほうがいい。引越しのことよりも命が大切だろう。」と言われても
妙に冷静で、私のことを話しているとは思えない感じでした。

引越し荷物を出している最中に、明日、外科医の診察に来て、と言われて、
「無理」と言って、1週間伸ばしてもらい、予定通り引越しをし、
とにかく、新しい家で暮らせるように片付けて、12月9日、マドリッドへ
行き、外科医の診察を受け、すぐに手術への段取りかと思ったら、MRIを
やってからでないと手術はできないと言われて、ちょうど年末年始と
重なっていたせいもあって、1月3日にMRI検査。

1月11日に検査結果を聞きに行ったけれど、まだ出てなくて、もう一度
13日に出直しとなり、エコで見つかった2つ以外には特に何も出なかった
ので、その部分だけの摘出手術ということになりました。

手術前の血液検査や麻酔医との打ち合わせを19日にして、その後電話が
あり、手術日が27日午後と言われました。

アルベルカとマドリッドを行ったり来たりして通院するのは、ちょっと
しんどかったですが、移動中に一人でいろいろと頭の中を整理したりする
時間が取れたのは良かったような気がします。

3匹が生まれてから、この10年近く、自分のことは全て後回しの生き方を
していましたが、この数ヶ月、やらなくてはいけないことをこなしつつも、
自分のこれからについて、いろいろ考えました。

これから先の人生は、今まで抱えていたストレスをできるだけ減らして
生きたい、そのためには、どうしたら良いのか、何をしたいのか・・・とか。

ぼわ~っとしたアウトラインは既にありますが、それが実現可能ラインなのか、
と現実に照らし合わせてみたら、ちょっと難しいような気もしますが、
何故だか分かりませんが、あきらめずに少しずつやっていけば、きっと
できそうな気がしています。

とりあえず、手術を終わらせて、体調を戻してから顔晴ろうと思っています。



苔やキノコ、粘菌を身近に見るようになって、前にも書きましたが、
癌の細胞と似ているのかも知れない、と思っています。

木々にしても石にしても、自分たちに寄生して生息している、苔や
粘菌、キノコの存在を排除せず、許し共存してうまくバランスを
とっています。

敵として排除しなくても、自分の一部として共存して仲良く生きる
ことができるんじゃないか・・・って。
たぶん、どんな病気も同じなのかもしれません。

そう考えると、手術して取ってしまえばいい、という西洋医学の
考え方を否定しているように見えるかもしれませんが、そうでは
なく、初期段階の取ってしまえば当分は安全、という状況なら
切除してしまって、その後の治療について、自分なりに納得のいく
方法を調べたらいいんだと思っています。

西洋医学と東洋医学、そして民間療法を多角的に重層的に見て、
それぞれの良いところをうまく取り入れて、治療したり、予防する
ことがこれからの医学なのではないか、と前に「融合の世界へ」の中で
書きました。

あの時は、私はまだ患者の立場じゃありませんでした。
私が理想とする世界を、自分とはちょっと離れた世界のこととして
書いたような気がします。

でも、今回の乳がんの診断は、私自身に患者の立場で、自分のこととして
医学の融合をもっと深く考え、実践しなさい・・・ということのような
気がします。
理想の世界の話ではなく、現実の自分の世界のこととして、本気で
やりなさい、ということなのでしょう。

医学という世界は私の専門外ですが、食事・生活・仕事・趣味・・・
つまりは生きること全てが、関わってくるのだと思っているので、
そういう意味で、私なりの何かを見つけたいと思います。

患者自身が主体的に自分自身を癒やすことで、病気が癒えることが
自己治癒力なのでしょうから・・・。



気になる記事をいくつか・・・

◆つむじ風さんの、【TBSが取材に来た!を逆取材!!-岩上さん、傑作-】

◆ルナ☆さんの、【混沌から開拓へ (1/25)】

◆水玉さんの、【イザナミ昇天 (1/25)】


写真の説明・・・
一番上:村の中止へ続く街道沿いの石に生息する、粘菌の一種。
二枚め:1枚めと同じ種類の粘菌ですが、枯れ木に生息しています。
三枚め:石垣の上の苔2種。
四枚め:村の空き家の2階の壁の木の部分に生えているキノコ。
五枚め:柏の木に寄生している、虫の巣。
柏の木の枝の一部を何らかの方法で異常細胞分裂させて、瘤をつくり、
そこに住んでいるのだそうです。。。
最初は、実かと思っていましたが、寄生虫ですって。
木の実の殻のように、すごく固いです。




25/01/2010
晴れ。寒い・・・。
午前中、またカリファクションが止まっていて、部屋の中が
冷えていて、寒い寒い~!

