異視点

世の中のなぜ?人生のなぜ?宇宙のなぜ?を垣間見ましょう!

白髭鷹

2013-12-26 17:22:14 | 物語:『多次元世界にあるライフシアター』
物語のつづき    物語78



すてりん、ころころ
こてりん ころころ


俺の目には一瞬、見渡す限りの大草原と美しい青空が流れたように見えたが、
それはこのピラミッド型の乗り物が下方の岩壁に向かって流れ落ちただけだった。
まるで風船にでも乗っているかのようにそのピラミッドは、ふわふわとゆっくり降下しだしたのである。


フットボールが地面を転がるように、歪(いびつ)な跳ね方をしながら、
黄金色のピラミッドは崖をゆっくりと降っていく。


ぽろりん ころころ
ころりん ころころ


ピラミッドの中に乗っている俺には、その弾みも心地よく、
宇宙遊泳をしているようにしか感じられなかった。


中は明るいが、外は真っ暗だ。
深海の中を底のほうへ降りていく潜水艦を彷彿とさせる。



「あー、うほん。
 三嶋 総じゃな。。。
 怖がることはない」



“人間何でも、初めてのことに対しては緊張するものである。
いったい何がどうなるのだろう・・・”



「ふーん、おぬしも
 地上人生では、ずいぶんと
 運命に翻弄されて生きてきたようじゃのう。
 念力が足りぬわ」
白髭鷹(びゃくしおう)は、俺に背中を向けたまま、
そうしゃべりかけてきた。



「念力・・・」
久しぶりに聞いた言葉のような気がした。
日常生活ではあまり使わない言葉だろう。
“何を言ってるんだこの老人は・・・
だって、俺はエスパーじゃない”
老人に聞こえないように俺はそうつぶやいた。


しばらく下降しただろうか、
落下スピードが次第に増していく感じがした。


「自信が足りないんじゃ。。。つまりな。
 もっとな、“こうしたい”と思ったときな、
 “でも難しいだろう”なんて考えたらいかんのじゃ。
 すぐ、腰砕けになるようではいかんでのう」



「は?」



「心の力が弱いんじゃ。
 人を説得するときとかな、例えばの話じゃぞ。
 うーん、
 相手方に『いや、それは難しいですよ』なんて言われて、
 すごすごと諦めて帰ってくるようではダメなんでな。
 “絶対にオトしてみせる”とな。
 全然意気消沈しないで当たっていかなくてわのぅ」



「いやあ、普通じゃないですか?
 そんなの・・・
 普通の人間はそんなにポジティブになれないですよ」



「普通じゃのう」



「じゃ、いいじゃないですか。
 咎められるほど悪いことはしてませんよ僕は」



「いいんなら、いいんじゃ。
 人生をいたずらにだな、
 本当はできることも、ことごとくできないという
 結果にしていく。
 普通人と言えば普通人じゃな
 人間はみんなそうじゃ」



「ん?
 できるんですか?
 やろうとすれば」



「ガッツじゃな。
 “俺ならできる”と思わんから、
 運命に翻弄されているかのような人生になるんじゃ」



ピラミッドの中は随分、狭苦しくて窮屈なのではないかと思ったが、
なぜか中は意外と広く感じられる。
操縦桿らしいものも全然見当たらなく、
どうやって操縦しているのか皆目検討がつかなかった。

格子状と言うのだろうか、
チェックと言えばいいのだろうか、
床はそのような模様の青色とグレーの落ち着いた床面である。
その中央に星型のマークがあって、
とにかく俺はそこにあぐらをかいているのである。

白髭鷹(びゃくしおう)が座るための操縦席だけは、
ずいぶん高級そうなデラックスシートかと言えば、
これまた、うーん、海辺にあるような大きな石のようだ。
といっても、単なる石ころとは違って、大理石のように美しく、
彼の身体がちょうどすっぽり埋まるように、
見事に形が整えられている。

