東進なう

東進衛星予備校天王寺校、天王寺駅北口校、西田辺駅前校のブログです♪
今日もみんな頑張って勉強してます!

タメログ!~古文単語・『ことに』~

2014年10月04日 | イベント

 

 

 こんにちわっ 担任助手の築地によるタメになるブログ、通称タメログの第一回です

 まぁまぁ初回ということでね、このブログがどのような趣旨のもとに、どんな形式でスタートしていくのか、軽くガイダンスをしていこうと思います

 どのような趣旨でこのブログが始まったんですか?---それはもちろん皆さんの快適な受験生ライフをサポートするためです 『あー、勉強疲れたな、そうだ、一区切りだし東進なうでも見ようっと。お、タメログが更新されてる。ははは、相変わらず個性的な書き方だなぁ。へぇ……こんな古文単語もあるんだ。覚えとこ』 こんな感じに勉強の疲れを癒し、かつ勉強のタメにもなり、かつ築地先生の株も上がる(?)一石三鳥の趣旨のもと、高校一年生~受験生全てに何かしらの『学べること』を発信できるブログにしていこうと思います

 どんな形式でやってくの?---それはまぁ、状況と科目とその時の気分で。

 

 

 ではではタメログ第一回、古文編をやっていきましょう 参考文献はマドンナ古文単語改訂版230です

 今日皆さんに覚えて帰ってもらいたい古文単語は     『ことに』    という単語です。 え? 知ってる? 常識すぎる? 

 まぁまぁ受験生の皆さんにはそうかもしれませんね。それぐらいの超超頻出単語にして必須単語です。 知らなかったら焦って下さい。そして憶えて帰りましょう。

 では、『ことに』を使った短歌を一つ挙げてみようと思います。

 

 

 

 琴ヶ浦 孤島の小鳥 コトコトと 『ことに』『ことなる』 なき声上ぐる

 

 

 

 

 注目すべき『こと』は初めの4節が全て『こと』から始まっている『こと』ですね。『こと』の音を作るために『琴』ヶ浦なんていう実際には存在しない浦をでっちあげて、『コトコト』なんていう鳥の鳴き声もでっち上げました。それもこれも僕の迸るユーモアセンスが……(以下略) 

 ……こほん。さて、この短歌には二回、『ことに』という単語が登場しました。まぁそのうちの一つは副詞ではなくて形容動詞の『ことなり』だったりするんですが、そんな『こと』はどうでもいいんです。ことだけに。( ̄▽ ̄)ドヤッ

 古文の文中で『こと』という文字をみかけたら、まず二種類の漢字を当てはめてみてください。

 ①特殊の『殊』という文字 ②異変の『異』の文字 の二種類です

 ①の場合、つまり殊にという文字にした場合、その意味は『特別に、格別に、特に』などという意味になります。殊更にという言葉が詰まって殊に、となったと思えば憶えやすいと思います。

 ②の場合、つまり異にという文字にした場合、その意味は『違う、異なる、変わっている』などという意味になります。現在でも異なるという言葉は使いますので、こちらはイメージがつきやすいと思います。

 じゃあ↑の短歌の場合はどうしたらいいのか。どう当てはめたらいいのか。テストや試験の場合、全ての可能性をいちいち検証している時間はありません。殊に殊なる、殊に異なる、異に異なる、異に殊なる。この4パターンを全部当てはめて考えるのは時間のムダです。なので、文意からある程度予測をつけておくのです。

 ↑の場合で実際にやってみましょう。さっと読んで言えることは孤島で小鳥がコトコトという鳴き声を上げていることです。……おかしくありませんか? 普通の鳥ってチュンチュンとか、ホーホケキョ。百歩譲ってもキョキョッキョキョキョキョー(ヤンバルクイナ)ですよ。コトコトなんて鳴き声の鳥はいません。変なんです、異常なんです。

 ここで、その鳴き声を修飾している言葉が、『ことに』『ことなる』だということを思い返してください。ことなるを異なると読めば、それは古文の世界では変だ、という意味になります。おお 考えていたのとぴったり一致しているではありませんか ここで後半の『ことなる』が異なるだと分かります。小鳥の鳴き声が変だ、と言っているわけですね。

 さらにその変だ、といっている部分にも『ことに』という副詞が付いています。どういう風に変だといっているのでしょうか? もちろん、格別に変だと言っているわけです。つまり『ことに』『ことなる』は殊に異なる……格別に変な、という意味になるのです。

 では、短歌の直訳、それから意訳の順に書いていこうと思います。

 琴ヶ浦の孤島の小鳥が、コトコトと格別に変な鳴き声を上げている。  これが直訳です。そして意訳は…

 琴ヶ浦にある孤島の小鳥が、コトコトという奇妙極まりない鳴き声を上げている。なぜか、私にはその声が泣き声のように聞こえた。  という風になります。  

 

 

  ~受験生のための発展タメ知識・掛詞~

 ここで、受験生のために一段階高度な短歌のテクを伝授したいと思います それはずばり、『掛詞』

 掛詞とは一つの言葉に二つの意味を乗せた言葉のことです。実は↑の短歌の中にも登場しています。

 それはズバリ、『なき声』です。意訳の時点で気づいた人もいるでしょうが……鳴き声と泣き声。この2つの言葉がなき声に掛かっています。

 見分け方、注意の仕方はこれまた簡単 注目ポイントは ひ ら が な です  普通の流れで読めば↑の短歌のなき声は鳴き声です。だったらどうして『なき』の部分を漢字で書かないのでしょうか? それは、その部分が掛詞であると暗に示しているからに他ならないのです。簡単な漢字のはずなのに、わざわざひらがなで書いている部分。それは掛詞である可能性が高いです。それに気が付くことができれば、意訳ももっと奥ゆかしいものになるし、選択問題も選びやすくなると思います。

 

  よく出る掛詞の例:まつ→松、待つ  おきて→起きて、置きて

 実際に問題で出て、ちょっと驚いた掛詞:すみよし→住吉、住み良し

  ~終了~

 

 さーぁ、ずいぶんと長く、そして回りくどく話をしてきたと思いますが、今回のブログで皆さんに憶えて返って欲しいことは『ことに』の意味です。

 この言葉は本当に何度も何度も出てくる超超頻出古文単語の一つです。ぜぇっっったいに憶えてください

 それから受験生の皆さんは掛詞の方も憶えて帰ってくださいねっ

 それでは最後にもう一度『ことに』の意味を書いて、今日のタメログを〆たいと思います

 

 ことに(殊に・異に)

・殊に、と文字を当てた場合……特別に、格別に、特に、殊更に

・異に、と文字を当てた場合……違う、異なる、変わっている、変に

 

 それでは皆さん、あるかも分からない第二回タメログで、お会いしましょ~ 担任助手の築地でした


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