少年トッパ

甲斐バンド@武道館(09.2.7) その1

 まずは総評。いや、総評ってのは偉そうですが、全体を通じての感想を。

 演奏や照明はまさに「職人芸」で、見事の一言。甲斐さんの機嫌も良く、とても安定感のあるライブでした。
 在りし日の大森さんの姿をスクリーンに映し出す、という趣向には感動。1秒たりとも見逃すまいと、ひたすらスクリーンを凝視しておりました。
 終演後、つくづく思ったのは「来て良かった」ということ。あの場に立ち会うことができた幸福を、今もしみじみと噛みしめております。

 曲目は下記の通り。

オープニングSE) ROUTE 66/ナット・キング・コール
1) きんぽうげ
2) 感触(タッチ)
3) ガラスの動物園のテーマ~らせん階段
4) ナイト・ウェイブ
5) シーズン
6) ビューティフル・エネルギー
7) カーテン
8) シネマ・クラブ
9) 裏切りの街角
10) かりそめのスウィング ※甲斐・松藤・一郎の3人で
11) 安奈
12) 嵐の季節
13) 地下室のメロディー
14) 氷のくちびる
15) ポップコーンをほおばって
16) 翼あるもの
17) 漂泊者(アウトロー)
18) LADY
19) HERO ヒーローになる時、それは今

アンコール1
20) 25時の追跡 ※1986年の大森さんの映像を上映
21) 胸いっぱいの愛
22) テレフォン・ノイローゼ ※バンドVer.
23) 観覧車'82

アンコール2
24) 破れたハートを売り物に
25) ラヴ・マイナス・ゼロ
26) 街路~100万$ナイト
エンディングSE) 熱狂(ステージ)

 では、レポめいたものを書いていきます。えっと、ところどころ辛口になるかもしれないけど、どうぞご容赦を。

*     *     *     *     *

 武道館に着いたのは、開場時間である午後3時より少し前。まずはグッズ売り場を覗くが、覗いただけで何も買わず。昔はツアーパンフを必ず購入したし、Tシャツもよく買っていたのだが、ここんとこフトコロ具合が厳しいのだ。ちなみに、武道館のみの特別グッズは確かTシャツとタオルだけ(だったよね?)。どちらもツアーで販売されたものと少し色やデザインが違っているらしい。
 そういえば、なんで今回はツアーパンフを作らなかったんだろ。作れば必ず売れるのに。僕だって心が揺れたかも。

 会場に入ったのは3時半近くだったかな? 入口の前には花がいくつも飾られていた。EMIミュージックとか文化放送とかWOWOWとか大黒摩季とか。
 中に入って、とりあえずトイレ。表示に従って行ってみたら、なんと男子トイレが女子用に変わってるじゃん。まあ、仕方ないけど。さらに歩いて、別の男子トイレに入る。

 いよいよ座席へ。今回は1階南ブロックの5列目だ。列ごとに段差があるので、前に背が高い人がいても視界が遮られることはない。2メートル以上のバスケ選手とかが来ない限り大丈夫。
 自分の席からアリーナを見下ろすと、なんか、ものすごく狭い気がする。武道館って、こんなに小さかったっけ。オレの身体が大きくなったのか?
 しかし、よく考えると、この1階席の真下にも客席があるんだった。見える範囲だけで判断しちゃダメですね。これは人生にも言えることで……って、野暮な教訓は控えときます。
 ただ、翌日のスポーツ紙などに載っていた「1万人」ってのは、ちょっと水増ししているんじゃないかな。客席がシートで覆われていたところもあったから、たぶん7000~8000人ぐらいじゃない? まあ、だからって、ライブ自体の価値が下がるわけじゃないけどね。

 座って開演を待っていると、隣の隣の席のY君から「船越英一郎が来た」という伝達。見ると、おおっ、確かに2時間ドラマの帝王の姿。って、2時間ドラマはほとんど見たことないんですが、映画なら『ラブ・デス』や『涙そうそう』でお姿を拝見してますぜ、旦那。デカいガタイに黒い革ジャンが似合ってますな。スターのオーラを感じました。
 その少しあと、今度は「ポカスカジャンが!」という情報。おお、確かにポカスカジャンの面長の兄ちゃんだ(あとから名前を調べたら「大久保ノブオ」でした)。この1階南ブロックには関係者席もあるので有名人が来ることが多いとは聞いていたけど、やっぱり来るんだね。しかし、確認できたのは結局その二人だけ。あとから聞いたら、土屋公平、西村智彦、萩尾望都、香西かおり、亀和田武なども来場していたらしい。錚々たる顔ぶれじゃん。

 開演時間は4時なのだが、例によって時間通りには始まらない。甲斐バンド及び甲斐よしひろのライブでは「15分遅れ」が普通なのだ。30分遅れることもある。ここは座席があるのでまだいいけど、スタンディングで30分も待たされたこともあった(開演時間の前から立っているわけなので、場合によっては1時間以上)。これは明らかに「悪習」なのだが、一向に直る気配はないなぁ。って、ついつい苦言を呈してしまいました。甲斐さん、次のライブには開演時間ピッタリに始めてみましょうよ。

