「メジャーの打法」~ブログ編

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ナックル(26)

2008年06月21日 | ナックル

 下半身。

前期

 ナックル投法は、普通の投法と同様に、下半身の動作が上半身の動作に先行するが、それほど積極的なものではない。腰・体幹の回旋を肩水平内転につなげる。
 ニークロとウェイクフィールドではフォームがかなり違うが、その違いは前期における回旋動作の違いだろう。打撃に喩えれば、二ークロはリニア打法で、ウェイクフィールドはローテイショナル打法だ。

後期

 右脚の役割は普通の投法よりむしろ大きい。普通の投法ではリリース直前には右足が地面から浮いているが、ナックルのばあいは、最後まで地面に着いたままで、腕の突き出しを支援しているはずだ。
 ニークロは「下半身は使わない」と言ったが、使わないわけではない。ボクシングのジャブも、意識はしないが、使っている。


 こうして見てくると、ナックル投法は普通の投法よりボクシングのストレートに近いように思う。前期に体幹の回旋、肩水平内転があり、後期の腕の突き出しでは右脚がこれを支援する。違うのは前期の腕振り(例えば肩の外旋・内旋)の大小で、ナックル投法はそれで倍以上の末端スピードを賄っていることになる。

パンチのスピードは、せいぜい10m/s(「最強格闘技の科学」)

 したがって、ストレート・パンチを突き型とするなら、ナックル投法も突き型と考えた方がいいのかもしれない。ふたつをバイオメカニクス的に区別する理由が見当たらない。
 


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