生協のパンフには、時々「本」の特集があります。
子供向けの絵本や参考書、親の世代への子育てヒント本、その他健康やダイエット本など、
多種多様なのですが、いつも目を凝らしてみるのは「絵本」…。
今回、本を開いた状態の写真が載っていまして、それに惹かれて購入…。
トップ写真は、まだ本が届いてないので、パンフからのものです。
本の紹介文には
「朝めざめて窓をあける、という何気ない日常と、窓の外に広がる当たり前の風景。
けれども、その日常の繰り返しの中にこそ、生きるよろこび、そしてたしかな希望があることを、
そっときづかせてくれる一冊です」
とありました。
こちらです。
あさになったのでまどをあけますよ | |
クリエーター情報なし | |
偕成社 |
正直なところ、この年になりますと「何もない日常が、一番の幸せなのだ」ということは、
いわれなくてもしみじみ思うことです。
ここ数年の間に、母を送り、父が倒れ、大きな震災があり、そして今また豪雨被害に地震…。
巷では、見ず知らずの人間に「誰でもよかった」などと、刺されたりひき殺されたり。
道もおちおち歩けません。
今日は今「高温注意報」がテレビ画面に青く出ています。東京八王子36.7度…体温より高い…。
世界には、銃や砲弾の飛び交う国もあるのですから、まだまだ贅沢は言っちゃいけないとは思いますけれど、
穏やかに暮らす…ということが、夢になってしまうような…今はそんな時代です。
パンフに載っていたページの写真がこちら。
これを見て、ふと「船橋にいたころ」のベランダからの景色を思い出しました。
何度もお話ししておりますが、丘の先端に建つマンション7階で、景色がご馳走…と友人にも言われたところです。
毎日こんな景色を眺めていました。(無理やり並べた写真ですみません)
今も住んでいる友人に聞くと、市街化調整区域なので、病院施設は大きくなったけれど、
あまりかわっていない…とのことでした。
毎年今頃は、眼下の田んぼが緑一色になり、風にそよいで涼しげに見えたものです。
ここに住み始めたころ、息子の病気や障害が次々と判明し、毎日病院とリハビリと、障害者の施設と…
それだけが外出先で、あとはずっとこの景色の見える部屋にいました。
三ヶ月に一度は写真に見える病院に入院する息子に、夜遅くまでベランダにいて、
「もう寝ちゃった?お熱さがったかな」と、ぶづふつつぶやいていましたっけ。
ここで10年の余を暮らし、横浜に来たころには、息子も入院は減っていましたし、
私もたくましいかーちゃんになっていました。
思えば、私はこの景色に何度も何度も救われていたのだと思います。
位置的に、左が成田、右が羽田ですから、空を見ていると、
五分と待たず飛行機が右から左、左から右…と、飛んでいました。
病院に続くたった一本の道路には、車がしょっちゅうとおり、
時にはスピード違反のバイクと白バイのおっかけっこもみました。
にんじん畑の中で泥まみれでつかまってました!
夏には土曜日ごとに、どこかで花火大会があり、全部ベランダから見えました。
冬、雪でこの景色が一面真っ白になり、北海道の草原にいるようで、飽きずに眺めましたっけ。
なぜか誰ともしゃべらなくても、一人じゃないと思えたものです。
横浜へきて、なにより寂しかったのは、高台とはいえもう「眺め」が限られてしまったことです。
窓を開けても道路と家ばかり、わずかに東側にひろがっていた空き地も、その奥の雑木林も、
数年後にはなくなり、やがてお隣の家が建って、我が家からは雑木林の上に出る初日の出も見られなくなりました。
西側の二階からわずかに見える富士山は、電線がくもの巣みたいにジャマをします。
それでも…この数年「ジェットコースターのよーな人生だねー」という日々をすごしてきて、
窓を開けるとお隣の屋根が見える、お隣の裏庭が見える、
玄関を開けると、幼稚園や学校へ行くこどもたちのが見える、
それがいつも変わらない…ということが、一番なのだ…と、つくづく思うようになりました。
「なにげない日常」という言葉があります。
船橋のような「ごちそう」になる景色はないけれど、おしんこに味噌汁、卵焼き…の朝食のような、
当たり前で代わり映えのしない、でもほっこりする景色が毎日続きます。
高すぎて、遠すぎて、音までは届かなかった船橋とは違い、ここはヒトの声も、子供の走る音も、
ご近所にきた宅配の「んちわーす」という声も、みんな聞こえます。やっぱり一人じゃないねぇ、と思います。
見るものすべてが紅葉して真っ赤とか、目にしみるような緑とか、それもなくなってしまったけれど、
お隣のヒメシャラが芽吹いたり、花を咲かせたり、紅葉したりで、あぁもうこんな季節かぁと思います。
今朝も4時半に地震がありました。ここは3でしたが、親戚のある茨城は4、幸い無事でしたが、
飛び起きて、少し薄明るくなった表を見て、あぁ普通に朝を迎えたい…と思いました。
「あさになったので まどをあけますよ」…そしていつもとおんなじ景色ですよ、
その穏やかさをなくしてしまった東北や九州のかたがたが、一日も早く「いつもと同じ風景」を
見ることができるようになりますように。
この本が届いたら、何もない日常に感謝しつつ、広げてみたいと思っています。
とんぼさんの、日本文化に対する知識の深さに、いつも感心するとともに勉強させていただいて感謝しています。
さて、今回はじめてコメントいたしましたのは、「船橋」という地名が出てきてびっくりしたからです。
もしや…千葉県の船橋でしょうか?