丸い窓が3つ。
側面に二つ、底面に一つある。
これで一様外の様子を見ることができるのだが、
さらに、大きな四角い窓が一つ前方に存在する。
この四角い窓は、スクリーンに変わる場合もあるようだ。



かなりの深さまで落下してきたように思う。
そろそろ天上界の底辺あたりまで降りてきたんじゃないかしら。。。


乱気流に突入したように、
急にピラミッドが深く沈みこんだ。

真っ暗な外、
黒の中の黒、
暗黒の世界を漂う幽霊舟をうかがわせる。
その黒い空間を
遠くから、パチ、パチと
稲光のような光が外の空間を走ってくる。

白髭鷹(びゃくしおう)は、戦う前の土佐犬のように、
堂々として前方の窓を見つめている。

不安な気がするのは気のせいだろうか。。。
俺は、
気弱な性格がまた頭をもたげるのだ。


つづく


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真右衛門のメッセージ

2013-12-20 00:00:07 | 物語:『多次元世界にあるライフシアター』
物語のつづき    物語77.


「さあ、立ちなさい。総。
 ここで(霊天上界で)善い経験ができましたね」



「UFOにまで遭遇しちゃいました」
俺は、右手の人差し指を鼻の下にあて、そこをこすりながら、少し笑ってみせた。



「この広い大宇宙の中に、
 数えきれないほどの星が存在し、
 その中のたったひとつの星の上で生きている人間の
 肉眼にとらえられたことのみしか信じられないという
 愚かなるかな人間たちよ」
白髭鷹(びゃくしおう)も立ち上がりそうつぶやいた。



「はは、少し厳しい言い方でしょうが、
 白髭鷹(びゃくしおう)さまの言う通りなんです。
 つまり、
 そんなに狭い了見しか持ち合わせていないならば、
 人類はまさに、かごの中の鳥、あるいは、
 家庭の中にある小さな水鉢の中で生きている
 魚と同じようなもの。
 永遠に真実は究明できませんよ、ということですね」
真右衛門は、忠蔵にまたがって、笑いながらそうフォローした。
決してフォローになっていないと思うが。。。。



「総さん、
 そろそろ行きなさい」
そう言って、真右衛門は馬に騎乗したままサムライの大きな身体をかがめ、俺を優しく抱きしめた。



「真右衛門・・・」
なんだか涙が一滴、
頬をつたわった。
その涙は俺のではなく、真右衛門のものだった。



「これから、
 たくましく生きていくのですよ。総。

 では、最後にメッセージを言い残しておきましょう。




 人々よ、
 
 先入観を捨て、
 
 自らを虚しくせよ



 あなたがたは、手に手を取り合って、

 共に助け合いながら生きていきなさい。

 友のために命を流すのが人間である。



 すべては神に帰す。
 
 仏教的には仏、
 
 すべては神仏に始まり、
 
 神仏の世界の中で
 
 神仏の思いの中で
 
 存在する



 人間よ、愚かとなるな

 あなたがたは、賢い者となれ
 
 本来そうであるように

 あなたがたは、

 とてつもなく、

 輝かしく、

 尊く、

 美しく、

 善なる存在である

 これこそが
 全生命が否定してはならない
 
 捕らえ方です。



 愛よ無限に

 善よ彼方まで

 光よ永遠に

 すべての生命に

 調和と平安を

 そして

 あなた方ひとりびとりに

 幸福が満ち満ちるように



 総よ、これを伝えてください
 私は、常にあなたを見守っています
 そして、
 地上の人間にも
 同じように、そのような存在がついています
 あなたがたがそれを認識できようが、できまいが・・・
 しかし、
 そのような存在の力を生かすも殺すも
 あなた方の波長にかかわっている
 すなわち、
 あなた方の心の状態が
 神仏の方向に向いているか
 地獄的なものに向いているか

