徒然日記

内容非保証 ひだりのカテゴリーでフィルタすると、各ジャンルの情報だけ表示できるよ!

[感想] タニタの働き方改革の取り組みに思う

2019-11-26 18:13:34 | イノベーション!

 

  さらば正社員 タニタ流「個人契約」が雇用を変える
  2019年11月25日 日経新聞
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52473440S9A121C1X12000/

  タニタ本社、1割が個人事業主 「就社」から「就職」
  2019年9月21日 日経新聞
  https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50096540R20C19A9EA5000/

 

若いころ、終身雇用は「無期懲役」みたいだと思った。
当時、新谷かおるの「AREA88」という漫画があり、中東で傭兵として(本人の意思ではなく)勤務する主人公がカレンダーに×をつけながら「契約期間の3年は長すぎる」と涙するシーンがあった。 3年でも長いのに永久というのは救いがない。と思ったものだ。

その後、「転職」は当たり前になり、転職できるか(=市場価値があるか)というバロメーターが生まれた。
転職できるように価値を高めるというモチベーションが生まれるようになった。

会社の名刺をたくさん持っているということはそれだけ、いろいろな人と出会い、仕事に出会った事はもちろん、そこへの道を切り拓ける価値を身につけてきたということでもある。

私が暮らすIT業界は特にその傾向が顕著だ。 知人はみな、所属した会社の名刺が6~7種類はあったりする。多すぎりゃあいいというものでもないが20年~30年間もあれば、それくらいあってもおかしくないだろう。転職しない人は売れ残りと言われたりする。

現在、IT以外でも会社を変えるのは当たり前になってきた。 転職をサポートしてくれる会社も多い。 転職者を期待する会社も多い。 転職は楽になったなと思う。 逆に、会社の立場で考えると、人が去ってゆく(社員に捨てられてしまう)可能性も高くなっていると言える。 人手不足の現在、捨てられると代わりの人を探すのも大変だろう。

そんな今、3年契約で都度更新という雇用形態を導入するタニタの決心はかなりのものだ。と思う。

下手をしたら、社員にバンバン捨てられてしまうかもしれないから。 しかし、考えようによっては3年単位で見直しの機会があるので、いきなり捨てられてしまうリスクが少ない。 もしくは捨てられそうになってもリカバリーのチャンスがある。 とも言えるのかもしれない。

就労者の立場で見ると、ひとつ嬉しいことがある。 定期的に見直すタイミングがあることで、別れるときのちょっとした心の痛さがなくなる(少なくとも緩和される)ことだ。 転職は社員が会社を振るわけなので、恋人に別れ話を切り出すときのような、ちょっとした後ろめたさがある。 年数が決まっているとそのタイミングで見直すのは正当になるからだ。











会社によっては目標管理(MBO)という仕組みを持っている組織もある。 これもまた、良い。 同じように定期的に「今後どうすべきや?」を見直す機会に恵まれるからだ。 そのタイミングにむけて、自身の価値や目標を再確認できるし、別の道への準備もできる。


いずれにせよ、日本企業は今後従業員からの支持を獲得することに苦労することになるだろう。
いままでそんな努力をした経験がない(人余りだったから)だけになお深刻だ。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