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勃ちあがった象の白い涙の物語

ロックンロールにゃ老だけど死ぬにはチョイと若すぎる

「レベル・ハート」 マドンナ

2016-05-09 20:03:30 | 音楽
個人的に、マドンナは、史上最強の女性アーチストだと思っている。
まず何より、彼女は、そのデビュー以来、一貫して「女という性」をウリにしている。
それは、四半世紀を超える年月であり、これだけの長期間、「女という性」をウリにし続けるなんて、普通なら出来るわけがない。
稀に、風俗嬢で四半世紀以上現役の姫がいたりはするが、それは、どちらかというと、長年の経験で積み重ねてきたテクニックをウリをして生き延びているわけであって、これだけの長期間を「女」という魅力だけで生き延びているわけではないであろう。
しかしながら、マドンナは、もう還暦に手が届きそうな年齢になりながら、いまだに「女という性」をウリにし続けている。
もちろん、彼女の場合、直接に性的な行為をするわけではないが、それでも、これだけの長期間、「女」を観客に感じさせる容姿を保ち続けるには、並大抵の努力ではないであろう。

また、彼女は、その節目節目で非常に反抗的な楽曲を発表してきた。
それは、時にはキリスト教などの宗教系の人々や政治的な人々の反感を買ってきたのであるが、それでも、彼女はその姿勢を変えようとしない。
それは、ある意味、非常にロック的であるといえる。
それだけに、それは、反感を覚える人以上の数の賛同者や同意を得てきたわけであり、もしこれが、計算されたうえでの行動であるとするならば、これはすごいことだと思う。

そして何より、彼女のアルバムには、その時々の最新の音が反映されていて、これにより、彼女は、常に最前線で活躍しているアーチストであるという印象を、我々聴衆に与えてくれている。
これは、ニューヨークのストリートミュージックを反映させたデビュー・アルバム以来の一貫した姿勢であり、この「レベル・ハート」でも、その姿勢は崩れていない。

どんな偉大なアーチストでも、そのキャリアにおいては山谷があり、老いとともに、最前線から撤退し、現役を退かざる得なくなるものであるが、ひょっとすると、彼女は、そういうものから逸脱する初のアーチストになるかもしれない。