 時計を見てなかったので正確な時間は分からないけど、場内に流れていたBGMが聞き覚えのある曲に変わった。ボリュームも大きくなっている。客席にざわめきが広がり、みんな立ち上がり始める。僕も「この曲、タイトルは何だったっけ」と思いながら(あとから「ROUTE66」だと教えてもらいました)立ち上がり、手拍子をする。ステージにメンバーが次々と登場する。松藤英男、田中一郎、佐藤英二、坂井紀雄、前野知常、マック清水、徳広裕、JAH-RAH。それぞれが自分の持ち場に就き、スタンバイする。
 いよいよ始まるぞっ、とワクワクすべき瞬間なのだが、どうも釈然としない。なんでオープニングSEが『25時の追跡』じゃないの? それとも、いま流れてる曲のあとに『25時の追跡』なのかな? それにしてはメンバーが出てくるのが早すぎるんじゃない?
 そんなモヤモヤした気持ちを振り払うかのように、ジャージャッ、ジャ、ジャージャッと印象的なイントロが響き渡る。こ、これは、『きんぽうげ』! 僕が行った二度の名古屋公演では『胸いっぱいの愛』が1曲目だったが、この武道館では『きんぽうげ』をトップバッターに据えたわけだ。なるほど。長らく甲斐バンドのライブでオープニングを飾っていた曲だったので、さぞかし感慨深かったファンも多いんじゃないかな。僕としては『ブライトン・ロック』を望んでいたわけだが、まあ、文句はありません。
 甲斐よしひろがステージに登場し、観客は大歓声で迎える。さあ、ショーの始まりだ。甲斐よしひろが歌い、観客も手拍子しながら歌う。ああ、楽しい。しかし、ちょっと残念だったのは、ところどころ甲斐さんが歌わなかった箇所があること。ほら、アンコールとかで盛り上がってる時って、時折マイクを客席に向けて「ここはお前らが歌え」というノリになるでしょ? でも今回は1曲目なので、すべての歌詞を甲斐さん自身が丁寧に歌ってくれると思っていたのよ。しかし、やはりいつもと同じで、ところどころ歌詞を飛ばす。うーーん。
 続いて『感触(タッチ)』。これが2曲目というのは名古屋と同じだ。不満はないけど、正直言ってこの曲の軽やかさがいまひとつ好きになれないなぁ。しつこいようだけど『ブライトン・ロック』のように激しく荒々しい音、もしくは『マッスル』のように重低音が腹に響くような曲を聴きたいのだ。とは言いつつも、もちろん楽しんだけどね。
 『感触(タッチ)』が終わり、サックスの音が響き渡る。『ガラスの動物園のテーマ』だ。吹くのは、もちろん徳広裕。名古屋の時はステージの端っこすぎて、おそらく観客の3分の1ぐらいが姿を確認できなかった御仁である。終盤の『HERO』で前に出てくるのだが、それまでは「サックスはテープで流している」と思ってた観客もいるんじゃない? しかし、さすがに武道館のステージは広いので、しっかりと徳広さんの姿を確認できる。

 と書きながら改めて思ったけど、座席指定のライブってのは座席によって見え方が全然違うよね。武道館の場合、1階の最後列はおそろしくステージを見づらいんじゃないだろうか。おそらく、天井(というか2階席)が邪魔になって、ステージの上の方は見えないはずだ。これは名古屋市公会堂と同じ。いや、あれよりマシか。だってさ、名古屋市公会堂の2階席後方で立ち上がると、頭が天井にぶつかるのよ。武道館の場合、それはないだろうけど、ずいぶん見づらいだろうなぁ。あと、アリーナでも端っこの方だと、やはり徳広さんの姿は見えなかったかも。同情します。そうやって考えると、この1階南スタンドってのはホントに恵まれてるなぁ、と思いました。

 さて、本題。『ガラスの動物園のテーマ』のあとは、言うまでもなく『らせん階段』。昨年のステラボールでは、この曲で多くのファンが泣いたものだ(よね?)。初期の甲斐バンドを象徴するような文学性と生真面目さに満ちた歌詞が胸に刺さる。いい曲ですわ。

 今日はここまで。続きはしばし待たれい。あと、ほとんど推敲してないので、誤字脱字があったらゴメン。

コメント一覧

トッパ
みぃ@さん、ご報告どうも! そうそう、シャンパングラスがあったんですよね。売れたのかどうか、ちょっと心配です(笑)。

プレミアムチケットのオマケ、オフ甲斐で見せてもらいました。エコバッグとクリアファイル、それに赤いタオルマフラーでしたよ。奪って逃げようかと思いました(笑)。
みぃ@
お邪魔しま~す。
武道館限定グッズはTシャツ・黒とグレー、タオルマフラー・紫(柄はツアーで売った黄色と一緒)、シャンパングラスでした。
私はグレーTのみ購入しました。

ちなみにプレミアムのオミヤは「タオルマフラーの色違いの赤」だったそうですね。
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