【2013年4月17日に提出した公開質問状に対する市からの回答全文】
【10項目の質問・高岡市環境サービス課の回答・回答の問題点】
1.現時点での山田町の震災がれきの量とその内容区分を公開してください。まず量について、可燃物はどれだけ残っているのか。その測定者及び測定方法とともに公開してください。
2.高岡市が受け入れるがれきの種別は、昨年春に岩手県と交わされた当初の覚書の柱材角材から、市民に対する説明がないままに木屑を中心とした可燃物に変わりました。その可燃物中、中心となる木屑の割合と他のビニール・プラスチック等の物質の割合はどうなっているか公開してください。
3.再度がれきに含まれる放射性セシウム含む汚染の測定を行い、その測定者・方法とともに、汚染状態を木屑そのものとその他に分けて公開してください。
【回答の問題点】
●残量は2月末の数量であり、4月9日高岡市職員が現地に出張しているにもかかわらず、4月現在の数量を独自に確認・精査していないのか、がれきの種類別残量も回答されていない。
●測定結果についても、測定業者・測定方法について明示していない。
●可燃物の木くずとビニール等の割合について答えていない。
4.次の新聞報道にもあったように、
「東日本大震災:がれきの交付金『筋違い』高岡市などに処理費の30倍、有識者ら批判」 (毎日新聞2013年03月17日地方版)
http://mainichi.jp/area/toyama/news/20130317ddlk16040363000c.html
がれきの処理費と称して、何十倍も震災復興と直接関係ない高岡地区広域圏が建設中のゴミ処理場の建設費として、平成24年度及び25年度に震災復興等別交付税等を受け取ることは、有識者の批判があるように倫理的に認めがたいものです。
山田町の住民の方々からも、「がれきはプールの跡地など震災前までほとんど利用されていなかった所に置いてあり、復興の妨げになってはいない。急いで広域処理をする必要は全然なく、後回しでいい」など、復興住宅をいち早く建設するために使ってほしいという多数の声が聞かれます。
そうした中、このようにがれき受け入れを決行するのは、全国からのさらなる批判が集中することが予測されます。 巨額な交付金や交付税を受け取ることが、どのように岩手県山田町の復興に資するのか、具体的な事案を挙げて示してください。
5.また、この交付税や交付金を受け取ることを山田町や岩手県の人々はご存知なのでしょうか。ご存知なのであれば、どのような反応を受け取っていますか。その具体的な文書名を挙げて公開してください。
6.この公開質問状を、山田町町長ならびに山田町議会議員にご覧いただき、ご意見を返答いただいたものを公開してください。
【回答の問題点】
●巨額な交付金や交付税を受け取ることが、どのように岩手県山田町の復興に寄与するのか、具体的な事案を挙げて示していない。
●国・県・山田町町長の協力要請があったので、市職員が4月9日現地に出張して現状を確認したとあるにもかかわらず、現地のがれきの残量、復興状況を示すようなデータが、まったく明示されていない。
●高岡市のがれき受け入れについては、このように問題あり、全国からの抗議の声が多数届いていることを、山田町町長ならびに町議会議員に、この公開質問状と全国からの抗議の声をご覧いただくべきであり、それを元に再検討が必要な状況であるにもかかわらず、そのことに全く回答していない。
7.高岡市長が理事長をつとめる高岡地区広域圏事務組合は、環境省のホームページを見ますと、今年度も環境省の循環型社会形成推進交付金の申請をしています。今年度も「一般枠」ではなく、震災がれきを受け入れることのより、昨年度同様「復旧・復興枠」申請しているのでしょうか? そして、循環型社会形成推進交付金および、震災復興特別交付税を受け取ることになるのでしょうか?