 そういうことである

 伝えよ!」



シュー――んんん!!!
一瞬立ちくらみのようにふらふらとした。
白い光で目の前を覆われた。
 



「では、地上にもどってもらいましょう」
太陽の光が真右衛門の白い歯を照らした。

「さあ、この中に入って。
 次に目が覚めたときには、あなたは病院の中で肉体に納まっているでしょう。
 では、白髭鷹(びゃくしおう)さまお願いいたします」



真右衛門が促しているところは、
大きさは2メートルくらいの黄金色に輝く、ピラミッド型の乗り物だった。
その中へ入ってみると、中には白くて立派な髭をたくわえた仙人のような老人
つまり、白髭鷹(びゃくしおう)が、いつの間にか中に居て俺を迎えている。

「その真ん中のお星さまのところに座るがよい」
老人がそう言うと、断崖絶壁からポロっと下へ落ちてしまうように、
ピラミッドが崖から滑り落ちた。


つづく


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海ぃ

2013-12-19 21:14:11 | 日記


長崎におります。


たくさん海の幸をいただきました。


北海道のお魚にも負けず劣らずのおいしさでした。


海の見えるホテルの一室


これから記事を書こうと思います。


こういう場所だとインスピレーションが沸いて


書きやすいか!?


と言うと、


わたくしの場合はとくに変わりません。


事務所で、まわりに人が居てもかまいません。


日付が変わる頃には更新できると思います。





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パンク

2013-12-16 02:20:13 | 日記
いい加減ブログの更新をしないといけない、

桃崎です。

自転車の空気がすぐに抜けるので

修理に行ったら、

自転車屋さんのおじさんが、

ものの1分くらいで、

「どこにも穴がみつからないから、

 そのままチューブ戻すな」

と言いました。

結局何もしてもらえなかったので、

帰ろーとしたら、

「900円だよ」

と言いました。

「この人の時給54000だな」

と思いましたが、きちんと

支払いをして、帰りました。



ところが、

治せなかったはずの

タイヤですが、

なぜか、それ以来

空気が抜けなくなりました。

900円払ったかいがありました。

いい自転車屋さんです。


仙人の出現

2013-12-03 11:40:00 | 物語:『多次元世界にあるライフシアター』
物語のつづき     物語76. 


突然
ひゅーんんんんんんんんんんっっっっバババ!
という音がしたかと思うと、
空中で光が無数に散乱した。
その後、
ひとつの光の玉が前方の彼方に落下していった。

“何だろう!?”

ここ、霊天上界では、事故のようなものを見ることはないのだが・・・

「真右衛門さん、何ですかねあれは?」



「うん、
 行ってみましょうか、総」



天馬の忠蔵がヒヒヒヒーンン!!!という雄たけびとともに、
人間のように後ろ足だけで立ち上がり、
前足を犬掻きのようにバタバタとさせた。
その光景は発情期を迎えた雄馬のように喜々としていた。
真右衛門は直立不動のまま右腕を一旦真上に上げた後、
ゆっくりと前方に向かってその腕を下ろし、まっすぐ前方を指し示した。
その白い5本の指先がピンと張り詰めている。

忠蔵に乗ってひとっ飛び、一気に光の玉が落ちて行った場所に行く
のかと思ったが・・・真右衛門は「走って行こう」と言う。



富士山のような形をした山のふもとが大きな谷になっていて、
その近くまで行くとヒトキワ大きな断崖絶壁が目の前に広がっている。
さっきの光の玉はこの崖の下に落ちて行ったようなのだが・・・