今日、gooで「粘菌 農耕」と入れて検索しても、検索結果は、「年金 濃厚」ばかり。
どうして?変なの。。。

12/22

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7 コメント

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昭和天皇と南方熊楠を結ぶモノ… (サムライ)
2011-01-26 14:01:54
南方熊楠の名前が出てきたので、熊楠に纏わるエピソードを一つ述べさせてください。

現在、今月の14日に皇居で行われた歌会始について、分析したものをブログに書こうと思い、現在纏めているところです。最も、今晩あたり大量の仕事が入ったら、アップは見送りになりますが…。

その歌会始に関連して、現在読み進めているのが『昭和天皇のおほみうた』(鈴木正男著 展転社)という本です。その中で、昭和天皇が最も印象に残っている在野の学者として二人おり、一人が小学校卒の植物学の巨人牧野富太郎。もう一人が南方熊楠だったとあります。その南方熊楠の生涯を扱った本に、『縛られた巨人』(神坂次郎著 新潮社)があり、同書のP.384に以下のような行がありました。

********************
 戦後、民俗学者で当時の大蔵大臣であった渋沢敬三が天皇に拝謁したおり、たまたま話が熊楠のことに及んだ。そのとき天皇は、
「南方はおもしろいところがあったよ。田辺にいったとき、めずらしい標本が献上された。普通は献上というと桐の箱かなんか、りっぱな箱に入れてくるのだが、南方はキャラメルのボール箱に入れてきてね……それで、いいじゃないか」
 と、微笑を泛べながら語られたという。
********************

いかにも南方熊楠らしいエピソードで、微笑ましくなります。和歌山県の田辺市は、南方熊楠意外にも合気道の開祖・植芝盛平翁が誕生した土地でした。同地に親友がおり、一度遊びに行ったことがあります。今から思うに、親友は南方熊楠によく似ており、もしかしたら南方の血が流れているのかもしれません。今度、会ったら確認してみようと思います。幸い、同地は白い道・吉野に近いこともあり、楽しみです。

追伸
小生も、ついにスカイプを再開通しました…(^^)
(2年前に開通していたのですが、マイクの故障で放置していました)
返信する
サムライさんへ (ひろみ)
2011-01-27 08:00:29
昭和天皇がそんな風におっしゃっていたなんて、やっぱり南方熊楠は只者じゃないですね。。。

先日どなたかのブログで、昭和天皇のお言葉が紹介されていて、素敵だな、と思っていました。
「雑草という草はありません。草には、みんな名前があります。」

山の中で暮らすようになって、いろんな草や木や鳥や虫を見て、私はほとんど名前が分かりません。それぞれ名前があるのに、知らないっていうのはなんだか恥ずかしいことなのかも・・・と思っていたときに、このお言葉を拝見して、ドキッとしました。

落ち着いたら、是非スカイプしてみたいですね~。連絡差し上げますので。。。
返信する
Unknown (774)
2011-01-28 18:50:36
http://books.creative.co.jp/share.php
こちらで無料の電子書籍がダウンロードして読めます。
今のhiromiさん、南方熊楠に根本的に通じるものがあるかもしれません。お大事になさってください。
返信する
774さんへ (ひろみ)
2011-01-30 21:26:19
本のご紹介ありがとうございます。
前に松浦博士の照射機やガストン・ネイサンについて書いたときに、見つけていましたが、実際には読んだことがありませんでした。
時間を作って読んでみようと思います。

南方熊楠に通じるものがあるなんて、大それたことは思ってませんが、そうおっしゃっていただくとなんだか嬉しいです。
ありがとうございます。
返信する
Unknown (774)
2011-01-31 13:27:33
ガストン・ネサ-ンの発見したソマチッドや南方熊楠の粘菌の研究についてご理解されているとばかり思っていましたが私の誤解だったようです。
私がお伝えしたかったのは粘菌が環境変化に応じて形態を変化させること、そしてソマチッドが体内環境の変化(悪化)に応じて形態を変化させることにきわめて高い類似性がみられるという事実です。
南方熊楠に通じるとは上記のことを指しています。

返信する
774さんへ (ひろみ)
2011-02-01 07:10:50
昨年ライト博士、松浦博士、ガストン・ネイサンを知り、南方熊楠を知り、シャウベルガーを知り、もっと詳しく知りたいと思いましたが、昨年後半はあわただしくて、残念ながら深く理解するには至っていません。
今年も今からまた忙しくなるので、どうなるかは分かりません。

私は、環境に応じて形態を変化させるというのは、全ての生物に通じる生への希求だと思っています。人間にもその力があるでしょうし、病気もその一つの表れだったり、心も常に一定であるわけではありません。常に変化していると思います。
返信する
Unknown (ひろみ)
2017-11-22 05:47:52
リンクが切れているのに気づいたので、URLを再検索しました。

粘菌で鉄道網の最適設計 中垣教授らにイグ・ノーベル賞
2010年10月1日11時36分
http://www.asahi.com/special/nobel/TKY201010010168.html

なぜ、この記事のことを思い出したのかというと、twitterで見かけたから。

https://twitter.com/tsurikawa_pc/status/932633884382044160

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