おもちゃ、家電、もろもろの修理の足跡と備忘録

色々と忘れるので、趣味のメモ

超再生受信機

2023-05-28 10:50:28 | 無線

FM放送辺りの周波数用の超再生受信機を作っていました。(「nanoVNAの更改作業」から続いております、、)
 アマチュア無線通信士(もちろんそんな名前の資格はありませんが)からアマチュア無線技師になるため!?に前から無線(高周波)の回路はやってみたかったのですが、自作でコイルとか作っては見ても結局、計測器が無いので所望の周波数に合わせきることができずこれまで結構悶々としてきました。
 今回も懲りずにもう一回やってみっか、ということでおもちゃの病院のOMさんからお借りした本と、いくつか部品を持ってきてくれたのでそれで「超再生受信機」なるものを作って見ました。でも、ありあわせの部品で作るので、結局毎度おなじみの状態になります。しかし今回は違います。そう、おもちゃの病院のOMさんがGridDipMeter!まで持ってきて貸してくれたんです。

それで計測して共振周波数が低かったことがわかりましたので、コイルを巻き直したり、AM用のバリコンの容量を減らすために直列にコンデンサを繋いでみたり、、、、、。最後はなんとか電波の強い、AM補完放送の辺りを受信できるところまで持ってこれました。
 GridDipMeterは、既知の回路定数の共振回路で発振させて、測定相手の共振周波数を測る(言い方あってますかね、、)装置です。昔は当然真空管だったので、発振回路の真空管のGrid電流を計測することでそれを見つけるわけです。計測するものの共振周波数と合致すると、共振しているものにエネルギーを吸われ(あってますかね、、)て、電流計がDipする(ピコンと振れます)、それでGridDipMeterと言うようです。お借りしたGridDipMeterも真空管式(右側のつまみ隣のJackの穴から丁度ヒータが見えました)。シリアルの先頭二桁が多分製造年じゃないかと思うのですが、38とあるので昭和38年製でしょうか。(シリアルの後ろの桁は消してあります)HAMBAND DIP METERって書いてありますね。現在多分すでに新規販売はしていなくて、すでに絶滅種であると思われます。
 お返ししちゃうとできなくなるなぁ、今どきGridDipMeterも売ってないし、自分でなんとかできないかな、といろいろ考えて、nanoVNAでできんじゃない?というところにたどり着いて前回の記事になったわけです、、。

前置きが長くなりました。
用意したもの:
 今回作った回路は、「ラジオ&ワイヤレス回路の設計・制作」CQ出版、鈴木憲次さん著、というものから引っ張ってきました(この本もOMさんからの借り物です)。販売中の書籍なので、回路は省略します。
トランジスタは、高周波用のものがなかったので、手元にあった一番トランジション周波数が高いもの(といっても200MHz位のJankの古い2SC372Y)、ポリバリコンはこれまたOMさんに提供くださったAM用(後でわかったのですが、、)の2連、コイルも当初はOMさんがくださったものを使ったのですが、結局0.8mmのポリウレタン線で手巻きしました。増幅回路は手持ちの百均アンプに鰐口クリップで接続してヘッドホンで確認。
回路作成:
 手元にあったユニバーサル基板の端っこを使って作成しました。ベタアースにしないとだめかな、とか全然分からないので色々調べていたら、ブレッドボードでやっている人もいるようなので、まぁ、大丈夫かなと。
 適当に配線します。一応、グランド線は太くなるようにしました。
調整:
 最初作り上げたときは、GripDipMeter等の計測器もなかったので、後で計測してみたら60MHz近辺とあらぬ帯域でした。GridDipMeterやらnanoVNAやらで計測しながら80-120近辺になるようにコイル、バリコン予め調整をしました。(多分測定器が無いと本などに書いてあるそのままの部品で作ったとしてもなかなかうまくゆかないだろうなぁ、と思いました。まして手持ちの部品でやったので、、、、)
 で実際に受信。なんとか初めてR3?位(R:readability了解度、1~5)で受信することができました。でもポリバリコンの種類も全くわかっていませんでしたが、FM帯域用は通常20p位のものを使うようでしたが、頂いたものはAM用のポリバリコンだというのが後でわかって、AM用だと一桁大きい200pFとかのものだったらしく、受信調整範囲がとっても狭くて、、、(まぁ、容量から見るとそうでしょうねぇ、、)。
 ポリバリコンの容量の適正化?をするために、結局、ポリバリコンの2連の直列使い+47pFの直列、それに加えて周波数帯域が所望になるように4Tコイル(本記載は0.8mm、内径8mm、5Turn、12.5mm)にしてコイルの間隔を調整したりして、なんとか合わせ込めました。(計測器が無いと絶対にできない、、、)
 結局我が家ではFMの電波は弱いのですが、AMの補完放送(昔のアナログTVの帯域)はいくつか受信できました。
 クエンチングとバイアス用の可変抵抗は、これも結構調整が難しいです。クエンチングもそもそも音を聞いたこともないので、本当にクエンチングがおきているのかも半信半疑、バイアスもとりあえず中央にして始めましたが、周波数をポリバリコンで変えると、クエンチングしなくなったり、と合わせるたびに調整が必要な感じです。

写真は、91.6MHz(AM文化放送の再送信ですかね)を一番良く聞こえる状態(R5)に調整して電源OFF、その時の共振回路の共振周波数をnanoVNAで計測したものです。
画面中央値が91.6MHz、スパン(画面の幅、端から端)が50MHzです。ちょっと高い方にずれているように見えます。(97MHz位のようです)

OMさんにお借りしたGridDipMeterでも測ってみました。
GridDipMeterの上に付けた黒い棒(コイルです)を測定側のコイルに近づけて上の円盤を回すと電流計が上下しますが、共振点で「ピコン」と瞬間針が振れます。
この計測では、AのコイルがついているのでAを読みます。読みにくいですが、98MHzくらいでしょうか。(使う帯域ごとにGridDipMeterにコイルが全部で5種類入っていました)と、いうことで、概ね合っていることが確認できました。

結言:
 今回、共振周波数が計測できるGoodsを使えるようになって、作ったものの計測結果の見える化?!ができたので、ちょっと高周波?の敷居が下がったような気がします。また、R3~5と市販のラジオとは比べようもないPoorなものではありましたが、自分いたコイルで、放送が聞けたことに喜べました。
嬉しかったでーす。またやろ。