「真右衛門さん、
 あれって、UFOみたいでしたよね。
 でも、助からないんじゃないですか?
 こんな深い崖に落ちたんじゃ」



「そうですね、
 あの勢いじゃ、機体の損傷もひどいでしょうしね
 生きてないかな」



「助けに行きましょうか?いちおう・・・」
俺は、ダメもとでもいちおう助けに行くのが、
人道的というものだろうと思い真右衛門にそう促がした。
と、そのとき、
真右衛門が俺の背中に手をかけながら、
くるっと背後のほうに俺の身体を促がした。
背後には老人が一人、
ちょうど腰かけることができるほどの石に座っていた。
おそらく身長は160cmほどだろうか、
白髪の長い髪が、これまた白髪の長くみごとな髭と共に、
風にゆらゆらとなびいていた。
右手には、杖を持っていて、その杖は上部が地面のほうへ
くるっと一回点、捻じ曲がっている。



その白髪の老人は、何も声を発することなく、静かに
山のほうを半眼で見つめている。



「すみません、
今しがた、この辺りに何か飛来物が落ちてきませんでしたか?」
俺は老人に声をかけてみた。



「落ちたわけではない」
老人はそう答えた。



「どこに行きましたか?」
と尋ねると、老人は崖の下の方を指差す。



「乗組員は無事でしょうか?」
と尋ねると、



「問題ないからここに居る」
と答えた。



「おぬしも横に座れ」とその老人は言う。
俺が老人の横につこうとすると、
忠蔵が俺からその横の席を奪うように陣取った。尻尾が左右に揺れている。

仕方がないので、俺はその逆側の横に座ることにした。
真右衛門は、忠蔵の横に腰掛けた。



「見事な景色じゃ」
老人は目を輝かせてそう呟いた。



「そうですね」
俺はさっきからずっとこの景色を見ているので、
それほどの感動を覚えることなく、空気を読んでそう答えた。



「なんて美しいのじゃ。。。
 まさに奇跡でないかのう。
 地球に生きていることに深い感謝を覚えるのう。
 おぬしはどうじゃ?
 今、ここに、瞬間、瞬間に、
 物事をどれだけ好意的に受け止め、
 真なる己の心の中で、感動を沸き立たせて生きているかな。。。」



俺は老人の言葉の意味することが、はっきりとはつかみ得なかった。
ただただ、この老人のゆったりとした世界観に驚きと敬服を覚えていた。
“仙人かしら・・・”
風貌はなんだかそんな感じである。



「白髭鷹(びゃくしおう)さま
 本日はご多用の中
 わざわざお越こしいただき真にありがとうございます」
真右衛門がようやく口を開いた。

忠蔵はこの髭の老人の膝に顔を置いて、
すやすやと寝ている。
「総、もとはね、忠蔵はこの白髭鷹(びゃくしおう)様の
 馬だったんですよ、それを拙者が欲しがっちゃってね、
 いただいたわけです」



「だから、忠蔵がさっきから
あんなにはしゃいでたんですね。
真右衛門さん、ところで、この方は?」



「ああ、今日ね、あなたが地上世界に帰還するということで、
 案内役を買ってくださったわけです。
 法力には非常に長けている方でしてね。
 霊格もわたくしよりずっと上の方です。
 この期に及んでまだあなたにはお勉強が待っているみたいですよ」
真右衛門がこの白髭鷹(びゃくしおう)という老人を
このように紹介してくれた。
やれやれ、ようやく地上の肉体に戻れるのかと思いきや、
一体全体何が待ち受けていることやら・・・



「でもさ、白髭鷹(びゃくしおう)さん、
 さっきの乗り物、崖の下に落ちちゃって、
 壊れたんじゃないですか?」



「それのことか?」
白髭鷹(びゃくしおう)がそう言った視線の先、
すなわち、断崖絶壁ギリギリの所を見ると、
高層ビルの屋上にあるヘリコプターの着地用の図柄のように、
星型の図面が描かれており、その上に、
小さなピラミッドの形をした飛行船のような物が横たわっていた。



“何だこれ???
 これで何をするの???”
何だか不安な感じがした。



「さあ、立ちなさい。総。
 ここで(霊天上界で)善い経験ができましたね」
真右衛門が立ち上がってそう言った。
真右衛門の光と太陽の光が重なり、
すごくまぶしかった。

つづく

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