A-ロッドはⅢ型だ。スイングの開始時から両手でトルクをかける。
この打法が一時アメリカで公認の打法だった。A-ロッドも一からⅢ型を教わったのだろう。ところが身体的特性と折り合いをつけた結果、ちょっと風変わりなⅢ型になってしまったのだ。アーロン、ボンズも似たような経緯をたどったに違いない。
彼のような打者が黒人のあいだに続々と出てきてもおかしくはないのだが、そうはならなかった。Ⅲ型を教えるのをやめ、ⅡB型に乗り換えてしまったからだ。あの打ち方は彼一代で終わりだろう。あれほどすぐれた打法が奇跡的に生まれたというのに評価されることなく、才能、個性でかたづけられてしまうのだ。
Ⅲ型からB型への移行は白人打者なら何の問題もない。ジアンビがスノーやヒンスキーになるだけだ。むしろその方がいいから変えたのであって、そのこと自体間違いではない。
ところが同じことを黒人がやると、A-ロッドがジーターになるのだ。なんともみすぼらしい話じゃないか。腸腰筋を事実上封印し、体に合わない打法を押し付けるからそうなるのだ。
黒人の若者が真似たいのはジーターよりA-ロッドだろう。ところが指導者はジーターの打ち方しか教えてくれない。なぜなら「そっちの方が打法的にすぐれている」ということになってしまったからだ。
そんな、アホな!