そういうことか

トミーの今のお仕事は、ずばり営業です。

やりたかったのです、営業が



もともと自分で「あたしって営業向き？」などと勘違いしてたわけで、
まぁ自業自得です。

入社してから１週間、ひたすらお勉強の日々。



「もう勉強は十分やったので、早く外に行かせてください」


と初日に言って、社長と直属ボスにドン引きされたわけだけど、今となっては社長たちの言ってることがよくわかります。



今の正直な心境・・・







「もっと勉強させてくださいっ！！」




営業って大変ですねぇ・・・
何をどう思って「自分に向いてる」と判断してたのか、今となっては根拠すらわかりません。
でも、「向いてない」と断言するのはまだ早い。

とにかく記念すべき「外回り１日目」は、問題なく無事に済んだので、まずは合格と自分に甘く受け止める事にします。



＜営業外回り１日目＞

退屈だったお勉強も、１週間もやったらさすがに知識は頭にたっぷり入りました。
「こう聞かれたら、あー答える」「この質問には、この答え」と、営業トークのイメトレもばっちり。

頭の中では１から１０くらいまで、営業トークをグルグルさせながら、１社目を訪問しました。



結果はね、





まったく思ったとおりに展開しなかったという事


なんでしょう？
営業という事をトミーはよくわかってなかったのか、わかってたはずなのに舞い上がってたのか？


とりあえず、つかみの会話ＯＫ
自己紹介や世間話もＯＫ

会話は弾み、なかなかいい具合にコミュニケーションできてます

でも、気になるのが「用意した営業トーク１～１０」がなかなか切り出せないという事。

うーむ、このまま世間話で盛り上がってていいのか？と頭の中でいろいろ考えながらも、
結局ほとんど仕事の話をせずに帰ってしまいました。


・・・・これってどう？



一人じゃよくわからなかったので、ボスに相談

なかなか良いアドバイスをもらって、少し楽になる




帰宅途中、また不安がぶりかえす



日本のトミ父に電話して、単刀直入「営業の極意を教えてくれ」と本音トークを持ちかける。





頭の中の霧が晴れました

トミ父のわかりやすい日本語での説明のおかげで、トミーが大事な事を忘れていたという事に気づいたのです。

あまりに缶詰で勉強したため、それを相手に伝えなければ！という焦りが、トミーの一般常識や判断力を完全に鈍らせていたようです。
トミ父の、


「初めて訪問した日に営業トークはまずいやろ
最初の数回～数十回は、ただひたすら挨拶や世間話で良い関係を築き上げなあかんて。
最初はちょこちょこと小出しにして、ちゃんと信頼関係ができて初めて商売の話ができるっちゅうもんやろ！ 」


という言葉で、完全に目が覚めました
こういう当たり前の事がわからなくなるというのは、怖いですねー。
でも、だから仕事って面白い。

トミ父の話をジェイに聞かせた後、さらにジェイにも意見をあおぐと、


「I agree with your father.」


と、トミ父の言う事をとても理解してました。
ジェイは基本的にトラディショナルを嫌う傾向があるので、仕事に関してはものすごく合理的です。
だけど、トミーの仕事柄カナダの合理性を重視した考えや行動は当てはまらない事もわかって、その上でアドバイスをくれました。


明日からは、もっと長いスパンで焦らずに自分のペースでがんばります



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