8.昨年度は、循環型社会形成推進交付金を「復旧・復興枠」で申請し、高岡市が震災がれきの受け入れを検討するための試験焼却をしたことにより、高岡地区広域圏事務組合が氷見に建設中のゴミ処理場の建設費用として、合計約18億円(内訳は、循環型社会形成推進交付金8億555万円、震災復興特別交付税約10億500万円)という目もくらむような巨費を、本来被災地のために使われるべき復興予算から受け取ったことになります。
本年度のゴミ処理場建設事業の規模は、昨年度の倍近くある訳ですが、循環型社会形成推進交付金、および高岡・氷見・小矢部3市が受け取る震災復興特別交付税がどのくらいの額になる予定か、見積書・予算書・計画書・申請書などと共に提示してください。
9.もし仮に、今年度の循環型社会形成推進交付金を「復旧・復興枠」で申請していたとして、8で回答があった額が、復興予算の流用と非難されるような倫理的に不適当なものであった場合、今の段階ならば申請をいったん取り下げ、震災復興特別交付税の手当てが伴わない、従来の「一般枠」で申請しなおすことは、交付金の内示がでているだけの今の段階では可能なはずです。「国の決めた制度だから、それに従っただけ」といったような理由で、地方自治を放棄し倫理的責任を国に押しつけて、昨年度同様「復旧・復興枠」で申請するつもりでしょうか? お考えをお聞かせください。
【回答の問題点】
●今年度も「一般枠」ではなく、震災がれきを受け入れることのより、昨年度同様「復旧・復興枠」申請しているか。循環型社会形成推進交付金および、震災復興特別交付税を受け取ることになるのか、答えていない。
●「平成24年度循環型社会形成推進交付金及び震災復興特別交付税については、
国の財源内訳の見直しにより復旧・復興枠とされたもの」という回答については、3月13日付北陸中日新聞の取材に対しても、「高岡市環境サービス課は昨年二月からがれきの受け入れを検討しており、その後に国の制度が変わって交付の枠が広がった。見返りのためにがれきを受け入れるのでないと説明している」と答えている。ただし、これは虚偽の可能性が高い。
H23.11.21:H23年度第3次補正予算成立(復旧・復興枠の新設)
H24.2:高岡市ががれきの受け入れを検討
H24.3.15:環境省が「交付金の返還不要」の通達
H24.4.5:H24年度予算成立(復旧・復興枠が継続)
H24.10.4:交付金の内示
H24.11.1:交付金の申請
H25.2.1:瓦礫の受け入れ正式表明
と、H23年度第3次補正予算が成立したH23.11.21時点で、復旧・復興枠は予算成立している。高岡市ががれきの受入を検討していたH24.2の時点でふじみ野衛生組合(調布市・三鷹市)には「震災復興特別交付税」も交付されているのである。もし、これが虚偽でないというのならば、それを裏付けるデータを示すべきである。
●今年度については「循環型社会形成推進交付金の申請については、まだ、行っておりません」との回答について。
それでは、環境省の循環型社会形成推進交付金のサイトの今年度の内示情報、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部「平成25年度循環型社会形成推進交付金内示(第1回)」に、以下のように、6億1360万円の内示額が、早くも平成25年4月1日付で見られるのは、どうしてでしょうか?
昨年度も書類上は、申請を11月1日でおこなっていたが、すでに10月4日に内示がでていた。申請という形式の文書ではなく、それに類する書類を、前年度内から提出しているということでしょうか。それならば、結果的に申請しているのと同じこと。詭弁に過ぎません。「高岡市においては、震災復興特別交付税について、特に申請は行っておりません」という回答も同様です。
このように、内示額がすでに環境省からでていながら、循環型社会形成推進交付金、および高岡・氷見・小矢部3市が受け取る震災復興特別交付税がどのくらいの額になる予定か、見積書・予算書・計画書・申請書などと共に提示していない。
平成25年度
循環型社会形成推進交付金内示(第1回)平成25年4月1日 環境省 大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部⇒ http://www.env.go.jp/recycle/waste/3r_network/3_naiji/h2504.pdf より 抜粋
●循環型社会形成推進交付金について、今年度は申請するかしないか、昨年度同様「復旧・復興枠」で申請するつもりか、従来の「一般枠」で申請しなおすか予定があるか、回答していない。
10.別添資料の全国から集まった抗議の声のように、高岡市が復興予算の横取りといえるような倫理的に不適切ながれき受け入れ政策を強行する恥ずべき事態に陥っていることは、日本中に知られているのが現状です。これほど全国からの多くの批判の声があがった以上、高岡市長・高岡市議会は、真摯な態度で受け止めると共に、誠意を持った対応が必要です。どのように対応されるのでしょうか? 対応策とその責任部署、責任者名を明示してください。
【回答の問題点】
この質問に関しては、まったく回答がない。これほど全国からの多くの批判の声があがった以上、高岡市長・高岡市議会は、真摯な態度で受け止めると共に、誠意を持った対応が必要な状況にもかかわらず、不誠実きわまりないことです。