成田と羽田、と書かれていることからもそうではないかと思いまして。
だとすると、私の実家のすぐ近くです。
心なしか、写真の風景にも見覚えがあるような気がしまして…。
千葉はちょっと車を走らせると、今でも緑の田んぼに風がそよいでとても綺麗です。
船橋なんてローカルな場所を、こんなステキにご紹介いただいて、千葉県民として嬉しいです♪
景色がごちそう、なんて言われるのは、特に幸せだなぁ。
またお邪魔しますね。どうもありがとうございました。
はじめまして。
コメントありがとうございます。
ご推察のとおり、千葉県船橋市です。
ご実家がお近くなんて奇遇ですねぇ。
写真を写したマンションは、夏見台というところ。
写真の病院は「船橋市立医療センター」です。
息子が小6までここにおりました。
駅まで車で15分とかかりませんでしたが、マンションのまわりも、
まだまだ畑がたくさん残っていました。
最近はそのあたりは建物が建ってしまったそうですが…。
運動公園がすぐそばでしたので、桜を見に行ったりしたものです。
「緑の色」というのは、どうしてあんなにほっこりするのだろ、
ほんとに不思議に思います。
こちらへきてから、一度も行ってないのですが、
まだこのマンションに友人がいますので、時々この景色が見たくて、
たずねたくなります。
ブログ、お邪魔しました。猫ちゃん、かわいいですー。
我が家の近くにも、半ノラの黒猫さん親子がいます。
いつも、お向かいの室外機の上でお昼ねしているのですが、
最近は子猫も大きくなって、どっちが親猫さんかみわけつかなくなりました。
拙いブログですが、これからもよろしくお願いします。
実家に帰る時、必ず通ります(笑)
運動公園も、子供の頃毎年泳ぎに行きました。
どはー、もしかすると、とんぼさんと子供の頃ニアミスしているかもしれませんね♪
海老川沿いの桜並木が毎年きれいでしたわ…。ああ、懐かしい!
拙ブログにもお越しいただいたようで、どうもありがとうございます。
今は窓辺の親子猫が気になって気になって仕方ありませんが、基本は着物ブログです(笑)
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。
今まで見慣れたはずの景色が根こそぎ崩れ
自分の家のあった場所や田畑まで分からなく
なるほどの自然災害を見るにつけ、本当に
当たり前に暮らせる事がどれだけ幸せかと
ことさら思います。
都会と言うとビルが立ち並んで・・と
想像しますが、写真では自然がいっぱいで
のどかな景色ですね。
大森に住んでいました頃は実家に
帰るのが嬉しかったのは、
子どもたちに身近な自然を感じさせて
あげられたからですが、
今はこうして吹く風が強いとか、
坂の上りがきついとか、言ってますが、
これがあるからこその風景の恩恵も
あるわけで、冬のベランダの穏やかな
陽だまりを忘れているなんて、と、
思っています。
神奈川県と違って千葉県は平地が多く、
遠くまで景色が広がります。
今はこの暮らし方が自分には
合っているように思え、
都会から戻ってくると、
(あ~、やっぱり...)と
心が穏やかになります。
普通に暮らせる、自然がある、
一番のことと思えますね。
子ども絵本、私も大好き!!です。
この絵本、届いたら教えてくださいね。
私は自然さんの大森という地名に反応
私は単なる活字好きで 頭の中に留まることなく
いつも通り過ぎて行くだけ
絵本も大好きで 子供達にも沢山 読み聞かせたり
買い与えていましたが
先日 娘が帰宅した際に 絵本を大量に持ち帰りました。
孫用の赤ん坊用の絵本ばかりでしたが
その絵本を見せていた昔を懐かしく思い出しました。
ニアミスの可能性大ですねぇ。
海老川沿いは、お花見に行きましたよ。
運動公園の桜もきれいですが、
海老川は「ヒトがいなくていい」…ですね。
猫さんも親がいたようですが、どうぞすこしでも
よい「未来」になりますように。
吸収は、やっと雨がおわったのに、
今度は台風…踏んだりけったりです。
古い家でも、草ぼうぼうの庭でも、
変わらず暮らせることはありがたいですね。
船橋は「駅前のみ都会」でしたね。
駅の向こう側は、港が近いので昔ながらの商店街でしたが、
駅のこちら側は、田畑と雑木林満載でした。
景色だけは「持ってきたかった!」
たかいところは景色がよくて、それだけでなんか得をした気分ですね。
いつも写真を拝見して、あーこんなに緑がたくさんなんだぁと、
うらやましく思っています。
若いころは、便利がなにより…でしたが、今はやたらと、
母の田舎の風景や、船橋の風景が懐かしく恋しいのです。
年のせいですかねぇ。
それでも、なにより「穏やかな暮らし」が一番ですね。
絵本が着いたら、また書かせていただきます。
「自然」はタイトルで、akkomam様ですー。
私は子供のころの絵本をとっておけばよかったと、
今でも思います。
覚えている絵本も何冊かあるのですが、もう販売されていませんしねぇ。
子供にも買いますが、私の絵本の本棚、満杯です。
なんとかせねば…いやなんともならん…の繰り返しです。