顧客のニーズにしっかりと応えること。これがサービス業、いや、ビジネスの基本である。映画においては、観客が観たがっている映像を見せることが、映画制作者の正しい行いであろう。
そこで『ファンタスティック・フォー 銀河の危機』である。近年、これほどまでに観客の要望にしっかりと応えた作品は珍しいのではないか。なにしろ、1作目を観た者が待ち望んだものが何度も何度も画面に映し出されるのだ。まさに快挙。素晴らしいサービス精神である。
観客が待ち望んでいたものとは何か。迫力ある戦闘シーン? 手に汗握るスリリングな展開? スピーディーな追っかけ? 雄大な景色? 生きることの素晴らしさを謳う感動的なセリフ? ちっちっち、そんなもんは他の映画に任せときゃいい。この『ファンタスティック・フォー 銀河の危機』を観る者が心から欲していたものは、ただひとつ。ジェシカ・アルバがメガネをかけているところ、である。……だよね?
前に書いた通り(って実際には伏せ字にしたあったけど)、『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』における最大の見せ場は、ジェシカ・アルバがメガネをかけて現れたところだった。しかし、それはほんの数秒間で終わったし、アップにもならなかった(なので、そのシーンを覚えていない不届き者も多かった)。
そして、そのうちまたメガネ姿を見せてくれると思っていた観客は、虚無感と徒労感を味わいながらエンドロールを眺めることになった。もちろん、メガネをかけていなくてもジェシカは充分すぎるほど魅力的だったし、作品自体にもそれなりに満足できた。だが、心の奥底では、多くの者が思ったはずだ。もっとジェシカにメガネを、と。……だよね?
そうしたひたむきな願い(なのか?)は、きっと制作陣にも伝わったのだろう。律儀な作り手たちは、この2作目で顧客のニーズにしっかりと応えてくれた。ジェシカ目当ての観客たちは、繰り返し繰り返し出てくるメガネ姿を心ゆくまで楽しむことができたのだ。いやぁ、ホントに素晴らしい顧客サービス。世のサービス業従事者たちは、この姿勢を見習うべきである。
日本を舞台にしたシーンが明らかにヘン? 悪役のキャラが弱い? 危機的状況のはずなのに緊迫感が足りない? 全体的に安っぽい? ちっちっち、そんなこたぁどうでもいい。とにかく、ジェシカ・アルバがいる。そして、メガネをかけたりウェディングドレスやケッタイな着物(花嫁衣装に見えないところはご愛嬌)を着たり、お約束の「公衆の面前で素っ裸」状態を披露してくれたりして、観客の目を楽しませてくれる。それで充分じゃん。あー、楽しかった。
付け加えておくと、ジェシカ以外のメンバーだって好演している。というか、主要キャスト4人は見事なハマリ役であると思う。このメンバーで3作目もよろしく! なるべく早いペースでね。
あ、そうだ。贅沢を言えば、ジェシカのメガネ、もうちょっと細いフレームにしてくれたら、僕としてはさらに有り難いなぁ。すんません、完全に好みの問題ですね。
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トッパ
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