「メジャーの打法」~ブログ編

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連続型と非連続型(その1)

2006年10月15日 | 野球全般
 非連続型から連続型への移行が進み、風井論文の出た30年前とは(数において)立場が逆転してしまった感がある。

 しかし、井川(阪神)、川島(ヤクルト)は非連続型を採用しているようである。「非連続型未だ健在」というところだろう。風井論文を踏まえずに日本人の投法を論じることはできないのである。

 オーバーハンドとスリークォーターを区別しても、動作の連続性に目を向けることはなかったと思う。HPで記したように、この点がまず誤解を招きやすい。
 例えばB・コロン(LAA)のようにテイクバックで担ぐタイプの投法は、バックスイングの終わりにいきなり手首の返り③が起こり、動作もそこで一旦停止する。
  • バックスイングの終わりに動作の停止がある
  • ③の後に肩の外転・水平位内転筋群が働く


という意味では、コロンは非連続型になるだろう。

 
 しかし、「非連続型は、体幹の捻転に続いて、肩の外転・水平位内転を行う」という点に留意すべきである。言い換えれば、

体幹の捻転が始まっても、なお、肩の外転・水位内転筋群が働かないという時期があり、そのあとで③を迎える


のである。

 風井論文では、各動作区分と左足着地の時間的関係が明らかではないが、この(HPではクラッチを切った状態と表現した)『空白期』が、著しい体幹の捻転をもたらすステップ後に至ることは間違いないだろう。
 コロンのようなタイプでは、ステップの前に③が起こるわけだが、ステップの頃には肩の外転・水平位内転筋群の活動があると考えられる。従って上記の時期を経ることはないのである。この点が非連続型とは大きく異なる。

 コロンはアメリカ式投法と考えるべきだが、連続型にも同じようなテイクバックを取る投手がいる。このようなテイクバックから非連続型の動作には繋がらないようである。