~第9回~
会社を頻繁に、休んでパチ屋にいた私が、信用を失うのに時間はかからなかった。
みんな、優しくしてくれたけど、仕事を任せてくれることが少なくなっていった。
そして、中途採用で新しく人が入る事になる。
もうだめだ…。会社にも行けなくなっていた私が、必要とされている訳がない。失った信用は、もう取り戻す事など出来るはずがない。
第一、会社に行ける精神状態では無かった。
家の貯金も、既に底をついていた。キャッシングは限度額いっぱいだったし、支払う余力も私には無いと、初めて思った。
どうしよう…。
とんでもないことをしてしまった…。
頭の中が真っ白になっていた。
余っていた、睡眠導入剤を大量に飲めば死ねるか…そんな思いで、手のひらに薬を乗せて…。
飲もうとしたけれど、飲めなかった。本当は、助けて欲しかったんだ。
母親に電話をした。
私、もうダメだ…泣きじゃくって声にならなかったと思う。
母親は、すぐに来てくれた。
部屋を見て、状況を察したようだった。「何があったの?」
私は、全てを話した。
パチスロで借金をつくったこと、家の貯金に手をつけたこと。死にたいこと。不眠のこと。発作のこと。
母親は、馬鹿なことを…と言いい、泣きながら私を抱きしめた。
しばらくして帰ってきた、主人も交え話した。
主人も泣いていた。
初めて泣いている顔をみた。
なんて、馬鹿なことをしたんだろう。
みんなを傷つけてしまった自分の愚かさを、憎んだ。
その日、告白した後自分がどうしたのか覚えていない。
眠ったのか眠ってないのか、わからないけれど翌朝、母親に心療内科へつれていかれた。
依存症の事以外を、母親が説明していたようだった。薬をもらい、しばらく安静にするようにと言われた。
そして、入社して8ヵ月目。働く気力も無くなっていた私は辞表を出した。
上司はすんなり受け取ってくれなかった。
パートでも良いから、残って欲しいと。
会社をしばらく休んでも良いから、辞めないでと。
驚きでいっぱいだった。
不必要な人材だと思っていたのは、自分だけだった事に気づかされたのだから…。
仕事量を減らされていたのは、私の体調を気にかけてくれていた上司の気遣いだったんだ。
涙が止まらなかった。
私がパチスロさえ止めていたら…借金までして嵌まっていなければ…。
ウソをついて会社を休んでいなければ…。
何もかもが、自分の手で壊していた事実。
本当にバカだ。
周りが見えないほど、パチスロに嵌まっていたんだ。
やっぱり、自分は悪の塊で此処にいる資格が無いと思った。
今の自分には、去るだけです…ありがとうございました。
会社を辞めた。
社会から離れる選択をした。
パチスロに嵌まって、鬱になったのか、鬱をほったらかしにして、パチスロに嵌まっていったのかは、未だにわからない。
ただ言えることは、パチスロから離れるチャンスが沢山あった事。
だけど、自分自身でそのチャンスを遠ざけ、現実逃避を繰り返してきたのだと思う。
~第10回へ続く~
会社を頻繁に、休んでパチ屋にいた私が、信用を失うのに時間はかからなかった。
みんな、優しくしてくれたけど、仕事を任せてくれることが少なくなっていった。
そして、中途採用で新しく人が入る事になる。
もうだめだ…。会社にも行けなくなっていた私が、必要とされている訳がない。失った信用は、もう取り戻す事など出来るはずがない。
第一、会社に行ける精神状態では無かった。
家の貯金も、既に底をついていた。キャッシングは限度額いっぱいだったし、支払う余力も私には無いと、初めて思った。
どうしよう…。
とんでもないことをしてしまった…。
頭の中が真っ白になっていた。
余っていた、睡眠導入剤を大量に飲めば死ねるか…そんな思いで、手のひらに薬を乗せて…。
飲もうとしたけれど、飲めなかった。本当は、助けて欲しかったんだ。
母親に電話をした。
私、もうダメだ…泣きじゃくって声にならなかったと思う。
母親は、すぐに来てくれた。
部屋を見て、状況を察したようだった。「何があったの?」
私は、全てを話した。
パチスロで借金をつくったこと、家の貯金に手をつけたこと。死にたいこと。不眠のこと。発作のこと。
母親は、馬鹿なことを…と言いい、泣きながら私を抱きしめた。
しばらくして帰ってきた、主人も交え話した。
主人も泣いていた。
初めて泣いている顔をみた。
なんて、馬鹿なことをしたんだろう。
みんなを傷つけてしまった自分の愚かさを、憎んだ。
その日、告白した後自分がどうしたのか覚えていない。
眠ったのか眠ってないのか、わからないけれど翌朝、母親に心療内科へつれていかれた。
依存症の事以外を、母親が説明していたようだった。薬をもらい、しばらく安静にするようにと言われた。
そして、入社して8ヵ月目。働く気力も無くなっていた私は辞表を出した。
上司はすんなり受け取ってくれなかった。
パートでも良いから、残って欲しいと。
会社をしばらく休んでも良いから、辞めないでと。
驚きでいっぱいだった。
不必要な人材だと思っていたのは、自分だけだった事に気づかされたのだから…。
仕事量を減らされていたのは、私の体調を気にかけてくれていた上司の気遣いだったんだ。
涙が止まらなかった。
私がパチスロさえ止めていたら…借金までして嵌まっていなければ…。
ウソをついて会社を休んでいなければ…。
何もかもが、自分の手で壊していた事実。
本当にバカだ。
周りが見えないほど、パチスロに嵌まっていたんだ。
やっぱり、自分は悪の塊で此処にいる資格が無いと思った。
今の自分には、去るだけです…ありがとうございました。
会社を辞めた。
社会から離れる選択をした。
パチスロに嵌まって、鬱になったのか、鬱をほったらかしにして、パチスロに嵌まっていったのかは、未だにわからない。
ただ言えることは、パチスロから離れるチャンスが沢山あった事。
だけど、自分自身でそのチャンスを遠ざけ、現実逃避を繰り返してきたのだと思う。
~第10回へ続く~